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千九十九話 これが限界
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「すまなかったな。うっかり寝てしまった」
二人に起こされたザハークは、素直に謝罪した。
「いや、あれは仕方ないよ。俺もベッドで寝転がったけど、寝るつもりはなかったのに一瞬で寝そうになったからね」
「人が家の素材に拘るのも解る……モンスターの俺がそう感じるほど、あの宿は非常に心地の良いところだ」
ザハークの言葉を聞き、自分が提案した宿を褒められたことが嬉しくなったミレアナの耳が……無意識にぴくぴくと動いていた。
「そういえば、散策するにはするんだけど、どこか行きたいところとかある?」
「ソウスケさんの行きたいところに行くのが一番良いだろう」
「私も同じです」
「……それじゃあ、いつも通りの感じで見て周ろうか」
ソウスケたちが興味あのある場所といえば、武器屋やマジックアイテムが販売されている店。
冒険者らしいといえばらしいのだが、なんとも色気がない。
「ザハークは、そろそろ新しい武器が欲しかったりしないの?」
「新しい武器か……ソウスケさんから貰った武器はまだまだ使えるが…………この街にいるのであれば、どうせなら討伐したモンスターの素材で、新しい武器を造りたいな」
「なるほど。それはありだな。どうせなら、手に入れた気に入った素材と、この前討伐したあの黒いアリの……アサルトベルの甲殻とか使ってみたらどうだ」
「っ……しかし、本当に俺が使っても良いのか?」
「良いに決まってるだろ。あの超強い黒いアリを討伐したのはザハークなんだしよ」
以前戦った非常に珍しいAランクモンスター、アサルトベルとの戦いを思い出すザハーク。
(あれは……楽しい戦いだった…………ドラゴニックバレーには、Aランクドラゴンもいる事を考えれば、またあのような楽しい戦いが出来るのか……)
モンスターではあるものの、人の言葉を喋り、知能が高いザハークはそれなりにTPOというのを覚えつつある。
なので、強敵と戦えることの喜び=威圧を零してしまわない様にし……なんとか好戦的な笑みを浮かべるだけに留めていた。
「ザハーク、子供が全力で逃げそうな笑顔を浮かべていますよ」
だが、ザハークが頑張って戦意増し増しオーラを零してしまわない様に堪えているのは解りつつも、ミレアナは冷静にツッコんだ。
「すまないな。これが限界だ」
「……なら、仕方ありませんね」
ミレアナとしても、ザハークが戦意増し増しオーラを零さないようにしてるだけで頑張ってるのは解っているため、それ以上は求めなかった。
「おっ、武器や発見!」
ソウスケは特にザハークの超好戦的な笑顔にツッコまず、目に入った武器屋に入店。
(……………………当然と言えば当然だけど、最初から当りの店は引けないよね)
数分ほど展示されている武器を眺めた。
決して全体的な質は低くないものの、ソウスケやミレアナの眼がキラリと輝くような武器は置かれていなかった。
だが、ソウスケもソウスケでTPOを弁えていた。
例え自分の期待に当てはまる武器がなくとも、そのガッカリ感を顔に出さない。
ソウスケも一応生産業に関わっているため、その行為がどれだけ人のメンタルを削るのか、容易に想像出来る。
入店して数分で出ていくというのもあれだが、他の店も散策したいソウスケたち。
その後も入店しては退店し、途中で屋台の料理を摘まみながらまた入店して退店してを繰り返す。
(……な…………なんだ、ありゃ)
この店を見終えたら、そろそろ夕食を食べよう。
そう思って入店した店に置かれていた武器に、ソウスケは目を惹かれた。
その武器は、カウンターの奥にあるショーケースに入れられている一つの大剣。
ソウスケは最初にその大剣を見た時、直感的にランク四か五だと感じた。
それだけでも十分優秀な武器である事に違いはない。
ただ……まず、ソウスケはその大剣ではなく、ショーケースに違和感を覚えた。
もしやと思い、心の中でごめんなさいと謝りながら鑑定を使った。
すると…………その大剣が、ランク九の超大物であることが判明した。
二人に起こされたザハークは、素直に謝罪した。
「いや、あれは仕方ないよ。俺もベッドで寝転がったけど、寝るつもりはなかったのに一瞬で寝そうになったからね」
「人が家の素材に拘るのも解る……モンスターの俺がそう感じるほど、あの宿は非常に心地の良いところだ」
ザハークの言葉を聞き、自分が提案した宿を褒められたことが嬉しくなったミレアナの耳が……無意識にぴくぴくと動いていた。
「そういえば、散策するにはするんだけど、どこか行きたいところとかある?」
「ソウスケさんの行きたいところに行くのが一番良いだろう」
「私も同じです」
「……それじゃあ、いつも通りの感じで見て周ろうか」
ソウスケたちが興味あのある場所といえば、武器屋やマジックアイテムが販売されている店。
冒険者らしいといえばらしいのだが、なんとも色気がない。
「ザハークは、そろそろ新しい武器が欲しかったりしないの?」
「新しい武器か……ソウスケさんから貰った武器はまだまだ使えるが…………この街にいるのであれば、どうせなら討伐したモンスターの素材で、新しい武器を造りたいな」
「なるほど。それはありだな。どうせなら、手に入れた気に入った素材と、この前討伐したあの黒いアリの……アサルトベルの甲殻とか使ってみたらどうだ」
「っ……しかし、本当に俺が使っても良いのか?」
「良いに決まってるだろ。あの超強い黒いアリを討伐したのはザハークなんだしよ」
以前戦った非常に珍しいAランクモンスター、アサルトベルとの戦いを思い出すザハーク。
(あれは……楽しい戦いだった…………ドラゴニックバレーには、Aランクドラゴンもいる事を考えれば、またあのような楽しい戦いが出来るのか……)
モンスターではあるものの、人の言葉を喋り、知能が高いザハークはそれなりにTPOというのを覚えつつある。
なので、強敵と戦えることの喜び=威圧を零してしまわない様にし……なんとか好戦的な笑みを浮かべるだけに留めていた。
「ザハーク、子供が全力で逃げそうな笑顔を浮かべていますよ」
だが、ザハークが頑張って戦意増し増しオーラを零してしまわない様に堪えているのは解りつつも、ミレアナは冷静にツッコんだ。
「すまないな。これが限界だ」
「……なら、仕方ありませんね」
ミレアナとしても、ザハークが戦意増し増しオーラを零さないようにしてるだけで頑張ってるのは解っているため、それ以上は求めなかった。
「おっ、武器や発見!」
ソウスケは特にザハークの超好戦的な笑顔にツッコまず、目に入った武器屋に入店。
(……………………当然と言えば当然だけど、最初から当りの店は引けないよね)
数分ほど展示されている武器を眺めた。
決して全体的な質は低くないものの、ソウスケやミレアナの眼がキラリと輝くような武器は置かれていなかった。
だが、ソウスケもソウスケでTPOを弁えていた。
例え自分の期待に当てはまる武器がなくとも、そのガッカリ感を顔に出さない。
ソウスケも一応生産業に関わっているため、その行為がどれだけ人のメンタルを削るのか、容易に想像出来る。
入店して数分で出ていくというのもあれだが、他の店も散策したいソウスケたち。
その後も入店しては退店し、途中で屋台の料理を摘まみながらまた入店して退店してを繰り返す。
(……な…………なんだ、ありゃ)
この店を見終えたら、そろそろ夕食を食べよう。
そう思って入店した店に置かれていた武器に、ソウスケは目を惹かれた。
その武器は、カウンターの奥にあるショーケースに入れられている一つの大剣。
ソウスケは最初にその大剣を見た時、直感的にランク四か五だと感じた。
それだけでも十分優秀な武器である事に違いはない。
ただ……まず、ソウスケはその大剣ではなく、ショーケースに違和感を覚えた。
もしやと思い、心の中でごめんなさいと謝りながら鑑定を使った。
すると…………その大剣が、ランク九の超大物であることが判明した。
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