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千七十六話 全員、要注意
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「……………」
「なっ!!!???」
その時まで身を潜めていた騎士、魔術師たちが放った渾身の攻撃はアラッドたちに届くことはなく……彼の相棒であるデルドウルフの一撃によって全て粉砕されてしまった。
そして……まだ残っているとなれば、彼らを逃がす通りはない。
アラッドは再び渦雷を持って駆け出し、スティームがほんの一瞬だけ赤雷を纏い……ガルーレは体技、縮地を使用して一気に距離を詰める。
フローレンスは光速で迫り、ヴァジュラ距離を詰めながら、更に棍棒を伸ばして敵との距離を縮める。
「「「「「………………」」」」」
一人一殺。
最後に全員一人ずつ仕留め、最初の戦闘は幕を閉じた。
「ん~~~……あれだね。こうやって終わってみると、さっきアラッドが逃げれば見逃すって言った意味が、それなりに解るわね」
「それはどうも」
アラッドにとって、まだ自分の中に甘さが残っていたと反省するべき点。
ガルーレとしても、もしかしたら自分がなるべく敵兵を殺した方が良いのかと心配していたが……実際に殺してみると、アラッドの中に重さが残っていた理由が多少なりとも解った。
「では、回収しましょうか」
「あぁ、そうだな」
人の死体は、放っておけばアンデット化するケースがある。
寿命を全うした、もしくは病気などで亡くなった者であればそうはならないが、戦場で亡くなった者の死体はしっかり火葬しなければ……憎しみや悲しみ、怒りによってアンデットになってしまうケースが多い。
タリオノールレベルの騎士たちがアンデットとなれば、戦いが終わった後に大きな問題が残ってしまう。
通りすがりのモンスターたちが食べてくれるのであれば問題無いが、これから先……アラッドたちが戦う地は、戦闘者たちの怨念が染みた地となる。
そういった地でも死体がアンデット化するケースが多いため、兎にも角にも適切な対処を行わなければならない。
「ここから先は何度も何度も戦うことになるだろうから、いつも通り動くぞ」
「「「了解」」」
スティームはファルの背に乗り、ガルーレはヴァジュラの背に乗って移動。
フローレンスは……アラッドと共にクロの背に乗って移動。
二人がキャバリオンに乗っている時と比べて、やや進行速度は下がってしまうものの、高スピードで移動していることに変わりはない。
「……ワゥ」
「そっちか」
そしてアラッドの予想通り、直ぐにゴリディア帝国の者たちを発見。
彼らとしてはアラッドたちに気付かれない場所で移動し、アラッド達ではなく更に後方にいる者たちを狙おうとしていたのだが、あまりにもクロの感知力を甘く見ていた。
「た、隊長!!!」
「くっ、この距離でバレるとは……戦るぞッ!!!!」
「「「「「「「「「「ハッ!!!」」」」」」」」」」
逃げられないと悟り、アラッドたちと交戦することを決めたゴリディア帝国の騎士たち。
そんな彼らの闘争心を……アラッドとスティームの雷速が掻き消す。
まだ全体的な身体能力を視れば、スティームとガルーレにとっては、先程戦闘を行った者たちも……これから交戦する者たちも、決して倒すのは楽ではない。
だが、スティームは赤雷を使わずとも激闘を積み重ねていく中で、雷を扱う練度が深まっていき……速さという点においては、良い尖りを持ち始めていた。
そして戦闘において、速さという勝負を決めるのに重要な要素。
「なっ!?」
「…………」
「は、や……すぎ……るぅ」
片腕を切断された。
その事に気を取られてしまえば、もう遅い。
心臓を貫かれ、前のめりに倒れるしかない。
「ぃよ、ふん!!」
「いぎっ!!!!!?????」
「せいっ!!!!!」
ガルーレもこれまで何度も激闘を越えてきたことで、身体能力が全体的に上がっていた。
だが、素の状態のガルーレにとって得られた力はそれだけではなく、見切りの上手さ。
切り札であるペイル・サーベルスを使う際、痛みを感じないという効果を利用し、ダメージ覚悟で格上を仕留めることが多かった。
その使い方は……正しいと言えば正しい。
決して、間違ってはいない。
ただ……本当に使い方を間違えれば、取り返しがつかなくなる。
しかし、そういった使い方をし続けたガルーレの経験は間違っていなかった。
ダメージを受けるのは、命の別状がないところでしか受けてはならない。
加えて、相手の攻撃ギリギリで対処しなければダメージを受けることが前提のカウンターが無駄になってしまう。
その積み重ねによって、素の状態の際に相手の攻撃をギリギリで見切り、カウンターを叩き込む技術が飛躍的に上昇。
結果、槍使いの騎士が放った一閃を躱し、金的にドカンと蹴りを叩き込み、そのまま手刀で首を刎ね飛ばした。
「ひ、ひぃいい!!!!」
騎士たちの中に、一人だけ混ざっていた魔術師が思わず悲鳴を零した。
要注意人物は、アラッドとフローレンスだと聞いていた。
他二人を軽視して良い理由にはならないが、それでも……どうしても意識はその二人と、見るからに強力な力を持つ従魔に向いてしまう。
だが、実際のところ……恐ろしいのは、全員だった。
遭遇してしまえば、叶う訳がない。
魔術師の男が無意識に悲鳴を零してしまうのも、致し方ないと言えた。
「なっ!!!???」
その時まで身を潜めていた騎士、魔術師たちが放った渾身の攻撃はアラッドたちに届くことはなく……彼の相棒であるデルドウルフの一撃によって全て粉砕されてしまった。
そして……まだ残っているとなれば、彼らを逃がす通りはない。
アラッドは再び渦雷を持って駆け出し、スティームがほんの一瞬だけ赤雷を纏い……ガルーレは体技、縮地を使用して一気に距離を詰める。
フローレンスは光速で迫り、ヴァジュラ距離を詰めながら、更に棍棒を伸ばして敵との距離を縮める。
「「「「「………………」」」」」
一人一殺。
最後に全員一人ずつ仕留め、最初の戦闘は幕を閉じた。
「ん~~~……あれだね。こうやって終わってみると、さっきアラッドが逃げれば見逃すって言った意味が、それなりに解るわね」
「それはどうも」
アラッドにとって、まだ自分の中に甘さが残っていたと反省するべき点。
ガルーレとしても、もしかしたら自分がなるべく敵兵を殺した方が良いのかと心配していたが……実際に殺してみると、アラッドの中に重さが残っていた理由が多少なりとも解った。
「では、回収しましょうか」
「あぁ、そうだな」
人の死体は、放っておけばアンデット化するケースがある。
寿命を全うした、もしくは病気などで亡くなった者であればそうはならないが、戦場で亡くなった者の死体はしっかり火葬しなければ……憎しみや悲しみ、怒りによってアンデットになってしまうケースが多い。
タリオノールレベルの騎士たちがアンデットとなれば、戦いが終わった後に大きな問題が残ってしまう。
通りすがりのモンスターたちが食べてくれるのであれば問題無いが、これから先……アラッドたちが戦う地は、戦闘者たちの怨念が染みた地となる。
そういった地でも死体がアンデット化するケースが多いため、兎にも角にも適切な対処を行わなければならない。
「ここから先は何度も何度も戦うことになるだろうから、いつも通り動くぞ」
「「「了解」」」
スティームはファルの背に乗り、ガルーレはヴァジュラの背に乗って移動。
フローレンスは……アラッドと共にクロの背に乗って移動。
二人がキャバリオンに乗っている時と比べて、やや進行速度は下がってしまうものの、高スピードで移動していることに変わりはない。
「……ワゥ」
「そっちか」
そしてアラッドの予想通り、直ぐにゴリディア帝国の者たちを発見。
彼らとしてはアラッドたちに気付かれない場所で移動し、アラッド達ではなく更に後方にいる者たちを狙おうとしていたのだが、あまりにもクロの感知力を甘く見ていた。
「た、隊長!!!」
「くっ、この距離でバレるとは……戦るぞッ!!!!」
「「「「「「「「「「ハッ!!!」」」」」」」」」」
逃げられないと悟り、アラッドたちと交戦することを決めたゴリディア帝国の騎士たち。
そんな彼らの闘争心を……アラッドとスティームの雷速が掻き消す。
まだ全体的な身体能力を視れば、スティームとガルーレにとっては、先程戦闘を行った者たちも……これから交戦する者たちも、決して倒すのは楽ではない。
だが、スティームは赤雷を使わずとも激闘を積み重ねていく中で、雷を扱う練度が深まっていき……速さという点においては、良い尖りを持ち始めていた。
そして戦闘において、速さという勝負を決めるのに重要な要素。
「なっ!?」
「…………」
「は、や……すぎ……るぅ」
片腕を切断された。
その事に気を取られてしまえば、もう遅い。
心臓を貫かれ、前のめりに倒れるしかない。
「ぃよ、ふん!!」
「いぎっ!!!!!?????」
「せいっ!!!!!」
ガルーレもこれまで何度も激闘を越えてきたことで、身体能力が全体的に上がっていた。
だが、素の状態のガルーレにとって得られた力はそれだけではなく、見切りの上手さ。
切り札であるペイル・サーベルスを使う際、痛みを感じないという効果を利用し、ダメージ覚悟で格上を仕留めることが多かった。
その使い方は……正しいと言えば正しい。
決して、間違ってはいない。
ただ……本当に使い方を間違えれば、取り返しがつかなくなる。
しかし、そういった使い方をし続けたガルーレの経験は間違っていなかった。
ダメージを受けるのは、命の別状がないところでしか受けてはならない。
加えて、相手の攻撃ギリギリで対処しなければダメージを受けることが前提のカウンターが無駄になってしまう。
その積み重ねによって、素の状態の際に相手の攻撃をギリギリで見切り、カウンターを叩き込む技術が飛躍的に上昇。
結果、槍使いの騎士が放った一閃を躱し、金的にドカンと蹴りを叩き込み、そのまま手刀で首を刎ね飛ばした。
「ひ、ひぃいい!!!!」
騎士たちの中に、一人だけ混ざっていた魔術師が思わず悲鳴を零した。
要注意人物は、アラッドとフローレンスだと聞いていた。
他二人を軽視して良い理由にはならないが、それでも……どうしても意識はその二人と、見るからに強力な力を持つ従魔に向いてしまう。
だが、実際のところ……恐ろしいのは、全員だった。
遭遇してしまえば、叶う訳がない。
魔術師の男が無意識に悲鳴を零してしまうのも、致し方ないと言えた。
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