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絶対条件
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(やはり、こうでなくてはなっっっ!!!!!!!)
ジャイアントオーガの右拳に対し、自身も同じく右拳を突き出すラスト。
空間に両者の拳がぶつかり合う衝撃音が鳴り響く。
両者の拳が鈍く軋むも……互いに、その軋みを気にしている暇はない。
次に繰り出すは、鋭い蹴り。
ジャイアントオーガにとっては下段の蹴りとなるが、鋭い一撃であるのは変わりない。
対して……ラストも蹴りで対抗。
「「っ!!!!!!!」」
結果は相打ちとなるが、体格の小さいラストの方が大きく弾かれた。
(ふふっ、ふっふっふ!!!!!)
それでも尚、彼の顔からは笑みが零れ続ける。
力と力を真正面からぶつけ合うことが出来る。
ラストにとって、これ以上のない……最高に闘争心が燃え上がる戦い。
(いつまでも、こうして、いたい、ものだが!!!! ふふ、そうも、いかない、なッ!!!!)
「ッ!?」
両拳を重ね合わせた鉄鎚に対し、アッパーで対抗するラスト。
結果は……相打ち、ではなくラストのアッパーがジャイアントオーガの鉄鎚を弾き返した。
押し勝った要因は、ラストが瞬間的に拳に竜化を使用したからであった。
ラストは……一人で探索している訳ではない。
リーダーであるティール、仲間であるアキラと共にこのダンジョンを探索している。
目的は、ダンジョンの最下層のボス部屋に眠るダンジョンコア。
サントレアル王国という別国の騎士たちがダンジョンの存在を把握しているからこそ、なるべく早めに手に入れなければならない。
そのため、延々と遊んでいられる訳ではないため、切りの良いタイミングで終わらせなければならない。
ジャイアントオーガとの戦闘が始まり、既に数分が経過。
名残惜しさはあれど、それなりに楽しんだのは間違いなく、ラストは攻撃をぶつかけ合うという戦闘スタイルは変わりないが、それでも勝利へと確実に駒を進めていく。
「ぬっ? 何を…………ほほぅ。そういう事も出来るのか」
後方へ跳んで距離を取ったジャイアントオーガ。
恐怖で本能的に距離を取ったのではなく、地面に手をめり込ませると……なんと、地中から一つの大剣を引き抜いた。
「っ、っ、グォォオオオオオオオオオッッッ!!!!!!!」
「はっはっは!!!! では、今度は自慢の刃をぶつけ合おうか!!!!!!!」
拳や脚をぶつけ合えるだけではなく、最後の最後には自身が扱う中でも一番の得物……大剣をぶつけ合えるとなれば、これ以上の戦いはない!!! という気持ちが湧き上がる。
終わらせようとしていた気持ちに再度油が注がれた結果、最終的にジャイアントオーガを討伐したのはもう数分後となった。
「すまない、マスター」
「ん? どうしたんだよ急に」
戦いが終わった後、ラストは直ぐにティールへ謝罪の言葉を伝えた。
「本当は素手で戦っている間に終わらせるつもりだったが、その後も戦い続けてしまった」
たかが数分……されど数分、となるかもしれない。
しかし、ティールは笑って言葉を返す。
「ふっふっふ。別にそこまで気にしなくて良いよ。本当にさっさと終わらせようとしてるなら、今回みたいにわざと転移トラップを踏んでこういった場所にこないしね」
「む……それはそうかもしれないが」
「想定より増えたと言っても数分程度だよ。それに、ちゃんと生きて帰ってきてくれた。早く倒すことも重要ではあるけど、ちゃんと帰ってくる方が重要だよ」
「……そうか」
ティールとて、ラストが勝つとは思っていたものの、相手はBランクのモンスター。
決して油断出来ない強敵。
だからこそ、ラストが生きて帰って来てくれた事が素直に嬉しい。
一人で戦おうとするのであれば、それが絶対条件である。
「さて……どうやら、まだまだ続きそうだね」
地面に魔法陣が浮かび上がらず、宝箱が出て……扉が開く。
まだ先が長いことの証明。
三人はそれぞれ笑みを浮かべ、次の部屋へと向かった。
ジャイアントオーガの右拳に対し、自身も同じく右拳を突き出すラスト。
空間に両者の拳がぶつかり合う衝撃音が鳴り響く。
両者の拳が鈍く軋むも……互いに、その軋みを気にしている暇はない。
次に繰り出すは、鋭い蹴り。
ジャイアントオーガにとっては下段の蹴りとなるが、鋭い一撃であるのは変わりない。
対して……ラストも蹴りで対抗。
「「っ!!!!!!!」」
結果は相打ちとなるが、体格の小さいラストの方が大きく弾かれた。
(ふふっ、ふっふっふ!!!!!)
それでも尚、彼の顔からは笑みが零れ続ける。
力と力を真正面からぶつけ合うことが出来る。
ラストにとって、これ以上のない……最高に闘争心が燃え上がる戦い。
(いつまでも、こうして、いたい、ものだが!!!! ふふ、そうも、いかない、なッ!!!!)
「ッ!?」
両拳を重ね合わせた鉄鎚に対し、アッパーで対抗するラスト。
結果は……相打ち、ではなくラストのアッパーがジャイアントオーガの鉄鎚を弾き返した。
押し勝った要因は、ラストが瞬間的に拳に竜化を使用したからであった。
ラストは……一人で探索している訳ではない。
リーダーであるティール、仲間であるアキラと共にこのダンジョンを探索している。
目的は、ダンジョンの最下層のボス部屋に眠るダンジョンコア。
サントレアル王国という別国の騎士たちがダンジョンの存在を把握しているからこそ、なるべく早めに手に入れなければならない。
そのため、延々と遊んでいられる訳ではないため、切りの良いタイミングで終わらせなければならない。
ジャイアントオーガとの戦闘が始まり、既に数分が経過。
名残惜しさはあれど、それなりに楽しんだのは間違いなく、ラストは攻撃をぶつかけ合うという戦闘スタイルは変わりないが、それでも勝利へと確実に駒を進めていく。
「ぬっ? 何を…………ほほぅ。そういう事も出来るのか」
後方へ跳んで距離を取ったジャイアントオーガ。
恐怖で本能的に距離を取ったのではなく、地面に手をめり込ませると……なんと、地中から一つの大剣を引き抜いた。
「っ、っ、グォォオオオオオオオオオッッッ!!!!!!!」
「はっはっは!!!! では、今度は自慢の刃をぶつけ合おうか!!!!!!!」
拳や脚をぶつけ合えるだけではなく、最後の最後には自身が扱う中でも一番の得物……大剣をぶつけ合えるとなれば、これ以上の戦いはない!!! という気持ちが湧き上がる。
終わらせようとしていた気持ちに再度油が注がれた結果、最終的にジャイアントオーガを討伐したのはもう数分後となった。
「すまない、マスター」
「ん? どうしたんだよ急に」
戦いが終わった後、ラストは直ぐにティールへ謝罪の言葉を伝えた。
「本当は素手で戦っている間に終わらせるつもりだったが、その後も戦い続けてしまった」
たかが数分……されど数分、となるかもしれない。
しかし、ティールは笑って言葉を返す。
「ふっふっふ。別にそこまで気にしなくて良いよ。本当にさっさと終わらせようとしてるなら、今回みたいにわざと転移トラップを踏んでこういった場所にこないしね」
「む……それはそうかもしれないが」
「想定より増えたと言っても数分程度だよ。それに、ちゃんと生きて帰ってきてくれた。早く倒すことも重要ではあるけど、ちゃんと帰ってくる方が重要だよ」
「……そうか」
ティールとて、ラストが勝つとは思っていたものの、相手はBランクのモンスター。
決して油断出来ない強敵。
だからこそ、ラストが生きて帰って来てくれた事が素直に嬉しい。
一人で戦おうとするのであれば、それが絶対条件である。
「さて……どうやら、まだまだ続きそうだね」
地面に魔法陣が浮かび上がらず、宝箱が出て……扉が開く。
まだ先が長いことの証明。
三人はそれぞれ笑みを浮かべ、次の部屋へと向かった。
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