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千百七十二話 学生でなくとも良い
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「終わった終わった……んで、なんでお前らはテンションが下がってんだよ」
五分と掛けずにリザードを討伐したジャバとハリアル。
二人は無傷の状態で勝利を収めた。
少々調子に乗っていると自分でも思うが、次は一人で戦っても良いんじゃないかと、二人共思っていた。
「実はね」
ナイトから事情を聴くと、ジャバも同じくテンションが下がった。
「あぁ~~、そっか、そうだったよな、クソがっ!! すっかり忘れてたぜ」
共に戦っていたハリアルはそこまで興味なさそうにしており、討伐したリザードの解体を行っていた。
「なぁ、なんとかならねぇのかよ、ハリアル!」
「無茶を言うな。私にそういった決定権はない。それによく考えろ、ジャバ。私たちを除いて、今のお前の剛剣に耐えられる学生は何人いる」
「そりゃお前、結構…………いや、あれ?」
「そういう事だ」
以前までなら、それなりに多くの者がジャバの剛剣に耐え切れたわけではないが、それでも実力者と呼べる者たちは対応出来た。
しかし、今のジャバが放つ剛剣は以前までと比べて、二回りも三回りも強大で凶悪になっていた。
「トーナメントの組み合わせ次第ではあると思うが、このまま次の大会を迎えれば、優勝からベストエイトまで全て私たちで埋めることになるだろう」
「うっ、それは……あれだな。他の連中に、ちと申し訳ねぇな」
「そうだろう」
ジャバはナディーと似たタイプではあるが、そういった事情が分からないほどの脳筋ではない。
「俺たちが手に入れた力は、あくまでソウスケさんたちのお陰で手に入れられた……到達することが出来た力だからね」
「うっ!!! う~~~~~…………はぁ~~~~。仕方ないのか~~~」
ノックスたち対Bランクドラゴンの戦いで、ついぞソウスケたちは手助けをすることはなかった。
彼らが、彼らの力だけでBランクドラゴン討伐という功績を掴み取った。
しかし、掴み取るに至った経緯には、ソウスケとミレアナ、ザハークといった強者の中の強者たちの助けが多数存在する。
都合良くそれを忘れてはおらず、ナディーは再度大きな大きなため息を吐くも、一応納得して諦めようとした。
「…………いや、他の方法があるかもしれない」
「っ!!!! なになに!!! どんな方法があるの、ノックス!!!!!」
「っ!!!??? ち、近い。近いよナディー。少し離れてくれ」
「あっ、ごめんごめん。それで、どんな方法を思い付いたの!!!!」
テンションが爆発し、虎の尾がぶんぶん揺れる。
当たり前だが、確定している訳ではなく、教師たちに提案したところで、承諾して貰えるかは解らない。
「用は、俺たちが他の学生たちと戦わなければ良いって話だ」
「……何言ってんだ、ノックス。それじゃあ、結局はトーナメントに参加出来ねぇだろ」
「そうだね。確かに俺達はトーナメントに参加しない方が良い。でも、祭りの一つなら、別に同じ学生と戦わなくても良い、と思わないかな」
「ふむ、なんとなくだが見えてきたぞ。つまり、トーナメントを終えた後に特別試合という形で教師陣か、将来有望と評されている若手冒険者などと戦うと」
「そういう事。どうかな、ハリアル」
「…………悪くない。私としては、悪くない……間違いなく、盛り上がると思う……試合を行う相手次第ではあるがな」
学生がメインのトーナメントを行う日だからといって、その間か最後にスペシャルマッチを挟んではいけないという決まりはない。
(悪くはないが、試合を行う相手を慎重に選ばなければならない)
ハリアルはそういった試合を行うのであれば、絶対に自分たちが勝てるように調整しなければ、とは思っていない。
しかし、調子に乗って実力が二回り三回り、四回りも離れている超絶強者と戦ってもしらけるだけ。
そのため、対戦相手は色んな意味で計算して選ばなければならない。
五分と掛けずにリザードを討伐したジャバとハリアル。
二人は無傷の状態で勝利を収めた。
少々調子に乗っていると自分でも思うが、次は一人で戦っても良いんじゃないかと、二人共思っていた。
「実はね」
ナイトから事情を聴くと、ジャバも同じくテンションが下がった。
「あぁ~~、そっか、そうだったよな、クソがっ!! すっかり忘れてたぜ」
共に戦っていたハリアルはそこまで興味なさそうにしており、討伐したリザードの解体を行っていた。
「なぁ、なんとかならねぇのかよ、ハリアル!」
「無茶を言うな。私にそういった決定権はない。それによく考えろ、ジャバ。私たちを除いて、今のお前の剛剣に耐えられる学生は何人いる」
「そりゃお前、結構…………いや、あれ?」
「そういう事だ」
以前までなら、それなりに多くの者がジャバの剛剣に耐え切れたわけではないが、それでも実力者と呼べる者たちは対応出来た。
しかし、今のジャバが放つ剛剣は以前までと比べて、二回りも三回りも強大で凶悪になっていた。
「トーナメントの組み合わせ次第ではあると思うが、このまま次の大会を迎えれば、優勝からベストエイトまで全て私たちで埋めることになるだろう」
「うっ、それは……あれだな。他の連中に、ちと申し訳ねぇな」
「そうだろう」
ジャバはナディーと似たタイプではあるが、そういった事情が分からないほどの脳筋ではない。
「俺たちが手に入れた力は、あくまでソウスケさんたちのお陰で手に入れられた……到達することが出来た力だからね」
「うっ!!! う~~~~~…………はぁ~~~~。仕方ないのか~~~」
ノックスたち対Bランクドラゴンの戦いで、ついぞソウスケたちは手助けをすることはなかった。
彼らが、彼らの力だけでBランクドラゴン討伐という功績を掴み取った。
しかし、掴み取るに至った経緯には、ソウスケとミレアナ、ザハークといった強者の中の強者たちの助けが多数存在する。
都合良くそれを忘れてはおらず、ナディーは再度大きな大きなため息を吐くも、一応納得して諦めようとした。
「…………いや、他の方法があるかもしれない」
「っ!!!! なになに!!! どんな方法があるの、ノックス!!!!!」
「っ!!!??? ち、近い。近いよナディー。少し離れてくれ」
「あっ、ごめんごめん。それで、どんな方法を思い付いたの!!!!」
テンションが爆発し、虎の尾がぶんぶん揺れる。
当たり前だが、確定している訳ではなく、教師たちに提案したところで、承諾して貰えるかは解らない。
「用は、俺たちが他の学生たちと戦わなければ良いって話だ」
「……何言ってんだ、ノックス。それじゃあ、結局はトーナメントに参加出来ねぇだろ」
「そうだね。確かに俺達はトーナメントに参加しない方が良い。でも、祭りの一つなら、別に同じ学生と戦わなくても良い、と思わないかな」
「ふむ、なんとなくだが見えてきたぞ。つまり、トーナメントを終えた後に特別試合という形で教師陣か、将来有望と評されている若手冒険者などと戦うと」
「そういう事。どうかな、ハリアル」
「…………悪くない。私としては、悪くない……間違いなく、盛り上がると思う……試合を行う相手次第ではあるがな」
学生がメインのトーナメントを行う日だからといって、その間か最後にスペシャルマッチを挟んではいけないという決まりはない。
(悪くはないが、試合を行う相手を慎重に選ばなければならない)
ハリアルはそういった試合を行うのであれば、絶対に自分たちが勝てるように調整しなければ、とは思っていない。
しかし、調子に乗って実力が二回り三回り、四回りも離れている超絶強者と戦ってもしらけるだけ。
そのため、対戦相手は色んな意味で計算して選ばなければならない。
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