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三十話活気があるって良いよな

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一晩中見張りを続けたソウスケは、朝になり街に戻ると、デイ達から感謝の言葉をもう一度受け取ると、泊まっている宿に直行し、直ぐに深い眠りに入った。

(依頼の数に足りなかった薬草は昨夜と、起きてから街に着くまでの間に、気力を振り絞って探した)

(あかん・・・・・・眠すぎる。今日は今日でやりたいことがあったんだけどな・・・・・・だめだ。取りあえず寝よう)

ソウスケは結局、朝六時から午後の二時までの八時間、ぐっすりと寝ていた。


「・・・・・・朝、じゃないな。もう昼か。だけどそこまで日は沈んでいないから、まだ二時ぐらいか」

ベットから起き上がると、食堂に向かい遅めの昼ご飯を食べることにした。

(ふう・・・・・・完全に寝坊助になったな。女将さんにも言われたし。取りあえずまだ日が暮れていないんだったら、外に出て予定どうりに動くか)

考えが決まると、ソウスケは昼食を一気に食べ終えた。

「ご馳走様でした。・・・・・・よし、行くか」

ソウスケは宿を出て目的の場所へ向かった。

「にしても、本当に賑やかだよな」

賑やかな街の様子を見ながらソウスケは呟いた。
街中なのに多くの人の声が飛び交う、ソウスケにとってはまだまだ新鮮な光景だった。

「渋谷や池袋より断然田舎に見えるけど、中の様子はこっちの方が元気だよな~~~~。ん? 良い匂いするな。あそこの串焼き屋か・・・・・・昼ご飯は食べたけど、まだ腹に入りそうだし。少し食べるか」

金には余裕があるソウスケは、躊躇することなく串焼きの屋台に向かった。

「おっちゃん、三本貰っていいか」

「おう、良いぞ。三本だな。少し待ってな」

そう言うと、屋台のおっちゃんは串焼きを焼き始めた。
それを見ているソウスケは、出来上がるのが楽しみで仕方がなかった。

(なんとなく、料理のレベルは地球の方が高い気がするんだよな。まぁ、向こうの方が良い料理器具使ってるからってものあるだろうけど。でも、食材の方は断然こっちの方が旨いんだよな。特にモンスターの肉は、オークやリザードマンの肉も超旨かったしな。この感じだと、地球の場合だったら恐竜は結構旨かったりすんのかな? まっ、無理なこと考えても仕方ないな)

ソウスケが料理や食材について考えている間に、串焼きは出来上がっていた。

「ほらよ、串焼き三本出来たぜ。冒険者の兄ちゃん。銅貨三枚な」

「分かりました。って俺自分が冒険者だって言いましたっけ?」

「俺の屋台には結構冒険者も来るからな。そのうち冒険者の雰囲気って物が何となく分かるようになってな。まぁ、兄ちゃんはあんまり冒険者らしい恰好をしていないから分かりずらかったけどな」

屋台のおっちゃんの言葉に、ソウスケは純粋に凄いなと思った。

(確かに俺の恰好って冒険者って感じじゃないもんな。それらしいのは短剣を付けていることぐらいだし。長年やってるからってのもあるんだろうけど、普通に凄いな)

串焼きを貰うと、ソウスケは自分の目的地がどこにあるのかを聞いた。

「おっちゃん、ポーションと売ってる店、どこにあるか知ってるか?」

「おう、知ってるぞ。この道を真っ直ぐ行けば大きな看板がある店が二つ並んでるんだよ。その一つ目の店の手前を右に曲がってまっずぐ進めばあるぞ」

ソウスケはおっちゃんに教えてもらった事を頭に入れながら、財布から銅貨貨を四枚枚取り出した。

「ありがとなおっちゃん。一枚は情報料分だ」

「・・・・・・ははっ、気前の良い兄ちゃんだな。ありがたく貰っとくよ。また食いに来てくれよ」

「おう。じゃあな、おっちゃん」

ソウスケは教えてもらった目的地に小走りで向かった。

それを後ろで見ていたおっちゃんは、ソウスケの事を楽しそうに見ていた。

「あの兄ちゃん・・・・・・なんとなくだが大物になりそうだな。まぁ、まだ新人の筈なのに情報料なんて払う時点で既に大物な気がするけどな」

串焼き屋のおっちゃんの予想は決して、間違ったものではなかった。
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