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連載
少年期[740]もうお腹一杯
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「はっはっは!!! 相変わらずびっくりするような生活を送ってるな!!」
「ガレンの言う通りね。ゼルートの冒険譚で物語が書けそうね」
以前会ってからのゼルートの冒険内容を聞き終えたガレンとレミアの表情はいつも通り。
妹のセラスもいったいどんな内容なのか、全ては解っていないがとにかく凄い、ということだけは解っているので何度もゼルートに褒め言葉を送った。
「まぁ……そうだね。うっかり転移トラップを踏んでしまった時は焦ったよ」
ぶっちゃけたところ、転移トラップに引っ掛かって全く別の場所に飛ばされてしまったとしても、ゼルートであれば力づくで戻って来ることは可能だった。
しかしそこはゼルートらしく、コロシアムに出現する魔物やクリアした時に手に入る魔物に興味があり、無理に戻ろうとせず出現する魔物に挑んだ。
「そりゃ焦るだろうな。転移トラップは引っ掛かったら大抵は絶望するものだしな……しかも七回戦もあるコロシアムに転移してしまったんだろ。パーティー全員が揃ってたとしても……やっぱりもうダメだって思ってしまうな」
「転移した時の状況にもよるけど、私もガレンと同じ気持ちね」
もし自分たちがコロシアムタイプの転移トラップに引っ掛かってしまったという状況を思い浮かべ、苦笑いを浮かべる二人。
しかし先日久しぶりにグレイスとコーネリアに会い、今日ガレンとミレアと会ったゼルートは今の四人であれば、そこまで苦労することはないのではと思ってしまった。
(四人とも確実にレベルアップしてるっぽいし……母さんの言う通り、転移する時の状況にもよると思うんだけど、一先ず五回戦までなら余裕でクリアしそうだよな)
レベル三十のレッドゴブリン、レベル三十三のブレードラビット。
レベル三十七のフォレストオークの上位種が四体、レベル四十のヒポグリフが二体。
そしてレベル四十二の成長したサイクロプスが二体。
勿論、毎回同じ面子が登場するわけではないが、戦力は似たり寄ったり。
ミノタウロスの亜種やキングヴェノムサーペントは超厄介な魔物だが、それでも絶対にガレンたちに勝ち目がないとは言えない。
「それにしても、あれだな。銀獅子の皇とぶつかった件に関してはゼルートが七歳の頃に参加したパーティーでの出来事を思い出したぞ」
「あ、あぁ~~~。あれね、確かに似てるかもしれないね」
大手のクランを潰すようなことはしなかったが、それでもキッチリ慰謝料は受け取った。
「ゼルートもいっそクランをつくったらどう? 悪獣を一人で倒したゼルートのクランなら、入りたいって人がたくさんいると思うけど」
「冗談は止めてよ、母さん。クランなんかつくったりしたら自由に動けなくなるし、なにより俺は人の上に立つようなタイプじゃないから」
「ふふ、そうかしら……まぁ、自由に冒険者出来なくなりそうね」
レミアもゼルートがあまり人の上に立って行動するようなタイプではないことは解っているが、クランをつくれば確実に人は集まると思っていた。
「と、とりあえず俺のそういう話はよくて、父さんに見てもらいたい物があるんだ」
何人もの人にクランをつくったらどうだと言われるが、ゼルートにその気は一切ないので当分クランなどについては話したくない。
そう思いながらゼルートはアイテムバッグの中から一つのロングソードを取り出し、テーブルの上に置いた。
「……凄いな。中々お目にかかれない一品だ」
冒険者としてAランクまで駆け上がったガレンの観察眼は鑑定がなくとも優れており、ゼルートが取り出したロングソードが直ぐに簡単には手に入らない代物だと気付いた。
「切れ味が良さそうな剣ね。もしかして、この剣はダンジョンの宝箱から手に入れたの?」
「いや、この剣はドワーフの職人に造ってもらったんだ」
実際にダンジョンで手に入れた宝箱の中には剣が入っていることもあったが、二人の前に出したロングソードは一流鍛冶師のドワーフが魂を注いで造り上げた一品。
「このロングソードは、今度の戦争に参加する父さんに使って欲しいんだ」
ゼルートは父の顔を真っすぐ見ながら伝えた。
「ガレンの言う通りね。ゼルートの冒険譚で物語が書けそうね」
以前会ってからのゼルートの冒険内容を聞き終えたガレンとレミアの表情はいつも通り。
妹のセラスもいったいどんな内容なのか、全ては解っていないがとにかく凄い、ということだけは解っているので何度もゼルートに褒め言葉を送った。
「まぁ……そうだね。うっかり転移トラップを踏んでしまった時は焦ったよ」
ぶっちゃけたところ、転移トラップに引っ掛かって全く別の場所に飛ばされてしまったとしても、ゼルートであれば力づくで戻って来ることは可能だった。
しかしそこはゼルートらしく、コロシアムに出現する魔物やクリアした時に手に入る魔物に興味があり、無理に戻ろうとせず出現する魔物に挑んだ。
「そりゃ焦るだろうな。転移トラップは引っ掛かったら大抵は絶望するものだしな……しかも七回戦もあるコロシアムに転移してしまったんだろ。パーティー全員が揃ってたとしても……やっぱりもうダメだって思ってしまうな」
「転移した時の状況にもよるけど、私もガレンと同じ気持ちね」
もし自分たちがコロシアムタイプの転移トラップに引っ掛かってしまったという状況を思い浮かべ、苦笑いを浮かべる二人。
しかし先日久しぶりにグレイスとコーネリアに会い、今日ガレンとミレアと会ったゼルートは今の四人であれば、そこまで苦労することはないのではと思ってしまった。
(四人とも確実にレベルアップしてるっぽいし……母さんの言う通り、転移する時の状況にもよると思うんだけど、一先ず五回戦までなら余裕でクリアしそうだよな)
レベル三十のレッドゴブリン、レベル三十三のブレードラビット。
レベル三十七のフォレストオークの上位種が四体、レベル四十のヒポグリフが二体。
そしてレベル四十二の成長したサイクロプスが二体。
勿論、毎回同じ面子が登場するわけではないが、戦力は似たり寄ったり。
ミノタウロスの亜種やキングヴェノムサーペントは超厄介な魔物だが、それでも絶対にガレンたちに勝ち目がないとは言えない。
「それにしても、あれだな。銀獅子の皇とぶつかった件に関してはゼルートが七歳の頃に参加したパーティーでの出来事を思い出したぞ」
「あ、あぁ~~~。あれね、確かに似てるかもしれないね」
大手のクランを潰すようなことはしなかったが、それでもキッチリ慰謝料は受け取った。
「ゼルートもいっそクランをつくったらどう? 悪獣を一人で倒したゼルートのクランなら、入りたいって人がたくさんいると思うけど」
「冗談は止めてよ、母さん。クランなんかつくったりしたら自由に動けなくなるし、なにより俺は人の上に立つようなタイプじゃないから」
「ふふ、そうかしら……まぁ、自由に冒険者出来なくなりそうね」
レミアもゼルートがあまり人の上に立って行動するようなタイプではないことは解っているが、クランをつくれば確実に人は集まると思っていた。
「と、とりあえず俺のそういう話はよくて、父さんに見てもらいたい物があるんだ」
何人もの人にクランをつくったらどうだと言われるが、ゼルートにその気は一切ないので当分クランなどについては話したくない。
そう思いながらゼルートはアイテムバッグの中から一つのロングソードを取り出し、テーブルの上に置いた。
「……凄いな。中々お目にかかれない一品だ」
冒険者としてAランクまで駆け上がったガレンの観察眼は鑑定がなくとも優れており、ゼルートが取り出したロングソードが直ぐに簡単には手に入らない代物だと気付いた。
「切れ味が良さそうな剣ね。もしかして、この剣はダンジョンの宝箱から手に入れたの?」
「いや、この剣はドワーフの職人に造ってもらったんだ」
実際にダンジョンで手に入れた宝箱の中には剣が入っていることもあったが、二人の前に出したロングソードは一流鍛冶師のドワーフが魂を注いで造り上げた一品。
「このロングソードは、今度の戦争に参加する父さんに使って欲しいんだ」
ゼルートは父の顔を真っすぐ見ながら伝えた。
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