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少年期[440]吸収の応用技
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「・・・・・・ラーム、喜べ。お前が多少本気を出しても問題無さそうな魔物が現れたぞ」
『みたいだね。というか、あんなモンスター初めて見たよ』
ルウナとラームの前に現れた魔物が腕を六本持つゴリラの魔物、アシュラコング。
ランクはAに該当する。
『う~~~ん、僕も中々ぶっ飛んで強いと思っていたけど、あれは本当に強いな』
ラームはゼルートから自身の力がどの様な物かを教えられ、自分が持つスキルがどれだけ強力で凶悪な物なのかを理解している。
ただ、それでも眼前に映るアシュラコングは自身より強いかもしれないと思えた。
(ルウナ一人じゃ絶対に厳しいし、僕だけが戦っても絶対に勝てるとは言えない・・・・・・あれをやってみよっか)
吸収を使い、今まで多くの魔物の姿を真似て来た事で得た能力をルウナに使う事にしたラーム。
いきなり自身に引っ付いて来たラームにルウナは驚くが、徐々に姿を変えていくラームが何をしたいのか理解出来た。
「はっはっは、これは凄いなラーム。これはあれじゃないか、ゼルートが持つ魔装のスキルに近いんじゃないか?」
『一応それをイメージして考えた技なんだ』
ルウナの体に身を纏ったことでラームの声はルウナに直接届くようになった。
『これで能力は五分五分かな』
ラームは自身の体を変化させ、ルウナの肩に四本の腕を、尻には尻尾を、そして全身には竜鱗を纏った。
ラームはまだゼルートが親の元から離れる前に一度、ラガールに連れられてドラゴンと戦った事がある。
そのドラゴンはラガール程の強さは持っていないが、それでも才能があって場数を踏んだ冒険者は騎士でなければ勝つ事は出来ない相手。
「獣人よ、準備は整ったか」
「ほぅ、人の言葉を喋る事が出来るのか、ゴブリンキングやオークキングと同じ事が出来るとはな」
ルウナはゼルートから魔物でもランクが高ければ人の言葉を覚えられるという話を聞いており、すぐ隣にも同じ事が出来る仲間がいるのでアシュラコングが人の言葉を喋っても驚く事は無い。
「魔物の中では珍しいだろうな。さて、俺の目の前に立つという事は死ぬ覚悟が出来ているという事で良いんだな」
「戦場にいる以上、死ぬ覚悟は出来ている。ただしお前相手に負ける気はしない。おまえより、本気のゼルートの方が強いだろうからな」
「そうか。だが、実際に戦えば俺の方が強いだろう」
一歩ずつ、威圧感を増しながらお互いに歩を進める。
「いいや、ゼルートとお前では格が違う。ゼルートから見れば、お前など武器や錬金術の素材として使える格好の餌というものだろう」
「俺が餌か・・・・・・随分と嘗めた口をきくな、小娘が」
「事実を言ったまでだ、世間知らず」
両者、お互いのクロスレンジに突入。
スピードはややルウナが上で拳がぶつかり合う。
ルウナが集中するのは自身の五体のみ。
四腕と尻尾に関してはラームが動かす。
その上で自身が対処する攻撃を見極める。
今のルウナに、自身の体に対する遠慮は一切ない。
頼れる仲間が体を強化してくれた。
(解る、さっきまでの私とは何もかも違う)
纏うは旋風に斬水。
得意魔力が火のルウナが容易に扱える物では無い。
しかしラームと一体化している今のルウナにはそれらが容易に扱える。
そして・・・・・・お互いに扱えるスキルは重複発動出来る。
「ぬぅッ!!!???」
「どうした、先程までの余裕が消えているぞ」
アシュラコングは身体強化に怪力無双に鉄壁のスキルを使用している。
攻撃は最大の防御、そう言わんばかりの防御力も備わっているのだが、ルウナとラームはパワーとスピードに関してはアシュラコングを上回っている。
それに同じく六腕を扱っているとはいえ、ラームが動かす四腕はルウナとアシュラコングのとは訳が違う。
『どんなにランクが高くても、大して場数を踏んでいない奴は大した技術を持っていないみたいだね』
十数秒程の殴り合いでラームにはそこまでアシュラコングを恐れる必要は無いと感じていた。
『みたいだね。というか、あんなモンスター初めて見たよ』
ルウナとラームの前に現れた魔物が腕を六本持つゴリラの魔物、アシュラコング。
ランクはAに該当する。
『う~~~ん、僕も中々ぶっ飛んで強いと思っていたけど、あれは本当に強いな』
ラームはゼルートから自身の力がどの様な物かを教えられ、自分が持つスキルがどれだけ強力で凶悪な物なのかを理解している。
ただ、それでも眼前に映るアシュラコングは自身より強いかもしれないと思えた。
(ルウナ一人じゃ絶対に厳しいし、僕だけが戦っても絶対に勝てるとは言えない・・・・・・あれをやってみよっか)
吸収を使い、今まで多くの魔物の姿を真似て来た事で得た能力をルウナに使う事にしたラーム。
いきなり自身に引っ付いて来たラームにルウナは驚くが、徐々に姿を変えていくラームが何をしたいのか理解出来た。
「はっはっは、これは凄いなラーム。これはあれじゃないか、ゼルートが持つ魔装のスキルに近いんじゃないか?」
『一応それをイメージして考えた技なんだ』
ルウナの体に身を纏ったことでラームの声はルウナに直接届くようになった。
『これで能力は五分五分かな』
ラームは自身の体を変化させ、ルウナの肩に四本の腕を、尻には尻尾を、そして全身には竜鱗を纏った。
ラームはまだゼルートが親の元から離れる前に一度、ラガールに連れられてドラゴンと戦った事がある。
そのドラゴンはラガール程の強さは持っていないが、それでも才能があって場数を踏んだ冒険者は騎士でなければ勝つ事は出来ない相手。
「獣人よ、準備は整ったか」
「ほぅ、人の言葉を喋る事が出来るのか、ゴブリンキングやオークキングと同じ事が出来るとはな」
ルウナはゼルートから魔物でもランクが高ければ人の言葉を覚えられるという話を聞いており、すぐ隣にも同じ事が出来る仲間がいるのでアシュラコングが人の言葉を喋っても驚く事は無い。
「魔物の中では珍しいだろうな。さて、俺の目の前に立つという事は死ぬ覚悟が出来ているという事で良いんだな」
「戦場にいる以上、死ぬ覚悟は出来ている。ただしお前相手に負ける気はしない。おまえより、本気のゼルートの方が強いだろうからな」
「そうか。だが、実際に戦えば俺の方が強いだろう」
一歩ずつ、威圧感を増しながらお互いに歩を進める。
「いいや、ゼルートとお前では格が違う。ゼルートから見れば、お前など武器や錬金術の素材として使える格好の餌というものだろう」
「俺が餌か・・・・・・随分と嘗めた口をきくな、小娘が」
「事実を言ったまでだ、世間知らず」
両者、お互いのクロスレンジに突入。
スピードはややルウナが上で拳がぶつかり合う。
ルウナが集中するのは自身の五体のみ。
四腕と尻尾に関してはラームが動かす。
その上で自身が対処する攻撃を見極める。
今のルウナに、自身の体に対する遠慮は一切ない。
頼れる仲間が体を強化してくれた。
(解る、さっきまでの私とは何もかも違う)
纏うは旋風に斬水。
得意魔力が火のルウナが容易に扱える物では無い。
しかしラームと一体化している今のルウナにはそれらが容易に扱える。
そして・・・・・・お互いに扱えるスキルは重複発動出来る。
「ぬぅッ!!!???」
「どうした、先程までの余裕が消えているぞ」
アシュラコングは身体強化に怪力無双に鉄壁のスキルを使用している。
攻撃は最大の防御、そう言わんばかりの防御力も備わっているのだが、ルウナとラームはパワーとスピードに関してはアシュラコングを上回っている。
それに同じく六腕を扱っているとはいえ、ラームが動かす四腕はルウナとアシュラコングのとは訳が違う。
『どんなにランクが高くても、大して場数を踏んでいない奴は大した技術を持っていないみたいだね』
十数秒程の殴り合いでラームにはそこまでアシュラコングを恐れる必要は無いと感じていた。
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