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千二十九話 心配は二、三割程度
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「ラヴェス様、いいでしょうか」
「うむ、何かな。アラッド君」
全員が昼食を食べ終えたタイミングで、アラッドは真剣な表情でラヴェスに声を掛けた。
「……後、一か月もしない内に、行われることが決まりました」
「………………ふむ、なるほど」
後一か月もしない内に行われる……それだけを聞けば、何がどういう事なのかさっぱり解らない。
だが、ラヴェスは伯爵家の領主。
他国の話とはいえ、ある程度事情は察していた。
そして、何故わざわざ詳細を口にしないのかも、当然理解している。
「父さん。僕も、それに参加します」
手紙で、事前に伝えてはいた。
友の為に、自国ではない……アルバース王国と他国との戦争に参加すると。
ラヴェスとしては、友の為にそこまで体を張れろうとする息子の成長は嬉しい。
しかし……やはり、ホットル王国にはあまり関係無い、アルバース王国とゴリディア帝国との戦争。
基本的に冒険者として冒険をしている最中であってもそうだが、息子に死んでほしくない。
加えて、他国と他国との戦争で戦死したとなれば……どういう感情を抱けばいいのか解らなくなってしまう。
「…………」
「息子さんの命を預かる立場として、今日はここに……手が届く限りは、仲間達を助けることを、伝えに来ました」
真っ直ぐ……眼を逸らさず、アラッドは誓いを伝えた。
(…………まだ、十六だったか……あまり社交界には参加していないと聞いていたが、中々どうして……洞察力を持っているね)
まだ二十にもなっていない若僧が親としての心の内を見抜いている。
その事に関して、ラヴェスは少なからず驚いていた。
(それに加えて、気遣いも出来ている……この子は、本当に十六歳なのだろうか)
息子さんを絶対に守ってみせます!!!! といったある意味プロポーズ? とも取れる言葉を伝えられたとしても……悪い気はしないが、それはそれでスティームの実力を嘗めてるのかと思ってしまうところがある。
だが、アラッドはそういった意図をしっかりと伝えながらも、きっちり過保護が過ぎない言葉を選んだ。
ラヴェスからすれば、文句の付け所がない対応であった。
(まぁ……そもそも駄目だと言うつもりもないが)
スティームは、もう一人立ちしている。
ラヴェスやラヴェスの妻であるシエルからすれば、まだまだ子供ではあるものの、世間一般的には冒険者として活躍している立派な大人。
今更息子が戦地に飛び込もうとしても、よっぽどの理由がない限り止めるべきではない……とは思いつつも、ラヴェスはあることを思い付いた。
「アラッド君。君のスティームに対する仲間としての想いは十分伝わった……では、是非ともその強さを見せて貰いたい」
「っ、分かりました」
まさかの流れ!!! という思いはなく、寧ろアラッドはこうなるだろうと思っていた。
(……今ここで、その必要はないでしょって言ったら…………雰囲気ぶち壊しのクソ野郎になっちゃうよね)
息子だからこそ、父親であるラヴェスが本気で自分のことが心配だからという思いは二割から三割程度で、後はただ面白そうだからとアラッドに実力を見せてほしいと提案したことを見抜いていた。
「……ねぇねぇ、スティーム。これって、後で私も力を見せた方が良い感じ?」
「大丈夫だよ。というかアラッド、昼食を食べ終えたばかりだけど大丈夫かい」
「あぁ、問題無い」
事前に招かれていたという訳ではなく、いきなり尋ねてきたという事を忘れてはおらず、満腹になるまでおかわりをするような真似はしなかった。
そのため、現在腹は五分目程度であり、直後に動いてもある程度問題は無かった。
「父さん、ちなみに誰と戦わせるつもりなの」
「今日、丁度セルジュが新米騎士たちを指導している」
「っ、セルジュさんか……なるほど…………」
「スティームがさんな顔をするって事は、相当強い人なんだろうな」
「うん、強いよ。まだこの家にいる頃の話だけど、僕は一度もセルジュさんから一本取れなかった」
「付け足すと、ディックスも最後の最後に一本取れず、騎士になったよ」
ディックスの強さをある程度覚えているアラッドにとって、受けた衝撃は決して小さくなかった。
(スティームとディックスさんが今よりも若いとはいえ、一本と取れなかった騎士か……気になってきたな)
最初は、自分の実力を示してラヴェスを安心させられれば良いと思っていたが、二人が敵わなかったセルジュという名の騎士が非常に気になり始めた。
「どうやら彼らも昼食から戻って来てたみたいだね」
訓練場に入ると、準備運動がてらに軽く武器を振る若者たちが二十名以上。
そして……一人、三十は越えているであろう人物がいた。
(あの人が、セルジュさんか…………とりあえず、面倒が起こらないように、先に挨拶をしておくか)
訓練場にやって来たラヴェスがセルジュに事情を説明し終えると、アラッドは戦意を零した。
「「「「「「「「「「っ!!!!!」」」」」」」」」」
その戦意はセルジュだけに向けられたものではなく、その他の新米騎士……もしくは騎士後方の者たちにも向けられていた。
「どうも、アラッド・パーシブルです」
何故、いきなり戦意を零したのか……その理由を直ぐに察し、セルジュは小さく笑みを零した。
「うむ、何かな。アラッド君」
全員が昼食を食べ終えたタイミングで、アラッドは真剣な表情でラヴェスに声を掛けた。
「……後、一か月もしない内に、行われることが決まりました」
「………………ふむ、なるほど」
後一か月もしない内に行われる……それだけを聞けば、何がどういう事なのかさっぱり解らない。
だが、ラヴェスは伯爵家の領主。
他国の話とはいえ、ある程度事情は察していた。
そして、何故わざわざ詳細を口にしないのかも、当然理解している。
「父さん。僕も、それに参加します」
手紙で、事前に伝えてはいた。
友の為に、自国ではない……アルバース王国と他国との戦争に参加すると。
ラヴェスとしては、友の為にそこまで体を張れろうとする息子の成長は嬉しい。
しかし……やはり、ホットル王国にはあまり関係無い、アルバース王国とゴリディア帝国との戦争。
基本的に冒険者として冒険をしている最中であってもそうだが、息子に死んでほしくない。
加えて、他国と他国との戦争で戦死したとなれば……どういう感情を抱けばいいのか解らなくなってしまう。
「…………」
「息子さんの命を預かる立場として、今日はここに……手が届く限りは、仲間達を助けることを、伝えに来ました」
真っ直ぐ……眼を逸らさず、アラッドは誓いを伝えた。
(…………まだ、十六だったか……あまり社交界には参加していないと聞いていたが、中々どうして……洞察力を持っているね)
まだ二十にもなっていない若僧が親としての心の内を見抜いている。
その事に関して、ラヴェスは少なからず驚いていた。
(それに加えて、気遣いも出来ている……この子は、本当に十六歳なのだろうか)
息子さんを絶対に守ってみせます!!!! といったある意味プロポーズ? とも取れる言葉を伝えられたとしても……悪い気はしないが、それはそれでスティームの実力を嘗めてるのかと思ってしまうところがある。
だが、アラッドはそういった意図をしっかりと伝えながらも、きっちり過保護が過ぎない言葉を選んだ。
ラヴェスからすれば、文句の付け所がない対応であった。
(まぁ……そもそも駄目だと言うつもりもないが)
スティームは、もう一人立ちしている。
ラヴェスやラヴェスの妻であるシエルからすれば、まだまだ子供ではあるものの、世間一般的には冒険者として活躍している立派な大人。
今更息子が戦地に飛び込もうとしても、よっぽどの理由がない限り止めるべきではない……とは思いつつも、ラヴェスはあることを思い付いた。
「アラッド君。君のスティームに対する仲間としての想いは十分伝わった……では、是非ともその強さを見せて貰いたい」
「っ、分かりました」
まさかの流れ!!! という思いはなく、寧ろアラッドはこうなるだろうと思っていた。
(……今ここで、その必要はないでしょって言ったら…………雰囲気ぶち壊しのクソ野郎になっちゃうよね)
息子だからこそ、父親であるラヴェスが本気で自分のことが心配だからという思いは二割から三割程度で、後はただ面白そうだからとアラッドに実力を見せてほしいと提案したことを見抜いていた。
「……ねぇねぇ、スティーム。これって、後で私も力を見せた方が良い感じ?」
「大丈夫だよ。というかアラッド、昼食を食べ終えたばかりだけど大丈夫かい」
「あぁ、問題無い」
事前に招かれていたという訳ではなく、いきなり尋ねてきたという事を忘れてはおらず、満腹になるまでおかわりをするような真似はしなかった。
そのため、現在腹は五分目程度であり、直後に動いてもある程度問題は無かった。
「父さん、ちなみに誰と戦わせるつもりなの」
「今日、丁度セルジュが新米騎士たちを指導している」
「っ、セルジュさんか……なるほど…………」
「スティームがさんな顔をするって事は、相当強い人なんだろうな」
「うん、強いよ。まだこの家にいる頃の話だけど、僕は一度もセルジュさんから一本取れなかった」
「付け足すと、ディックスも最後の最後に一本取れず、騎士になったよ」
ディックスの強さをある程度覚えているアラッドにとって、受けた衝撃は決して小さくなかった。
(スティームとディックスさんが今よりも若いとはいえ、一本と取れなかった騎士か……気になってきたな)
最初は、自分の実力を示してラヴェスを安心させられれば良いと思っていたが、二人が敵わなかったセルジュという名の騎士が非常に気になり始めた。
「どうやら彼らも昼食から戻って来てたみたいだね」
訓練場に入ると、準備運動がてらに軽く武器を振る若者たちが二十名以上。
そして……一人、三十は越えているであろう人物がいた。
(あの人が、セルジュさんか…………とりあえず、面倒が起こらないように、先に挨拶をしておくか)
訓練場にやって来たラヴェスがセルジュに事情を説明し終えると、アラッドは戦意を零した。
「「「「「「「「「「っ!!!!!」」」」」」」」」」
その戦意はセルジュだけに向けられたものではなく、その他の新米騎士……もしくは騎士後方の者たちにも向けられていた。
「どうも、アラッド・パーシブルです」
何故、いきなり戦意を零したのか……その理由を直ぐに察し、セルジュは小さく笑みを零した。
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