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七百八十話 買い溜め
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「おっ、来たみたいだな」
既に部屋には高い実力を持つ冒険者たちが席に座っていた。
(はぁ~~、こういう場所は相変わらず胃に悪いな)
ちらほら顔見知りがいるが、それでもあまり長居はしたくない。
「全員時間内に集まってくれたみたいだな」
学術都市のギルドマスターが集合時間ピッタリに現れ、部屋に集まった冒険者たちに隣国、ルクローラ王国との現状について説明し始めた。
ギルドマスターが説明している最中、冒険者たちは特に慌てることはなく、表情に焦りはなかった。
(皆さん方、全然焦らないんだな。一応王都まで攻め込んで王族を殺したら終了!! みたいな超過激な戦争ではないっぽいけど、確実に領地の奪い合いになるんだよな)
ルクローラ王国側の要求に対し、侵略戦争相手に指名されたエイリスト王国は、勝てば似た様な要求をすると決め、お偉いさんたちは盛り上がっている。
「ったく、上の連中はお気楽だな。戦うのが自分たちじゃねぇからってよ」
「だな。仮に戦場に出向くとしても、馬に乗って適当に命令するだけだろ」
「言えてるな。鬱陶しいから、うっかり流れ矢か魔法で殺されてくれりゃ最高なんだけどな」
そんな事を堂々と話しても良いのか? と思うかもしれないが、上の連中が自分たちを戦争の駒、道具だと考えていると分れば、自然と口が悪くなってしまうのも無理はない。
「お前ら、この場でそういう事を言うのは構わないが、戦場では口に出すなよ」
「うっす」
ギルドマスターも、基本的に貴族にはあまり良いイメージを持っていないので、そこまで高ランク冒険者たちの言動を咎めない。
「んで、ソウスケ」
「はい、なんですか」
「お前らは……基本的に別れて行動するつもりはない、よな」
「そうですね。出来れば三人一組で行動したいと思ってます」
三人がどの様な実績を残しているのか、ギルドマスターはギルドに提供された情報が、全て脳内にある。
上級者向けダンジョン以外の難易度が高いダンジョンの攻略も行っており、以前アシュラコングでの一件で関わったアレアス学院の生徒たちからも、ザハークが一人で赤毛のアシュラコングを倒したという報告を受けている。
更には、この場にいる冒険者たちに新しいメイン装備まで造った。
正直なところ、何なんだこのパーティーは!!!???
というのが、様々な情報を耳にしたギルドマスターの心境だった。
しかし、戦争が始まるとなれば、これほど頼りになる存在はいない。
「そうなると、基本的に前線から離れられないが、大丈夫か?」
「えぇ、問題ありません」
即としたソウスケに、他の高ランク冒険者も含めて感心。
この時、ソウスケはどんな兵士、冒険者や騎士と戦うのか……なんて事は一切考えておらず、長期戦になるかもしれないから、後で野菜を多めに買っておかなければと考えていた。
「てな感じだ。解ってるとは思うが、お前ら……ルクローラ王国の連中に同情なんてすんじゃねぇぞ」
この言葉に、先に仕掛けてきた連中に対しての憎しみ……などはなかった。
「捕虜にするのは結構だが、そういう価値がない連中に容赦はするな。後で痛い目を見るだけだからな」
相手への同情が、自分たちの壊滅に繋がる。
この場にいる冒険者たちは、皆その他大勢が憧れる高ランクまで上り詰めたが、大なり小なり苦い思いもしてきた。
「そんなこと、言われなくても解ってますよ」
「だよな。まだギルドマスターには敵わねぇけど、俺たちだって十年以上冒険者やってきてんだ」
「でも、改めて頭に刻んでおいた方が良いわね」
そんな事解っていると口にする者もいれば、ギルドマスターからの忠告に感謝する者もいた。
そんな彼ら、彼女たちに共通している点と言えば……なんだかんだ、全く油断していない。
表情を見れば、それは明らかだった。
「解ってるならそれで良い」
集会は終わり、解散。
ソウスケたちはささっとギルドから抜け出し、新鮮な野菜を買いに向かった。
既に部屋には高い実力を持つ冒険者たちが席に座っていた。
(はぁ~~、こういう場所は相変わらず胃に悪いな)
ちらほら顔見知りがいるが、それでもあまり長居はしたくない。
「全員時間内に集まってくれたみたいだな」
学術都市のギルドマスターが集合時間ピッタリに現れ、部屋に集まった冒険者たちに隣国、ルクローラ王国との現状について説明し始めた。
ギルドマスターが説明している最中、冒険者たちは特に慌てることはなく、表情に焦りはなかった。
(皆さん方、全然焦らないんだな。一応王都まで攻め込んで王族を殺したら終了!! みたいな超過激な戦争ではないっぽいけど、確実に領地の奪い合いになるんだよな)
ルクローラ王国側の要求に対し、侵略戦争相手に指名されたエイリスト王国は、勝てば似た様な要求をすると決め、お偉いさんたちは盛り上がっている。
「ったく、上の連中はお気楽だな。戦うのが自分たちじゃねぇからってよ」
「だな。仮に戦場に出向くとしても、馬に乗って適当に命令するだけだろ」
「言えてるな。鬱陶しいから、うっかり流れ矢か魔法で殺されてくれりゃ最高なんだけどな」
そんな事を堂々と話しても良いのか? と思うかもしれないが、上の連中が自分たちを戦争の駒、道具だと考えていると分れば、自然と口が悪くなってしまうのも無理はない。
「お前ら、この場でそういう事を言うのは構わないが、戦場では口に出すなよ」
「うっす」
ギルドマスターも、基本的に貴族にはあまり良いイメージを持っていないので、そこまで高ランク冒険者たちの言動を咎めない。
「んで、ソウスケ」
「はい、なんですか」
「お前らは……基本的に別れて行動するつもりはない、よな」
「そうですね。出来れば三人一組で行動したいと思ってます」
三人がどの様な実績を残しているのか、ギルドマスターはギルドに提供された情報が、全て脳内にある。
上級者向けダンジョン以外の難易度が高いダンジョンの攻略も行っており、以前アシュラコングでの一件で関わったアレアス学院の生徒たちからも、ザハークが一人で赤毛のアシュラコングを倒したという報告を受けている。
更には、この場にいる冒険者たちに新しいメイン装備まで造った。
正直なところ、何なんだこのパーティーは!!!???
というのが、様々な情報を耳にしたギルドマスターの心境だった。
しかし、戦争が始まるとなれば、これほど頼りになる存在はいない。
「そうなると、基本的に前線から離れられないが、大丈夫か?」
「えぇ、問題ありません」
即としたソウスケに、他の高ランク冒険者も含めて感心。
この時、ソウスケはどんな兵士、冒険者や騎士と戦うのか……なんて事は一切考えておらず、長期戦になるかもしれないから、後で野菜を多めに買っておかなければと考えていた。
「てな感じだ。解ってるとは思うが、お前ら……ルクローラ王国の連中に同情なんてすんじゃねぇぞ」
この言葉に、先に仕掛けてきた連中に対しての憎しみ……などはなかった。
「捕虜にするのは結構だが、そういう価値がない連中に容赦はするな。後で痛い目を見るだけだからな」
相手への同情が、自分たちの壊滅に繋がる。
この場にいる冒険者たちは、皆その他大勢が憧れる高ランクまで上り詰めたが、大なり小なり苦い思いもしてきた。
「そんなこと、言われなくても解ってますよ」
「だよな。まだギルドマスターには敵わねぇけど、俺たちだって十年以上冒険者やってきてんだ」
「でも、改めて頭に刻んでおいた方が良いわね」
そんな事解っていると口にする者もいれば、ギルドマスターからの忠告に感謝する者もいた。
そんな彼ら、彼女たちに共通している点と言えば……なんだかんだ、全く油断していない。
表情を見れば、それは明らかだった。
「解ってるならそれで良い」
集会は終わり、解散。
ソウスケたちはささっとギルドから抜け出し、新鮮な野菜を買いに向かった。
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