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七百六十四話 それは諦めよう
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「……やるか」
レヴァルグが埋まっている台座に到着し、昂る心を落ち着かせたソウスケは……両手で炎槍を掴み、引き抜こうとした。
「っ!? マジか!」
あまり力を入れたら、勢い余って後ろに転んでしまう。
そう思って、強化系のスキルは使用していない。
それでも……ソウスケが素の状態で力を全開すれば、相当な腕力になるのだが……それでも抜けない。
ならばと思い、身体強化のスキルを使って、もう一度引き抜く。
(……ど、どうなってるんだ!?)
身体強化を使っても抜けない。
ただ、ここで諦めるわけがなく、ソウスケは腕力強化系のスキルを使用。
本気のマッスルモードで引き抜こうとするが……それでも抜けなかった。
「……ザハーク、ちょっとやってみてくれるか」
「あぁ、分かった」
主人に託され、やる気が満ち溢れるザハーク。
ソウスケが強化系のスキルを使った状態で試したのは解っているので、自分も全力で引き抜こうとする。
「ぬぅおおおおぉぉおおおおおおおおっ!!!!!!」
雄叫びを上げながら引き抜こうとするが、それでも抜けないレヴァルグ。
だが、ここでミレアナが異変に気付いた。
「はぁ、はぁ、はぁ……どうなっている」
「ザハークでも抜けないか……」
自分の腕力で抜けないことに、若干ショックを受けている二人。
「いえ、確かに抜けませんでしたが、台座は悲鳴を上げています」
「……マジ?」
「マジです」
こんな時にミレアナが嘘を言うとは思えない。
信用しているからこそ、あの手この手を使って絶対に引き抜く。
とりあえず、ソウスケは開けるだけ開けて、使っていなかった……宝箱に入っていたマジックアイテムを取り出す。
「これだな」
取り出した指輪は、ランク五の腕力を強化する指輪。
加えて、ソウスケは蛇腹剣の強化系スキルを発動。
「これで抜けなかったら……いや、まだ手段はあるか」
普通はやらないであろう手段を思い付いたが、今は全力で強化した状態で、再度ひきぬきに挑戦。
「よっしゃ!!!」
準備万端となり、もう一度レヴァルグを両手で掴み……全力で引き抜く。
すると、徐々に台座がひび割れていき……勢い良くすっぽ抜けた。
「おわっ!? ってぇ!!!!」
見事レヴァルグを引き抜くことに成功したソウスケだが、先程懸念していたことが起こり……床に勢い良く後頭部をぶつけることになった。
「そ、ソウスケさん! 大丈夫ですか!?」
「あ、あぁ。大丈夫だ」
身体強化を使ってみたこともあり、幸いにも骨は砕けておらず、皮膚も裂けていない。
ただ、少々鈍い痛みが残っているだけ。
それでも……ようやく、超名槍を引き抜くことが出来た。
因みに、この台座は普通の台座ではなく、マジックアイテム。
腕力で無理矢理抜かずとも、この遺跡を造った人物の血族……シラブルの街を治める領主や、その者と血の繋がりがある者の血を垂らせば、強力な力など必要な悪、あっさりと抜ける。
「いや~~……やっぱ、立派と言うか美しいというか、神々しいというか……とにかく凄い一品だな」
「あぁ、惚れ惚れする名槍だ」
「金には代えられない品ですね」
三人ともレヴァルグの存在に見惚れる中……誰が使うかはさておき、一先ずソウスケの亜空間にしまった。
「さて……あれはどうしようか」
視線を向ける先には……巨大な魔石……ではなく、ダンジョンのコアが壁に飾られていた。
「……触らない方が、よろしいかと」
「その理由は?」
ザハークの問いに、ミレアナは即座に答えた。
「あれを取り除けば、遺跡が崩壊するかもしれません。どうなれば、誰かが私たちに辿り着く可能性は低くないかと」
ダンジョンのコアが、遺跡をダンジョンに性能を寄せている……という考えは正しい。
そして、目の前のダンジョンコアを引き抜けば、面倒事が自分たちに降りかかるかも……そんな予想も正解だった。
「あり得そうだな……仕方ない、あれは諦めよう」
コアの大きさから、本当は是が非でも欲しい物だが……それでも今後の事を考えれば、諦めるのが得策だった。
レヴァルグが埋まっている台座に到着し、昂る心を落ち着かせたソウスケは……両手で炎槍を掴み、引き抜こうとした。
「っ!? マジか!」
あまり力を入れたら、勢い余って後ろに転んでしまう。
そう思って、強化系のスキルは使用していない。
それでも……ソウスケが素の状態で力を全開すれば、相当な腕力になるのだが……それでも抜けない。
ならばと思い、身体強化のスキルを使って、もう一度引き抜く。
(……ど、どうなってるんだ!?)
身体強化を使っても抜けない。
ただ、ここで諦めるわけがなく、ソウスケは腕力強化系のスキルを使用。
本気のマッスルモードで引き抜こうとするが……それでも抜けなかった。
「……ザハーク、ちょっとやってみてくれるか」
「あぁ、分かった」
主人に託され、やる気が満ち溢れるザハーク。
ソウスケが強化系のスキルを使った状態で試したのは解っているので、自分も全力で引き抜こうとする。
「ぬぅおおおおぉぉおおおおおおおおっ!!!!!!」
雄叫びを上げながら引き抜こうとするが、それでも抜けないレヴァルグ。
だが、ここでミレアナが異変に気付いた。
「はぁ、はぁ、はぁ……どうなっている」
「ザハークでも抜けないか……」
自分の腕力で抜けないことに、若干ショックを受けている二人。
「いえ、確かに抜けませんでしたが、台座は悲鳴を上げています」
「……マジ?」
「マジです」
こんな時にミレアナが嘘を言うとは思えない。
信用しているからこそ、あの手この手を使って絶対に引き抜く。
とりあえず、ソウスケは開けるだけ開けて、使っていなかった……宝箱に入っていたマジックアイテムを取り出す。
「これだな」
取り出した指輪は、ランク五の腕力を強化する指輪。
加えて、ソウスケは蛇腹剣の強化系スキルを発動。
「これで抜けなかったら……いや、まだ手段はあるか」
普通はやらないであろう手段を思い付いたが、今は全力で強化した状態で、再度ひきぬきに挑戦。
「よっしゃ!!!」
準備万端となり、もう一度レヴァルグを両手で掴み……全力で引き抜く。
すると、徐々に台座がひび割れていき……勢い良くすっぽ抜けた。
「おわっ!? ってぇ!!!!」
見事レヴァルグを引き抜くことに成功したソウスケだが、先程懸念していたことが起こり……床に勢い良く後頭部をぶつけることになった。
「そ、ソウスケさん! 大丈夫ですか!?」
「あ、あぁ。大丈夫だ」
身体強化を使ってみたこともあり、幸いにも骨は砕けておらず、皮膚も裂けていない。
ただ、少々鈍い痛みが残っているだけ。
それでも……ようやく、超名槍を引き抜くことが出来た。
因みに、この台座は普通の台座ではなく、マジックアイテム。
腕力で無理矢理抜かずとも、この遺跡を造った人物の血族……シラブルの街を治める領主や、その者と血の繋がりがある者の血を垂らせば、強力な力など必要な悪、あっさりと抜ける。
「いや~~……やっぱ、立派と言うか美しいというか、神々しいというか……とにかく凄い一品だな」
「あぁ、惚れ惚れする名槍だ」
「金には代えられない品ですね」
三人ともレヴァルグの存在に見惚れる中……誰が使うかはさておき、一先ずソウスケの亜空間にしまった。
「さて……あれはどうしようか」
視線を向ける先には……巨大な魔石……ではなく、ダンジョンのコアが壁に飾られていた。
「……触らない方が、よろしいかと」
「その理由は?」
ザハークの問いに、ミレアナは即座に答えた。
「あれを取り除けば、遺跡が崩壊するかもしれません。どうなれば、誰かが私たちに辿り着く可能性は低くないかと」
ダンジョンのコアが、遺跡をダンジョンに性能を寄せている……という考えは正しい。
そして、目の前のダンジョンコアを引き抜けば、面倒事が自分たちに降りかかるかも……そんな予想も正解だった。
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