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千百二十四話 こっちを見ろよ
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(どっちを、見ているんだっ!!!!!)
ワイバーンと言えど、キングの名を持つ個体。
竜種ではないが、ノックスは過去にキングの名を持つモンスターと対峙したことがある。
亜竜と言えど、油断出来る相手ではなく、ランクもBとこれまで戦ってきた火竜や風竜と同じ。
そのため、ジャバたちも一切の油断なくキングワイバーンと戦っていた。
しかし……当のキングワイバーンは確かにノックスたちと戦ってはいるが、意識は他の場所へと向いていた。
その行き先は、ワイバーンの相手をしてくれていたソウスケたち。
(嘗めてんじゃ、ねぇぞッ!!!!!)
(彼らが、私たちより強いことは、事実だが……それでも、不快というものだな)
ノックスだけではなく、ジャバやハリアルもキングワイバーンの態度が気に入らなかった。
こっちを見ろと、こちらに集中しろと……お前は俺たちと戦っているんだと、普段よりも前のめりになりながら戦う三人。
「っ、ふぅ……アスレア、ヨルカ。普段よりもサポートをメインにいきましょう」
「その方が、良さそうね!!!」
「うん、解った」
「ネイト! 私はどうしたら良い感じ!?」
「ナディーは、なるべく縦横無尽にお願いします!」
「オッケーっ!!!!」
あまり連携が乱れるのは宜しくない。
それがネイトたちの強味。
しかし……現在、前衛三人の動きが、ノリに乗ってるのは間違いない。
それを無理矢理去勢するのは良くないと判断し、ノックスたち三人をメイン火力にすると決めた。
「っ、アスレア!!」
「解ってるわ!!!!!!」
ドラゴニックバレー前のワイバーン戦……それまでのワイバーン戦や、ドラゴニックバレーに到着してから戦った火竜や風竜に土竜……ドラゴンがブレスを吐こうとする瞬間は、何度も見てきた。
教師たちから事前情報を教えてもらっていたこともあり、タイミングを理解出来るようになった。
キングワイバーンがブレスを完全に放つよりも早く、アスレアの風矢が顔面に迫る。
「っ!!!!!」
全身に魔力を纏ってはいるが、アスレアが放った風矢の威力から、その魔力を突き破り、眼に到達する可能性は十分にある。
だからこそ、キングワイバーンは途中でブレスを中断してでも避ける必要があり、結果として中途半端なブレスが放たれた。
「っしゃ、ゥオラ!!!!!!!」
避けた先から攻めようとしていたジャバ。
無理に切断を試みるのではなく、下からぶち上げるように大剣切り上げ、キングワイバーンの内部に強烈なダメージを与える。
「破ァアアアアア゛ア゛ア゛ッ!!!!!!!」
ここが勝負どころだと判断したハリアルは最低限の魔力だけを残し、殆どを細剣に突風として纏い……キングワイバーンの翼に向けて風突を放った。
放たれた十の内、四は躱されたものの、六は見事翼に命中。
その結果、狙い通りにキングワイバーンの翼には穴が空き、体勢が崩れた。
「っ、ッッッ!!!!!」
そこで何を思ったのか、キングワイバーンは全身に炎を纏い……そして、大雑把にジャバたちに向けてブレスを放った。
一瞬だけでも、彼らを近付けさせず、攻撃を相殺する。
そういった意図が込められた判断であれば、見事な咄嗟の判断と言える。
属性竜ではないが、それでもキングの名を冠するもの。
魔力量だけであれば、火竜や風竜よりも多いことは珍しくない。
「ようやく、だねッッッ!!!!!!!」
この後倒さなければならないソウスケたちのことを意識している場合ではなく、どうにかして目の前の人間たちを殺さなければならない。
だが、キングワイバーンが意識を切り替えた時には既に遅く……同じく全身に炎を纏ったノックスが地を駆け近づき、喉元に渾身の斬撃を叩きつけた。
「っっっっっ!!!!!!!」
留めの一撃と思われたそれは、確かに喉元に直撃した。
それでもキングワイバーンは寸でのところで体を動かし、もろに食らうのを避けた。
「っ!!!!!?????」
「終わりです」
ノックスの斬撃を避けることに全ての意識を持っていかれ、背後に回り込んでいたアスレアに気付かず、最後は風矢によって喉を貫かれた。
ワイバーンと言えど、キングの名を持つ個体。
竜種ではないが、ノックスは過去にキングの名を持つモンスターと対峙したことがある。
亜竜と言えど、油断出来る相手ではなく、ランクもBとこれまで戦ってきた火竜や風竜と同じ。
そのため、ジャバたちも一切の油断なくキングワイバーンと戦っていた。
しかし……当のキングワイバーンは確かにノックスたちと戦ってはいるが、意識は他の場所へと向いていた。
その行き先は、ワイバーンの相手をしてくれていたソウスケたち。
(嘗めてんじゃ、ねぇぞッ!!!!!)
(彼らが、私たちより強いことは、事実だが……それでも、不快というものだな)
ノックスだけではなく、ジャバやハリアルもキングワイバーンの態度が気に入らなかった。
こっちを見ろと、こちらに集中しろと……お前は俺たちと戦っているんだと、普段よりも前のめりになりながら戦う三人。
「っ、ふぅ……アスレア、ヨルカ。普段よりもサポートをメインにいきましょう」
「その方が、良さそうね!!!」
「うん、解った」
「ネイト! 私はどうしたら良い感じ!?」
「ナディーは、なるべく縦横無尽にお願いします!」
「オッケーっ!!!!」
あまり連携が乱れるのは宜しくない。
それがネイトたちの強味。
しかし……現在、前衛三人の動きが、ノリに乗ってるのは間違いない。
それを無理矢理去勢するのは良くないと判断し、ノックスたち三人をメイン火力にすると決めた。
「っ、アスレア!!」
「解ってるわ!!!!!!」
ドラゴニックバレー前のワイバーン戦……それまでのワイバーン戦や、ドラゴニックバレーに到着してから戦った火竜や風竜に土竜……ドラゴンがブレスを吐こうとする瞬間は、何度も見てきた。
教師たちから事前情報を教えてもらっていたこともあり、タイミングを理解出来るようになった。
キングワイバーンがブレスを完全に放つよりも早く、アスレアの風矢が顔面に迫る。
「っ!!!!!」
全身に魔力を纏ってはいるが、アスレアが放った風矢の威力から、その魔力を突き破り、眼に到達する可能性は十分にある。
だからこそ、キングワイバーンは途中でブレスを中断してでも避ける必要があり、結果として中途半端なブレスが放たれた。
「っしゃ、ゥオラ!!!!!!!」
避けた先から攻めようとしていたジャバ。
無理に切断を試みるのではなく、下からぶち上げるように大剣切り上げ、キングワイバーンの内部に強烈なダメージを与える。
「破ァアアアアア゛ア゛ア゛ッ!!!!!!!」
ここが勝負どころだと判断したハリアルは最低限の魔力だけを残し、殆どを細剣に突風として纏い……キングワイバーンの翼に向けて風突を放った。
放たれた十の内、四は躱されたものの、六は見事翼に命中。
その結果、狙い通りにキングワイバーンの翼には穴が空き、体勢が崩れた。
「っ、ッッッ!!!!!」
そこで何を思ったのか、キングワイバーンは全身に炎を纏い……そして、大雑把にジャバたちに向けてブレスを放った。
一瞬だけでも、彼らを近付けさせず、攻撃を相殺する。
そういった意図が込められた判断であれば、見事な咄嗟の判断と言える。
属性竜ではないが、それでもキングの名を冠するもの。
魔力量だけであれば、火竜や風竜よりも多いことは珍しくない。
「ようやく、だねッッッ!!!!!!!」
この後倒さなければならないソウスケたちのことを意識している場合ではなく、どうにかして目の前の人間たちを殺さなければならない。
だが、キングワイバーンが意識を切り替えた時には既に遅く……同じく全身に炎を纏ったノックスが地を駆け近づき、喉元に渾身の斬撃を叩きつけた。
「っっっっっ!!!!!!!」
留めの一撃と思われたそれは、確かに喉元に直撃した。
それでもキングワイバーンは寸でのところで体を動かし、もろに食らうのを避けた。
「っ!!!!!?????」
「終わりです」
ノックスの斬撃を避けることに全ての意識を持っていかれ、背後に回り込んでいたアスレアに気付かず、最後は風矢によって喉を貫かれた。
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