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千百二十三話 承知の上
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「っ、ソウスケさん!」
「ん~~~~……周りの奴らは俺たちが戦るから、キングを頼むよ」
ソウスケたちに向けて迫る存在は、キングワイバーンが率いるワイバーンの群れ。
ワイバーンは基本的にドラゴニックバレーの外の森に生息しているが、ドラゴニックバレーの中にも生息している個体は数は多くないものの、存在はする。
「でも、これまで以上に気を引き締めて戦う様に」
「「「「「「「はいッ!!」」」」」」」
ソウスケの言葉に気合を入れて返事を返すノックスたち……に対し、複数のブレスが放たれる。
「よっと」
「ふっ!!!」
キングワイバーンとノックスたちの戦いを邪魔させないように、ソウスケとミレアナの風斬波がブレスを粉砕。
(やっぱり、外にいるワイバーンとは違うね)
それなりに力と魔力を込めて放った風斬波で、ようやく相殺することに成功。
通常のワイバーンが放つブレスであればブレスを切り裂き、そのままワイバーンにダメージを与えていた。
(スペックなら、Bランクモンスターとほぼ同じ、なのかもしれないね)
そんな事を考えながら、ソウスケはワイバーンたちの意識がノックスたちに向かないように、とりあえず全個体に向けて遠距離攻撃を放つ。
当ってしまうにしろ、避けるにしろ……無視することは出来ない。
「油断大敵、というやつだ」
「っ!!!???」
ザハークとしては、少しぐらいは楽しんでも良いと思える個体だが、もしノックスたちに何かあれば……という訳で、ガッチリと尾を掴む。
「ふんっ!!!!」
「ギャっ!!!!!?????」
「むっ、少々やり過ぎたか」
尻尾を掴めばやる事は決まっており、力強く地面に叩きつける。
単純な攻撃方法ではあるが、ザハークのパワーがあれば、必殺の一撃に早変わり。
その証拠に、地面に叩きつけられたワイバーンの頭は木端微塵になっていた。
「全く……とはいえ、事態を理解しているということでしょう」
冒険者としてはもう少し素材を傷付けないようにと言いたいところではあるが、ノックスたちの身を保証するためには、ササっと潰すのが一番であるため、ザハークのやり方は決して間違っていない。
そのため、ミレアナはザハークに対する苦言を口にすることはなく、淡々と弓から突風を纏った矢を放ち、ワイバーンたちの急所を貫いてく。
「ふんっ!!」
そしてソウスケも素早く戦いを終わらせようと、食い千切ろうと接近してきたワイバーンを裂け、避け際に力を込めて手刀を叩き込む。
「ギャバっ!!??」
ワイバーンを呼吸をして生きている生物である以上、首の骨を折られては生きていけない。
そんな調子で叩きつけられ、貫かれ、へし折られ……キングワイバーンに従ってソウスケを襲撃しようとしたワイバーンたちは、一分と経たずに全滅させられた。
「中々強かったな」
「そうですか」
「あぁ。特に、反応が良い個体が多かった」
ザハークは決して大袈裟に言っている訳ではない。
今回の戦いでは、掴んで叩きつけるという攻撃で仕留めようとしていた。
しかし、そんなザハークの目的に気付いたのか、何匹かは掴みをギリギリのタイミングではあるが回避していた。
「ドラゴニックバレーという、他の地と比べて生き残ることに苦労する個体だからこそ、そこら辺の勘が磨かれたのかもな」
「そうか……では、あのキングはどういった対応を取ると思う」
ソウスケがワイバーンたちの対応を行っている間、まだノックスたちの中で離脱者は出ていなかった。
それでも……三体ものBランクドラゴンを討伐してきたハリアルたちだが、まだ戦況が彼ら有利に傾いてはいなかった。
「……普通だったら逃げるんだろうけど、この場所の暗黙のルールを考えれば、逃げない……かな」
「やはりそうか。それはそれで、種の頂点に立つ個体として立派なのかもしれないが、難儀なものだな」
「…………ワイバーンという亜竜でありながら、ドラゴニックバレーで生活することを選んだんだ。あのキングワイバーンも、その辺りは承知の上なんじゃないかな」
予想は出来ても、心の内までは読めない。
ただ……少なくとも、現在ノックスたち戦っているキングワイバーンは目の前の人間たちを仕留めた後、同族たちを殺したソウスケたちも仕留める気満々であった。
「ん~~~~……周りの奴らは俺たちが戦るから、キングを頼むよ」
ソウスケたちに向けて迫る存在は、キングワイバーンが率いるワイバーンの群れ。
ワイバーンは基本的にドラゴニックバレーの外の森に生息しているが、ドラゴニックバレーの中にも生息している個体は数は多くないものの、存在はする。
「でも、これまで以上に気を引き締めて戦う様に」
「「「「「「「はいッ!!」」」」」」」
ソウスケの言葉に気合を入れて返事を返すノックスたち……に対し、複数のブレスが放たれる。
「よっと」
「ふっ!!!」
キングワイバーンとノックスたちの戦いを邪魔させないように、ソウスケとミレアナの風斬波がブレスを粉砕。
(やっぱり、外にいるワイバーンとは違うね)
それなりに力と魔力を込めて放った風斬波で、ようやく相殺することに成功。
通常のワイバーンが放つブレスであればブレスを切り裂き、そのままワイバーンにダメージを与えていた。
(スペックなら、Bランクモンスターとほぼ同じ、なのかもしれないね)
そんな事を考えながら、ソウスケはワイバーンたちの意識がノックスたちに向かないように、とりあえず全個体に向けて遠距離攻撃を放つ。
当ってしまうにしろ、避けるにしろ……無視することは出来ない。
「油断大敵、というやつだ」
「っ!!!???」
ザハークとしては、少しぐらいは楽しんでも良いと思える個体だが、もしノックスたちに何かあれば……という訳で、ガッチリと尾を掴む。
「ふんっ!!!!」
「ギャっ!!!!!?????」
「むっ、少々やり過ぎたか」
尻尾を掴めばやる事は決まっており、力強く地面に叩きつける。
単純な攻撃方法ではあるが、ザハークのパワーがあれば、必殺の一撃に早変わり。
その証拠に、地面に叩きつけられたワイバーンの頭は木端微塵になっていた。
「全く……とはいえ、事態を理解しているということでしょう」
冒険者としてはもう少し素材を傷付けないようにと言いたいところではあるが、ノックスたちの身を保証するためには、ササっと潰すのが一番であるため、ザハークのやり方は決して間違っていない。
そのため、ミレアナはザハークに対する苦言を口にすることはなく、淡々と弓から突風を纏った矢を放ち、ワイバーンたちの急所を貫いてく。
「ふんっ!!」
そしてソウスケも素早く戦いを終わらせようと、食い千切ろうと接近してきたワイバーンを裂け、避け際に力を込めて手刀を叩き込む。
「ギャバっ!!??」
ワイバーンを呼吸をして生きている生物である以上、首の骨を折られては生きていけない。
そんな調子で叩きつけられ、貫かれ、へし折られ……キングワイバーンに従ってソウスケを襲撃しようとしたワイバーンたちは、一分と経たずに全滅させられた。
「中々強かったな」
「そうですか」
「あぁ。特に、反応が良い個体が多かった」
ザハークは決して大袈裟に言っている訳ではない。
今回の戦いでは、掴んで叩きつけるという攻撃で仕留めようとしていた。
しかし、そんなザハークの目的に気付いたのか、何匹かは掴みをギリギリのタイミングではあるが回避していた。
「ドラゴニックバレーという、他の地と比べて生き残ることに苦労する個体だからこそ、そこら辺の勘が磨かれたのかもな」
「そうか……では、あのキングはどういった対応を取ると思う」
ソウスケがワイバーンたちの対応を行っている間、まだノックスたちの中で離脱者は出ていなかった。
それでも……三体ものBランクドラゴンを討伐してきたハリアルたちだが、まだ戦況が彼ら有利に傾いてはいなかった。
「……普通だったら逃げるんだろうけど、この場所の暗黙のルールを考えれば、逃げない……かな」
「やはりそうか。それはそれで、種の頂点に立つ個体として立派なのかもしれないが、難儀なものだな」
「…………ワイバーンという亜竜でありながら、ドラゴニックバレーで生活することを選んだんだ。あのキングワイバーンも、その辺りは承知の上なんじゃないかな」
予想は出来ても、心の内までは読めない。
ただ……少なくとも、現在ノックスたち戦っているキングワイバーンは目の前の人間たちを仕留めた後、同族たちを殺したソウスケたちも仕留める気満々であった。
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