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千二十八話 熱い視線は送られていた
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「お前が冒険者として旅立ってから、帰って来たのは二年ぶりぐらいか」
「そうなる、かな?」
丁度昼食の時間ということもあり、スティームたちは共に昼食を食べることになった。
「手紙では色々と聞いていたが、中々にスリルのある旅を送っていたようだな」
「まぁ、そうかな」
「……アラッド君、ガルーレ君。息子はしっかりとやれているかな」
綺麗な所作で料理を食べながら、スティームの父であるラヴェス・バリアスティ―は息子のパーティーメンバーであるアラッドとガルーレに息子の働きっぷりを尋ねた。
「えぇ。スティームにはとても助けられています」
「アラッドと同じく、何度も何度も助けられてます!!」
「ふむ、そうか……お前は中々同業者と組んでいないようだから、そこが少し心配に思っていたが、どうやら良き同僚に巡り合えたようだな」
「うん、そうだね…………出会えたのは、本当に偶々だけど」
実際のところスティームは当時、まだアルバース王国で冒険する予定はなかった。
ただ、兄であるディックスとアラッドの兄であるギーラスの弟自慢に巻き込まれ、急遽アルバース王国に向かうことになった。
それがなければアラッドに、ガルーレに出会うことがなかったと思うと、最初は少し迷惑に思っていた兄からの要望も、今は本当に最高の呼び出しだったと思える。
「ところで、出会いはなかったのか」
「っ!? ゲホ、ゲホ! で、出会いって、どういう」
「勿論、女性との出会いだ。見たところ、ガルーレ君とはパーティーメンバー、友人や仲間といった関係なのだろう」
長年貴族の世界で生きてきたラヴェスだからこそ、雰囲気でそれらを察することが出来る。
だが、ラヴェスから見てスティームとガルーレの関係は、本当に仲の良い友人、仲間にしか見えない。
「う、うん。そうだよ」
「では、道中ではなかったのか?」
「なかったよ。っていうか、なんでそんな事を訊くのさ」
「せっかくだ。お前と一対一の会話であれば、お前が隠せば知る事は出来ないが、共に行動しているアラッド君とガルーレ君がいれば本当のところを聞けるかもしれないと思ってな」
初っ端いじわるな嫌味とも取れる行動を取ったラヴェスだが、それはそれとしてスティームのことを息子として愛している。
だからこそ、息子のそういった話も当然気になっていた。
「アラッド君、息子にそういった話はなかったかな」
「…………俺が知る限り、呑み場などで何人かはスティームに熱い視線を向けている女性はいました」
「っ!!!!!????? え、ちょ、アラッド。僕、それ初耳なんだけど」
「言ってなかったから……と言うか、既に気付いてると思ってたからな」
アラッドの作り話、という訳ではない。
実際に酒場などで呑んで食っていると、同業者であろう女性がスティームに熱い視線を送る出来事は、一度や二度ではない。
それこそ、どの街でも似た様なことがあった。
「私はあれだよ。何人かから、スティームがどんな女性が好きなのかって聞かれたことあるよ」
「っ!!!!???? それも…………いや、まぁそれはそうか」
内容的に、相談されてることを話すのはマナーとしてよろしくない事ぐらいは、スティームも解っている。
「ふむふむ。どうやら、スティームをそれなりに気になっている女性はいるようだな……しかし、二人の反応を見る限り、女性たちは直接話しかけなかったようだね」
「ですね~~~。やっぱり、冒険者として比べちゃうと、中々声が掛け辛いところがあるみたいですよ」
現在はアラッドたちとパーティーを組んでいるが、それ以外でもスティームにはストームファルコンのファルという頼れる相棒がいる。
強く機動力もある従魔と共に行動している時点で、スティームの冒険者としての価値は非常に高い。
そして……単純に、スティーム自身も強い。
「なるほど……息子の強さを、自分の強さを比べて声を掛けても無駄なのではと思ってしまうということか」
「その可能性はあるかと。スティームは……本当に、強いですから」
ラヴェスもそれなりに武術の心得があり、実戦経験もそこそこあるため……否が応でも解ってしまう。
目の前の青年は、おそらく自分よりも強いと。
風貌だけではなく、内側から強さを感じさせる。
そんな誠の強者であるアラッドが、スティームは本当に強いと、噓偽りのない褒め言葉で賞賛してくれたことに、親としては嬉しいところがあった。
そして、実際に褒められているスティームは……父親や護衛の騎士、執事たちがいる場での勝算ということもあり、少し恥ずかしかった。
「冒険者という職業上、好きだからと……そういう思いだけでは動けないところがあります」
「戦場で戦う者だからこそ、重荷になってしまわないか考えてしまうということだね………………まぁ、それなら気長に吉報を待つとしよう」
スティームの兄であり、アラッドと兄であるギーラスの友人でもあるバリアスティー家の長男、ディックスには一応婚約者がいるため、その辺りは非常に安泰ではある。
だが、それはそれとしてスティームの嫁や子も、親としては是非見てみたいラヴェスであった。
「そうなる、かな?」
丁度昼食の時間ということもあり、スティームたちは共に昼食を食べることになった。
「手紙では色々と聞いていたが、中々にスリルのある旅を送っていたようだな」
「まぁ、そうかな」
「……アラッド君、ガルーレ君。息子はしっかりとやれているかな」
綺麗な所作で料理を食べながら、スティームの父であるラヴェス・バリアスティ―は息子のパーティーメンバーであるアラッドとガルーレに息子の働きっぷりを尋ねた。
「えぇ。スティームにはとても助けられています」
「アラッドと同じく、何度も何度も助けられてます!!」
「ふむ、そうか……お前は中々同業者と組んでいないようだから、そこが少し心配に思っていたが、どうやら良き同僚に巡り合えたようだな」
「うん、そうだね…………出会えたのは、本当に偶々だけど」
実際のところスティームは当時、まだアルバース王国で冒険する予定はなかった。
ただ、兄であるディックスとアラッドの兄であるギーラスの弟自慢に巻き込まれ、急遽アルバース王国に向かうことになった。
それがなければアラッドに、ガルーレに出会うことがなかったと思うと、最初は少し迷惑に思っていた兄からの要望も、今は本当に最高の呼び出しだったと思える。
「ところで、出会いはなかったのか」
「っ!? ゲホ、ゲホ! で、出会いって、どういう」
「勿論、女性との出会いだ。見たところ、ガルーレ君とはパーティーメンバー、友人や仲間といった関係なのだろう」
長年貴族の世界で生きてきたラヴェスだからこそ、雰囲気でそれらを察することが出来る。
だが、ラヴェスから見てスティームとガルーレの関係は、本当に仲の良い友人、仲間にしか見えない。
「う、うん。そうだよ」
「では、道中ではなかったのか?」
「なかったよ。っていうか、なんでそんな事を訊くのさ」
「せっかくだ。お前と一対一の会話であれば、お前が隠せば知る事は出来ないが、共に行動しているアラッド君とガルーレ君がいれば本当のところを聞けるかもしれないと思ってな」
初っ端いじわるな嫌味とも取れる行動を取ったラヴェスだが、それはそれとしてスティームのことを息子として愛している。
だからこそ、息子のそういった話も当然気になっていた。
「アラッド君、息子にそういった話はなかったかな」
「…………俺が知る限り、呑み場などで何人かはスティームに熱い視線を向けている女性はいました」
「っ!!!!!????? え、ちょ、アラッド。僕、それ初耳なんだけど」
「言ってなかったから……と言うか、既に気付いてると思ってたからな」
アラッドの作り話、という訳ではない。
実際に酒場などで呑んで食っていると、同業者であろう女性がスティームに熱い視線を送る出来事は、一度や二度ではない。
それこそ、どの街でも似た様なことがあった。
「私はあれだよ。何人かから、スティームがどんな女性が好きなのかって聞かれたことあるよ」
「っ!!!!???? それも…………いや、まぁそれはそうか」
内容的に、相談されてることを話すのはマナーとしてよろしくない事ぐらいは、スティームも解っている。
「ふむふむ。どうやら、スティームをそれなりに気になっている女性はいるようだな……しかし、二人の反応を見る限り、女性たちは直接話しかけなかったようだね」
「ですね~~~。やっぱり、冒険者として比べちゃうと、中々声が掛け辛いところがあるみたいですよ」
現在はアラッドたちとパーティーを組んでいるが、それ以外でもスティームにはストームファルコンのファルという頼れる相棒がいる。
強く機動力もある従魔と共に行動している時点で、スティームの冒険者としての価値は非常に高い。
そして……単純に、スティーム自身も強い。
「なるほど……息子の強さを、自分の強さを比べて声を掛けても無駄なのではと思ってしまうということか」
「その可能性はあるかと。スティームは……本当に、強いですから」
ラヴェスもそれなりに武術の心得があり、実戦経験もそこそこあるため……否が応でも解ってしまう。
目の前の青年は、おそらく自分よりも強いと。
風貌だけではなく、内側から強さを感じさせる。
そんな誠の強者であるアラッドが、スティームは本当に強いと、噓偽りのない褒め言葉で賞賛してくれたことに、親としては嬉しいところがあった。
そして、実際に褒められているスティームは……父親や護衛の騎士、執事たちがいる場での勝算ということもあり、少し恥ずかしかった。
「冒険者という職業上、好きだからと……そういう思いだけでは動けないところがあります」
「戦場で戦う者だからこそ、重荷になってしまわないか考えてしまうということだね………………まぁ、それなら気長に吉報を待つとしよう」
スティームの兄であり、アラッドと兄であるギーラスの友人でもあるバリアスティー家の長男、ディックスには一応婚約者がいるため、その辺りは非常に安泰ではある。
だが、それはそれとしてスティームの嫁や子も、親としては是非見てみたいラヴェスであった。
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