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千四十八話 寧ろ出来て当然では?
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「随分優しいな、ソウスケさん」
「いやぁ~~、だって一回一回戦う度にポーション代が飛んでたら、さすがに良い値段になるだろ」
先程騎士に渡した金貨一枚。
あれはソウスケとしては、多めに渡したつもりは一切なかった。
本当にヌレールアが討伐した素材をギルドで売却すれば、金貨一枚には余裕で届く。
ヌレールアの戦い方がまだまだな部分もあり、売れる筈の素材が一部駄目になっているところはあれど、結果として金貨一枚以上はソウスケの懐に入ってくる。
「んで、初めてヌレールア様が接近戦でモンスターと戦った訳だけど、二人から見てどうだった」
「初めてにしては、非常に戦えていたかと」
「そうか? 割と戦えてたって部分には同意だが、毎回毎回消耗が激し過ぎないか?」
「ザハーク、人間はモンスターと違うのです。あなたの場合、生まれながらにして接近戦で戦う心構え、闘争心が宿っていたでしょう。スタミナなども接近戦をしたことがない者よりも多かった筈です」
一つの試合に色々と消耗し過ぎ、といった点に関して、ミレアナもザハークと同様に思うところはある。
ただ、それは大きく指摘する点ではなかった。
「それに比べて、ヌレールア様はまだ肉体改造、接近戦に関する鍛錬を始めたばかりです。気合は十分でも、あなたやソウスケさんの様に十分過ぎるほど慣れている訳ではないのです」
「お、おぉう。解った解った、俺が悪かった」
「解れば良いのです」
圧すに圧され、ザハークは一先ず納得したフリをしておこうと判断。
ミレアナはそこまで読めている訳ではないが、ザハークが決して本当に脳みそまで筋肉ではないと解っているため、それ以上は詰め寄らなかった。
「確かにまだ精神面に薄さを感じますけど、それは仕方ないことです。これから徐々に、徐々に戦闘経験を増やしていけば、いずれ慣れるでしょう」
「そうだな。どうしても、慣れってのは必要だ。十日か、一か月か、それとも数か月か……どれぐらい掛かるかは知らないけど、多分その間にヌレールアが諦めたり倒れることはないだろ」
「気合は十分持ってはいるな…………次は俺か? 俺としても、あまりミレアナと感想は変わらないぞ。他にあるとうれば、気合を振り絞って大剣で相手の攻撃を対処する動きに、光る部分があると感じたぐらいか」
相変わらずザハークの中で、ヌレールアは将来戦ってみたいリストには入っていないが、変わらず悪くないという感想は継続。
「肉体改造がこのまま継続されれば、大剣で上手くカウンターを合わせたり、真正面からぶった斬れるようになるんじゃないか?」
「ヌレールア様が目指す、理想像に近づける可能性は十分にあるということだね」
「……俺はモンスターだから、人間の…………あれだ、教育事情? ってのは知らないが、頭が良いミレアナや色々と説得力がある説明? が出来るソウスケさんが教えてるんだ。確かに教えられる側の才能や努力は関係あるとは思う。ヌレールアは十分に根性がある方だろう。ただ、二人の指導があれば、なぁ……」
少なくとも、ザハークから見て二人の指導を受け、説明された鍛錬と実戦を継続させていけば、ヌレールアが自身の目標に到達出来て当然だと思っていた。
「いやいや、あれだぜザハークこんな事言うのはあれだけど、努力を自分の意志で継続させるのって、結構ムズいんだぜ」
この世界に来てからは、仮定をすっ飛ばし、神からお詫びとはいえ結果を貰ったソウスケ。
ただ、日本で生きてきた十数年の記憶はまだ消えておらず、自分が立てた大きな目標を達成させるのが、どれだけ難しいのか……それを達成出来ることが、どれだけ素晴らしいかを理解している。
「そうなのか? でも、ソウスケさんはヌレールアにどうすればそれを続けられるかもアドバイスしていただろ。であれば、頑張り続けられるものではないのか?」
ザハークにしては珍しく脳筋理論ではなく、正しい考えをぶつけられ……もう少し反論しようと思うものの、何か思うところがあったのか、ソウスケは素直に受け入れた。
「いやぁ~~、だって一回一回戦う度にポーション代が飛んでたら、さすがに良い値段になるだろ」
先程騎士に渡した金貨一枚。
あれはソウスケとしては、多めに渡したつもりは一切なかった。
本当にヌレールアが討伐した素材をギルドで売却すれば、金貨一枚には余裕で届く。
ヌレールアの戦い方がまだまだな部分もあり、売れる筈の素材が一部駄目になっているところはあれど、結果として金貨一枚以上はソウスケの懐に入ってくる。
「んで、初めてヌレールア様が接近戦でモンスターと戦った訳だけど、二人から見てどうだった」
「初めてにしては、非常に戦えていたかと」
「そうか? 割と戦えてたって部分には同意だが、毎回毎回消耗が激し過ぎないか?」
「ザハーク、人間はモンスターと違うのです。あなたの場合、生まれながらにして接近戦で戦う心構え、闘争心が宿っていたでしょう。スタミナなども接近戦をしたことがない者よりも多かった筈です」
一つの試合に色々と消耗し過ぎ、といった点に関して、ミレアナもザハークと同様に思うところはある。
ただ、それは大きく指摘する点ではなかった。
「それに比べて、ヌレールア様はまだ肉体改造、接近戦に関する鍛錬を始めたばかりです。気合は十分でも、あなたやソウスケさんの様に十分過ぎるほど慣れている訳ではないのです」
「お、おぉう。解った解った、俺が悪かった」
「解れば良いのです」
圧すに圧され、ザハークは一先ず納得したフリをしておこうと判断。
ミレアナはそこまで読めている訳ではないが、ザハークが決して本当に脳みそまで筋肉ではないと解っているため、それ以上は詰め寄らなかった。
「確かにまだ精神面に薄さを感じますけど、それは仕方ないことです。これから徐々に、徐々に戦闘経験を増やしていけば、いずれ慣れるでしょう」
「そうだな。どうしても、慣れってのは必要だ。十日か、一か月か、それとも数か月か……どれぐらい掛かるかは知らないけど、多分その間にヌレールアが諦めたり倒れることはないだろ」
「気合は十分持ってはいるな…………次は俺か? 俺としても、あまりミレアナと感想は変わらないぞ。他にあるとうれば、気合を振り絞って大剣で相手の攻撃を対処する動きに、光る部分があると感じたぐらいか」
相変わらずザハークの中で、ヌレールアは将来戦ってみたいリストには入っていないが、変わらず悪くないという感想は継続。
「肉体改造がこのまま継続されれば、大剣で上手くカウンターを合わせたり、真正面からぶった斬れるようになるんじゃないか?」
「ヌレールア様が目指す、理想像に近づける可能性は十分にあるということだね」
「……俺はモンスターだから、人間の…………あれだ、教育事情? ってのは知らないが、頭が良いミレアナや色々と説得力がある説明? が出来るソウスケさんが教えてるんだ。確かに教えられる側の才能や努力は関係あるとは思う。ヌレールアは十分に根性がある方だろう。ただ、二人の指導があれば、なぁ……」
少なくとも、ザハークから見て二人の指導を受け、説明された鍛錬と実戦を継続させていけば、ヌレールアが自身の目標に到達出来て当然だと思っていた。
「いやいや、あれだぜザハークこんな事言うのはあれだけど、努力を自分の意志で継続させるのって、結構ムズいんだぜ」
この世界に来てからは、仮定をすっ飛ばし、神からお詫びとはいえ結果を貰ったソウスケ。
ただ、日本で生きてきた十数年の記憶はまだ消えておらず、自分が立てた大きな目標を達成させるのが、どれだけ難しいのか……それを達成出来ることが、どれだけ素晴らしいかを理解している。
「そうなのか? でも、ソウスケさんはヌレールアにどうすればそれを続けられるかもアドバイスしていただろ。であれば、頑張り続けられるものではないのか?」
ザハークにしては珍しく脳筋理論ではなく、正しい考えをぶつけられ……もう少し反論しようと思うものの、何か思うところがあったのか、ソウスケは素直に受け入れた。
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