スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす

Gai

文字の大きさ
1,358 / 1,361

千三百五十六話 とち狂う

しおりを挟む
「あっ、良い事思いついた、よ!!!」

準備運動を終え、アラッドとガルーレは軽く打撃戦を始めていた。

「良い事、か」

アラッドは、決してガルーレのことをバカだと思っているわけではない。
ただ……偶に常識がない部分があると思っており、良い事が本当に良い事なのか……半分ほど信用できない。

「そうそう。アラッド、には! クロっていう、従魔が、いるじゃん!」

「そうだ、な」

「だから、二人にも従魔が、いれば!! アラッドの不安、も、解消! されるんじゃ、ない!!!」

「なる、ほど、な…………一理、ある」

もう半分……信用できる良い事だったガルーレのアイデア。

二人に従魔ができれば、二人と二体で計四人パーティーと計算できなくもない。
四人は冒険者パーティーの基本人数でもあり、アラッドとしてもそれならばと不安がいくらかは解消できる。

ただ……クロという従魔を持つアラッドだが、テイマーらしい方法で従魔にしたのではなく……友情ゲットのような形でクロを従魔にしたため、そこに関しては上手くアドバイスが出来ない。

(良い案では、あるんだが……いかんせん、どう仲間にすれば、良いのか………あと、そもそもその案に、二人が、乗るかどうか、だよな)

アラッドとしては、悪くない案だとは思った。

しかし、強制できることもでなく、アラッド自身もアドバイス出来ることがあまりない。

「それで、さ! あの二体か、木竜さんに頼めば、良いんじゃ、ないと、思うだよ、ね!!!」

「……………………」

まさかの提案内容に表情が固まる。

ただ、そこは流石のアラッド。
表情が固まっても体は勝手に動き、ガルーレの拳を的確に捌いていく。

「なに、呆けてるの、さ!!!」

「っっっ!!! すまんすまん。ガルーレが、あまりにも……突拍子もないことを、言うから、な」

「私、そんなに変な、事、言った、かしら!!」

「……そう、だな。歴史を、振り返ればいるのかも、しれないが……少なくとも、普通では、ないはずだ」

アラッドの言う通り、ユニコーン……もしくは木竜を従魔に従えるというのは、間違いなく普通ではない。

(ドラゴンは……騎士の方まで、目を向ければ、いるらしい、が……ユニコーンは……ユニコーンは、いないだろう)

別の戦場で起こった話をチラッと聞いており、火竜を従える竜騎士の存在を知っていた。

二人と共に戦った木竜はAランクだが、基本的にはBランクの属性竜であるため、彼以外の個体であれば……一応、例外ではあるが常識の枠になんとか収まらなくもない。

ただ、ユニコーンだけは違う。

「けど、さ! あの二人、だって、十分……普通じゃ、ない、でしょ!!」

「っっ! そう、だな……それは、間違って、ない」

シルフィーとアッシュが普通ではないというのはその通りなのだが、それとこれとはまた別の話だった。

実際のところ……過去に、ユニコーンを従魔にした冒険者はいた。
しかし、その人物はエルフの中の王族的な存在であるハイ・エルフという種の冒険者であり、一説には……彼らが森の中で乗馬する馬はすべてユニコーン……ハイ・エルフというだけで、ユニコーンたちは特に警戒心を持つことなく、男女関係なく背に乗せる……と、言われている。

(人によっては、あの二人がそんな存在と、同等レベルなのかと、思われそうだが…………はぁ~~~~~。元から、それなりに、有名だったん、だろうが……父さんと、俺たちの代から、色々と……おかしくなったと、思われそう、だな)

おかしくなった原因筆頭だろうがと言われそうなアラッドだが、火付けとしては……ユニコーンを従魔として従えるという方が、アラッドよりも更に頭一つ抜けた話題性となる。

「間違っては、いない。ただな、ユニコーンを従魔に、した……冒険者なんて、格好の獲物、だと……思わないか」

「つま、り! アラッドよりも、狙われ、やすく……なっちゃうって、こと!?」

「おそらく……というか、絶対、だな」

アラッドの従魔であるクロは、デルドウルフというモンスターであり、ブラックウルフが稀有な進化を遂げた存在であり、それはそれで素材の価値が非常に高く、興味を持つ者たちは多い。

しかし、興味を持つのは錬金術を扱う者たちがメイン。

ユニコーンの場合は倫理観が欠如した錬金術師は言わずもがな、貴族たちが本気になってしまう。

二人が侯爵家の人間という立場を忘れ、動いてしまう可能性は大いにある。
侯爵家が……英雄一家が怖くないのかと尋ねられれば、本音は怖い。

しかし、犯罪を……人の者を奪うことに躊躇がない者は、何故か自分ならばバレないという自信がある。

(仮に二人に、何か、あれば…………内戦、勃発、か?)

肉体的には全盛期から衰え始めているものの、今回の戦争で久しぶりにレベルアップしたフール。
アリサも当然レベルアップしており、結果的に侯爵家の戦力は増量も増量。

取り狂ってしまった家が有する戦力にもよるが、まず……やってしまった家が消えてしまう。

(悩ましさ、は、継続、だな)

喋りながらも十分以上徒手格闘戦を続けるも、決着が付かず、ひとまずドロー。

動かしても悩みは消えることなく、寧ろ伝えておいた方が良い内容が増えてしまった。
しおりを挟む
感想 480

あなたにおすすめの小説

母は何処? 父はだぁれ?

穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。 産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。 妹も、実妹なのか不明だ。 そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。 父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。 母は、どこへ行ってしまったんだろう! というところからスタートする、 さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。 変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、 家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。 意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。 前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。 もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。 単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。 また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。 「小説家になろう」で連載していたものです。

【読切短編】処刑前夜、地下牢に現れた王女は言った。「お前でなければ駄目なんだ」滅びの未来を覆す、騎士との契約

Lihito
ファンタジー
王国騎士団の副長ヴェルドは、無実の罪で投獄され、明日処刑される運命にあった。 腐敗した国に絶望し、静かに死を待つ夜。 地下牢に現れたのは、実権を持たない「傀儡」と噂されるイゾルデ王女。 彼女はヴェルドに仮死毒を渡し、こう告げた。 「死んで、私の影になれ」 彼女は知っていた。 この国が三年後に滅ぶこと。誰が裏切り者か。 そして——ヴェルドこそが、国を救うための唯一の「切り札」であることを。 これは、滅びの未来を知る孤独な王女と、一度死んで生まれ変わった騎士が、裏から国を救う「共犯」の物語。

【完結】勇者と国王は最悪。なので私が彼らを後悔させます。

凛 伊緒
ファンタジー
「お前はこのパーティーに相応しくない。今この場をもって、追放とする!それと、お前が持っている物は全て置いていってもらうぞ。」 「それは良いですわね、勇者様!」 勇者でありパーティーリーダーのゼイスに追放を宣言された。 隣にいる聖女メーシアも、大きく頷く。 毎日の暴行。 さらに報酬は平等に分けるはずが、いつも私だけかなり少なくされている。 最後の嫌味と言わんばかりに、今持っている物全てを奪われた。 今までの行いを、後悔させてあげる--

私は……何も知らなかった……それだけなのに……

#Daki-Makura
ファンタジー
第2王子が獣人の婚約者へ婚約破棄を叩きつけた。 しかし、彼女の婚約者は、4歳年下の弟だった。 そう。第2王子は……何も知らなかった……知ろうとしなかっただけだった…… ※ゆるい設定です。ゆるく読んでください。 ※AI校正を使わせてもらっています。

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草

ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)  10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。  親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。  同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……── ※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました! ※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※ ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します

かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。 追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。 恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。 それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。 やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。 鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。 ※小説家になろうにも投稿しています。

戦国転生・内政英雄譚 ― 豊臣秀長の息子として天下を創る

丸三(まるぞう)
ファンタジー
中世近世史を研究する大学講師だった男は、過労の末に倒れ、戦国時代へと転生する。 目覚めた先は、近江・長浜城。 自らの父は、豊臣秀吉の弟にして政権の屋台骨――豊臣秀長。 史実では若くして病没し、豊臣政権はやがて崩れ、徳川の時代が訪れる。 そして日本は鎖国へと向かい、発展の機会を失う。 「この未来だけは、変える」 冷静で現実主義の転生者は、武ではなく制度と経済で歴史を動かすことを選ぶ。 秀長を生かし、秀吉を支え、徳川を排し、戦国を“戦”ではなく“国家設計”で終わらせるために。 これは、剣ではなく政で天下を取る男の物語。 「民が富めば国は栄え、国が栄えれば戦は不要となる」 豊臣政権完成を目指す、戦国転生・内政英雄譚。 ※小説家になろうにも投稿しています。

世界最弱と呼ばれた少年、気づけば伝説級勇者でした ~追放されたので気ままに旅してたら、全種族の姫たちに囲まれていました~

fuwamofu
ファンタジー
魔力量ゼロの落ちこぼれとして勇者パーティを追放された少年リアン。 絶望の果てに始めた自由な旅の中で、偶然助けた少女たちが次々と彼に惹かれていく。 だが誰も知らない。彼こそが古代勇者の血を継ぎ、世界を滅ぼす運命の「真なる勇者」だということを──。 無自覚最強の少年が、世界を変える奇跡を紡ぐ異世界ファンタジー!

処理中です...