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千百七十話 久しぶりに
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SIDE ノックスたち
「すまん、今日は休日にさせてくれ」
現在ノックスたちの臨時教師を務めているソウスケから、そう告げられた。
その対応に、彼らは不満を抱くことはなかった。
寧ろそうなるだろうと予想していた。
ノックスたちも気前の良い冒険者たちからエールを奢られていたが、ソウスケの方にはエールをご馳走したい者たちが常に押し寄せていた。
潰れないか心配に思っていたものの、大宴会の終了後ソウスケは間違いなく自分の脚で帰っていた。
「ソウスケさんも、二日酔いには悩まされるか」
「でしょうね~~~~。だって、昨日…………何杯は呑んでた?」
「十杯は余裕で越えてて……数十杯…………もしかしなくても五十杯は越えてたかな」
「無茶苦茶大量の冒険者たちが来てたからな~~。もしかしたら、百杯ぐらい呑んでたんじゃないか?」
ジャバの言葉に、さすがにそれはないだろうとツッコみたくなるナディーたち。
しかし、ソウスケの周りには本当に数多くの冒険者たちがいた。
大宴会は数時間以上あったことを考えれば……あり得ない話ではない。
「そう考えると、寧ろあれぐらいで済んでいることに驚くべきでしょうか」
「かもね~。もしかして、ソウスケさんの祖先にドワーフがいたりして」
「……あり得なく、なさそう」
少しでもドワーフの血が流れていると、アルコール耐性が強くなる事は珍しくなく……冒険者として活動するだけではなく、鍛冶師としての側面をもっているため、本当にその可能性があるのではないかと考え込んでしまう。
「しかし、そうなるとどうすっか~~。せっかくレイウルに来たし、ちっと観光でもするか?」
「悪くない案ですね」
「訓練でも良いんじゃない?」
「…………折角だし、久しぶりに私たちだけで探索しないかしら」
「「「「「「「っ!!??」」」」」」
ネイトが口にした言葉に対し、大なり小なり差はあれど、他六人全員がギョッとした表情を浮かべた。
「ね、ネイト、さすがにそれは」
「そりゃやりてぇけど、もっと先の話だろ」
「ん? 私は……あぁ、そういう事ね。別にドラゴニックバレーで探索したいってわけじゃないわ。その手前の森で探索しないかって提案よ」
今度は揃って安堵の域を零す六人。
「そ、そういう事だったんだね」
「勿論よ。Bランクのドラゴンを何度も討伐出来たことで、確かにこれまで以上に自信を持てるようになった。でも、あの場所を……自分たちだけで探索できると思う程自惚れてないわよ」
Bランクドラゴンの討伐は、七人全員に自信を与えた。
それでも、離れた場所からではあるがソウスケたちの実戦を観ていたからこそ、過剰な自信を得ることはなく、自惚れることもなかった。
「けど、手前のリザードたちがいる森なら、今の私たちだけでもなんとか出来ると思うの」
「油断は良くないが……試す場所としては、うってつけか」
リザードやワイバーンはCランクモンスターではあるが、それでお亜竜という竜の末端。
これまでのノックスたちとしても、決して楽な相手ではなかった。
しかし、ここ最近は彼らとは違う、本当の竜と何度も戦っていた。
その経験は確実にハリアルたちの強さを押し上げていた。
「ありかなしかで言えば、ありだとは思いますけど……どうするんですか、ノックス」
臨時教師であるソウスケたちがいないとなると、彼らのリーダーはノックス。
ひとまず、彼が一団の方針を決める。
(……あの森にはワイバーンやリザードマンといったCランクのモンスターが殆ど。しかし、Bランクのモンスターがいないという訳ではない…………)
考え、考え……考えて考える。
「………………そうだね。それじゃあ、今持ってる荷物を確認して、足りない物があったら補充して向かおうか」
安全は、考慮しなければならない。
それでも成長とは……保護者の傍を離れ、困難を乗り越えられてこそ、本当の成長。
数十分後、ノックスたちは一応冒険者ギルドに日帰りでドラゴニックバレー前の森へ向かうことを伝えた。
「すまん、今日は休日にさせてくれ」
現在ノックスたちの臨時教師を務めているソウスケから、そう告げられた。
その対応に、彼らは不満を抱くことはなかった。
寧ろそうなるだろうと予想していた。
ノックスたちも気前の良い冒険者たちからエールを奢られていたが、ソウスケの方にはエールをご馳走したい者たちが常に押し寄せていた。
潰れないか心配に思っていたものの、大宴会の終了後ソウスケは間違いなく自分の脚で帰っていた。
「ソウスケさんも、二日酔いには悩まされるか」
「でしょうね~~~~。だって、昨日…………何杯は呑んでた?」
「十杯は余裕で越えてて……数十杯…………もしかしなくても五十杯は越えてたかな」
「無茶苦茶大量の冒険者たちが来てたからな~~。もしかしたら、百杯ぐらい呑んでたんじゃないか?」
ジャバの言葉に、さすがにそれはないだろうとツッコみたくなるナディーたち。
しかし、ソウスケの周りには本当に数多くの冒険者たちがいた。
大宴会は数時間以上あったことを考えれば……あり得ない話ではない。
「そう考えると、寧ろあれぐらいで済んでいることに驚くべきでしょうか」
「かもね~。もしかして、ソウスケさんの祖先にドワーフがいたりして」
「……あり得なく、なさそう」
少しでもドワーフの血が流れていると、アルコール耐性が強くなる事は珍しくなく……冒険者として活動するだけではなく、鍛冶師としての側面をもっているため、本当にその可能性があるのではないかと考え込んでしまう。
「しかし、そうなるとどうすっか~~。せっかくレイウルに来たし、ちっと観光でもするか?」
「悪くない案ですね」
「訓練でも良いんじゃない?」
「…………折角だし、久しぶりに私たちだけで探索しないかしら」
「「「「「「「っ!!??」」」」」」
ネイトが口にした言葉に対し、大なり小なり差はあれど、他六人全員がギョッとした表情を浮かべた。
「ね、ネイト、さすがにそれは」
「そりゃやりてぇけど、もっと先の話だろ」
「ん? 私は……あぁ、そういう事ね。別にドラゴニックバレーで探索したいってわけじゃないわ。その手前の森で探索しないかって提案よ」
今度は揃って安堵の域を零す六人。
「そ、そういう事だったんだね」
「勿論よ。Bランクのドラゴンを何度も討伐出来たことで、確かにこれまで以上に自信を持てるようになった。でも、あの場所を……自分たちだけで探索できると思う程自惚れてないわよ」
Bランクドラゴンの討伐は、七人全員に自信を与えた。
それでも、離れた場所からではあるがソウスケたちの実戦を観ていたからこそ、過剰な自信を得ることはなく、自惚れることもなかった。
「けど、手前のリザードたちがいる森なら、今の私たちだけでもなんとか出来ると思うの」
「油断は良くないが……試す場所としては、うってつけか」
リザードやワイバーンはCランクモンスターではあるが、それでお亜竜という竜の末端。
これまでのノックスたちとしても、決して楽な相手ではなかった。
しかし、ここ最近は彼らとは違う、本当の竜と何度も戦っていた。
その経験は確実にハリアルたちの強さを押し上げていた。
「ありかなしかで言えば、ありだとは思いますけど……どうするんですか、ノックス」
臨時教師であるソウスケたちがいないとなると、彼らのリーダーはノックス。
ひとまず、彼が一団の方針を決める。
(……あの森にはワイバーンやリザードマンといったCランクのモンスターが殆ど。しかし、Bランクのモンスターがいないという訳ではない…………)
考え、考え……考えて考える。
「………………そうだね。それじゃあ、今持ってる荷物を確認して、足りない物があったら補充して向かおうか」
安全は、考慮しなければならない。
それでも成長とは……保護者の傍を離れ、困難を乗り越えられてこそ、本当の成長。
数十分後、ノックスたちは一応冒険者ギルドに日帰りでドラゴニックバレー前の森へ向かうことを伝えた。
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