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千百四十三話 笑えない
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「…………ギルドは、最終的には討伐した方が良いと考えてるんですか?」
「まだ何とも言えない状況ではありますが、水龍が暴れ出す……もしくはドラゴニックバレーの比較的内側に来るようなことがあれば、対処した方が良いという方向になるかと」
危険も危険。
赤龍でさえ、大型がクランがそこに全ての照準を合わせ、出せる最大限の戦力を投入した。
そこにソウスケたちがいたことで、運良く逃がさず討伐することに成功した。
赤龍クラスの存在が本当に逃げるのかという疑問の声もあるが、実際にソウスケたちと対峙した……ではなく、大手クランの蒼天と対峙し、結果として逃げ出そうとした。
それはそれで大きな功績と言えるかもしれないが、ただでさえAランクドラゴンがドラゴニックバレーの外に出てしまえば大きな問題となる。
その中でもトップクラスの化け物、龍の一種が出たとなれば、それはある種の失態と捉えられる。
「なるほど」
「……ソウスケたちとしても、やはり気になりますか」
「まぁ、そうですね。気にならない言えば、嘘になります」
「…………」
淡々と受付嬢と会話を行うソウスケ。
しかし、ミレアナは普段との違いに気付いていた。
(ソウスケさんの言葉に……一切の楽しみ、ワクワク感がない)
ザハークの様にがっつり染まっているタイプではない。
それでも、予想外のモンスターの出現といった話を聞けば、大なり小なり良い意味で興味を持つのがソウスケ。
(水龍という存在に、少なからず恐れを感じている、ということでしょうか)
赤龍の強さは見ており、実際に戦ったわけではないが、その強さを理解はしている。
その上で……ミレアナはソウスケが本気で戦えば負けることはないと思っている。
なのに何故、と一瞬考えるも……直ぐにその理由へと至った。
(なるほど…………確かに、あの武器の素材の元と考えれば、ソウスケさんが多少なりとも恐怖……その辺りの感情を抱いてしまいます、か)
もしかしたら、ソウスケが戦わないという選択肢を取るかもしれない。
そう思ったミレアナは……特にその可能性に関し、否定的な感情が湧き上がることはなかった。
「まだどうするかも決まっていない状況ではありますが、その時になった際は、ソウスケさんたちに声を掛けさせてもらうかもしれません。そのところ、ご了承ください」
「えぇ。俺も一応Bランクの冒険者ですからね。緊急時の対応をサボろうとはしませんよ」
その後、あれこれ話している内に解体と査定が終了。
金を受け取り、ギルドのロビーに戻ってきたソウスケとミレアナ。
「そ、ソウスケさん」
すると、ロビーで待機していたノックスたちが慌てて駆け寄ってきた。
「どうしたんだ?」
「その、ドラゴニックバレーに現れたドラゴンの話を聞いて」
「あぁ~~~、あれか。俺も倉庫にいる時、受付嬢の人に聞いたよ」
意識……している訳ではない。
それでも、ソウスケは水龍に対して本音を隠すように話す。
「ど、どうするんですか?」
今話が広まりつつある噂の水龍をどうするのか……ソウスケにそれを尋ねるノックスを見て笑う者が…………いなかった。
割とこれまでにミレアナから極寒の冷気を宿した凍える視線を向けられた者がいる……というのも一つの理由。
ただ、単純にソウスケがドラゴニックバレーで活躍しているというのも、今この場でアホがバカ絡みしない理由の一つでもある。
現役の女性冒険者に、元冒険者の受付嬢の証言もあり、十日以内に数十体以上のBランクドラゴンの討伐に加え、Aランクドラゴンをソロで討伐したという情報も広まりつつある。
加えて、有名どころの大手クランメンバーとの繋がりも確認されているため、迂闊にバカ絡みすればワンチャン消される……という印象を持たれていたり持たれていなかったり。
「焦る必要はないよ。何かあっても、絶対に俺達が守るから」
若造が口にする言葉ではない……が、ノックスたちからすればレイウルという場に限るが、目の前の人物ほど安心感を感じる者はいなかった。
「まだ何とも言えない状況ではありますが、水龍が暴れ出す……もしくはドラゴニックバレーの比較的内側に来るようなことがあれば、対処した方が良いという方向になるかと」
危険も危険。
赤龍でさえ、大型がクランがそこに全ての照準を合わせ、出せる最大限の戦力を投入した。
そこにソウスケたちがいたことで、運良く逃がさず討伐することに成功した。
赤龍クラスの存在が本当に逃げるのかという疑問の声もあるが、実際にソウスケたちと対峙した……ではなく、大手クランの蒼天と対峙し、結果として逃げ出そうとした。
それはそれで大きな功績と言えるかもしれないが、ただでさえAランクドラゴンがドラゴニックバレーの外に出てしまえば大きな問題となる。
その中でもトップクラスの化け物、龍の一種が出たとなれば、それはある種の失態と捉えられる。
「なるほど」
「……ソウスケたちとしても、やはり気になりますか」
「まぁ、そうですね。気にならない言えば、嘘になります」
「…………」
淡々と受付嬢と会話を行うソウスケ。
しかし、ミレアナは普段との違いに気付いていた。
(ソウスケさんの言葉に……一切の楽しみ、ワクワク感がない)
ザハークの様にがっつり染まっているタイプではない。
それでも、予想外のモンスターの出現といった話を聞けば、大なり小なり良い意味で興味を持つのがソウスケ。
(水龍という存在に、少なからず恐れを感じている、ということでしょうか)
赤龍の強さは見ており、実際に戦ったわけではないが、その強さを理解はしている。
その上で……ミレアナはソウスケが本気で戦えば負けることはないと思っている。
なのに何故、と一瞬考えるも……直ぐにその理由へと至った。
(なるほど…………確かに、あの武器の素材の元と考えれば、ソウスケさんが多少なりとも恐怖……その辺りの感情を抱いてしまいます、か)
もしかしたら、ソウスケが戦わないという選択肢を取るかもしれない。
そう思ったミレアナは……特にその可能性に関し、否定的な感情が湧き上がることはなかった。
「まだどうするかも決まっていない状況ではありますが、その時になった際は、ソウスケさんたちに声を掛けさせてもらうかもしれません。そのところ、ご了承ください」
「えぇ。俺も一応Bランクの冒険者ですからね。緊急時の対応をサボろうとはしませんよ」
その後、あれこれ話している内に解体と査定が終了。
金を受け取り、ギルドのロビーに戻ってきたソウスケとミレアナ。
「そ、ソウスケさん」
すると、ロビーで待機していたノックスたちが慌てて駆け寄ってきた。
「どうしたんだ?」
「その、ドラゴニックバレーに現れたドラゴンの話を聞いて」
「あぁ~~~、あれか。俺も倉庫にいる時、受付嬢の人に聞いたよ」
意識……している訳ではない。
それでも、ソウスケは水龍に対して本音を隠すように話す。
「ど、どうするんですか?」
今話が広まりつつある噂の水龍をどうするのか……ソウスケにそれを尋ねるノックスを見て笑う者が…………いなかった。
割とこれまでにミレアナから極寒の冷気を宿した凍える視線を向けられた者がいる……というのも一つの理由。
ただ、単純にソウスケがドラゴニックバレーで活躍しているというのも、今この場でアホがバカ絡みしない理由の一つでもある。
現役の女性冒険者に、元冒険者の受付嬢の証言もあり、十日以内に数十体以上のBランクドラゴンの討伐に加え、Aランクドラゴンをソロで討伐したという情報も広まりつつある。
加えて、有名どころの大手クランメンバーとの繋がりも確認されているため、迂闊にバカ絡みすればワンチャン消される……という印象を持たれていたり持たれていなかったり。
「焦る必要はないよ。何かあっても、絶対に俺達が守るから」
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