213 / 1,133
嫉妬より戦意
サルネさんとの模擬戦を終えた翌日の放課後、予想通り……一人の上級生が俺の元にやって来た。
「久しぶりだな、ラガス」
「確かに久しぶりだな、アリク」
クレアと同じ三つ上の兄であるアリク。
久しぶりに見るアリクは俺の記憶と比べて大人になっている……と思う。少なくとも外見は。
体格も大きくなった。過去と比べて、実力も上がっただろう。
「で、俺に何か用があったからこんな人気の無い場所に連れて来たんだろう」
前世風に言えば体育館裏って感じの場所に俺とアリクは面と向かって立っている。
周りには俺とアリク以外の気配は感じない。
もし……もし、数の多さで俺を潰そうとか考えていたら本気でぶっ潰そうかと思っていたが、流石にそこまで腐って落ちてはいないか。
「あぁ。ラガス……俺と、戦ってくれ」
予想通りの言葉。ただ、その目には嫉妬や恨みの感情は殆ど無かった。まっ、ちょっとは残ってるけどな。
それでも十分な戦意が宿っている。
純粋に、俺と一対一で勝負して勝ちたいって事で良いのか?
「珍しいな。お前のそんな目は……良いぞ」
目に戦意より嫉妬の感情が宿っていようがどちらにしても戦っていたけどな。
「それで、いつ戦うんだ?」
「……今日、これから用事はあるか?」
戦えるなら今すぐにでも戦いたいって訳か。
本当に、いつになく戦意に満ちているな。
「いいや、特に無い」
「そうか、ならこれから直ぐに戦ってくれ。場所なら既に取ってある」
おいおい、俺が戦いの申し込みを受ける前提で物事を進めてたのかよ。
別に良いけどさ。
場所は変わって毎度お世話になっている密室の訓練場。
「……レックス先生、もしかして暇なんですか?」
「おいおい、折角審判してやるってのに酷い言い様だな。まっ、面倒な書類仕事は他の先生に任せてるから確かに暇といえば暇だな」
この人……中々にダメ人間だな。
まぁ、やったことないけど書類仕事とか絶対に苦手だろうから口には出さないけど。
「後でツケが回ってきても知りませんよ」
「大丈夫大丈夫、いつもなんとかなってるからさ。はっはっは!!!」
・・・・・・いつか天罰が下ればいいのに。
「さて、一応決着の判断はこっちで決めるが、基本的に好きなようにやれ。んじゃ……始めっ!!!!」
お互いに持つ得物は長剣。向こうがどれだけ剣の腕を上げたのかは知らんが、メインの武器でも負けるつもりはない。
「フンッ!!!」
「シッ!!!」
同時に駆け出し、身体強化は既に発動済み。
まずはお互いに小手調べの一撃ってところだろう。
おそらくだが、魔力による身体強化も闘気による身体強化も使える筈だ。
勿論俺もそれらは使用しておらず、素の身体能力にプラス身体強化のアビリティのみ。
体格では向こうが上だが、素の力と身体強化の練度で負けるつもりはない!!!
「お、らっ!!!!」
「ぐぅっっっ!!!! 相変わらずの、馬鹿力だな」
「基礎をしっかりと鍛えていると言ってもらいたいな」
そっちも、思ったより粘るじゃないか。
身体強化のアビリティのみならもっと吹き飛ぶかと思ったが、きっちりと鍛えてるみたいだな。
縦に斬り、横に払い、下から振り上げ、狙いを定て突く。時にはお互いの制服を切り裂くような蹴りが飛ぶ。
だがそれをお互いバックステップで、サイドステップで、体を半身にして、膝に力を抜いて避ける。
お互いに今のところダメージらしいダメージは無い。
どれか一撃ぐらいはまともに決まるだろうと思っていたが、しっかりと俺の動きを見て予測してるってところか。
細かい魔力の斬撃も放ってくるし、器用さも増してる。
ただ、やっぱり差はあるみたいだな。
今のところ俺には完全に傷が無い。
それに対してアリクの制服は所々裂けていて、顔にも少々切り傷がある。
とりあえずこれ以上、今のスピードで動いていても意味は無さそうだし、ギアを一つ上げてみるか。
アリクが付いて来れるかは知らないけど。
「久しぶりだな、ラガス」
「確かに久しぶりだな、アリク」
クレアと同じ三つ上の兄であるアリク。
久しぶりに見るアリクは俺の記憶と比べて大人になっている……と思う。少なくとも外見は。
体格も大きくなった。過去と比べて、実力も上がっただろう。
「で、俺に何か用があったからこんな人気の無い場所に連れて来たんだろう」
前世風に言えば体育館裏って感じの場所に俺とアリクは面と向かって立っている。
周りには俺とアリク以外の気配は感じない。
もし……もし、数の多さで俺を潰そうとか考えていたら本気でぶっ潰そうかと思っていたが、流石にそこまで腐って落ちてはいないか。
「あぁ。ラガス……俺と、戦ってくれ」
予想通りの言葉。ただ、その目には嫉妬や恨みの感情は殆ど無かった。まっ、ちょっとは残ってるけどな。
それでも十分な戦意が宿っている。
純粋に、俺と一対一で勝負して勝ちたいって事で良いのか?
「珍しいな。お前のそんな目は……良いぞ」
目に戦意より嫉妬の感情が宿っていようがどちらにしても戦っていたけどな。
「それで、いつ戦うんだ?」
「……今日、これから用事はあるか?」
戦えるなら今すぐにでも戦いたいって訳か。
本当に、いつになく戦意に満ちているな。
「いいや、特に無い」
「そうか、ならこれから直ぐに戦ってくれ。場所なら既に取ってある」
おいおい、俺が戦いの申し込みを受ける前提で物事を進めてたのかよ。
別に良いけどさ。
場所は変わって毎度お世話になっている密室の訓練場。
「……レックス先生、もしかして暇なんですか?」
「おいおい、折角審判してやるってのに酷い言い様だな。まっ、面倒な書類仕事は他の先生に任せてるから確かに暇といえば暇だな」
この人……中々にダメ人間だな。
まぁ、やったことないけど書類仕事とか絶対に苦手だろうから口には出さないけど。
「後でツケが回ってきても知りませんよ」
「大丈夫大丈夫、いつもなんとかなってるからさ。はっはっは!!!」
・・・・・・いつか天罰が下ればいいのに。
「さて、一応決着の判断はこっちで決めるが、基本的に好きなようにやれ。んじゃ……始めっ!!!!」
お互いに持つ得物は長剣。向こうがどれだけ剣の腕を上げたのかは知らんが、メインの武器でも負けるつもりはない。
「フンッ!!!」
「シッ!!!」
同時に駆け出し、身体強化は既に発動済み。
まずはお互いに小手調べの一撃ってところだろう。
おそらくだが、魔力による身体強化も闘気による身体強化も使える筈だ。
勿論俺もそれらは使用しておらず、素の身体能力にプラス身体強化のアビリティのみ。
体格では向こうが上だが、素の力と身体強化の練度で負けるつもりはない!!!
「お、らっ!!!!」
「ぐぅっっっ!!!! 相変わらずの、馬鹿力だな」
「基礎をしっかりと鍛えていると言ってもらいたいな」
そっちも、思ったより粘るじゃないか。
身体強化のアビリティのみならもっと吹き飛ぶかと思ったが、きっちりと鍛えてるみたいだな。
縦に斬り、横に払い、下から振り上げ、狙いを定て突く。時にはお互いの制服を切り裂くような蹴りが飛ぶ。
だがそれをお互いバックステップで、サイドステップで、体を半身にして、膝に力を抜いて避ける。
お互いに今のところダメージらしいダメージは無い。
どれか一撃ぐらいはまともに決まるだろうと思っていたが、しっかりと俺の動きを見て予測してるってところか。
細かい魔力の斬撃も放ってくるし、器用さも増してる。
ただ、やっぱり差はあるみたいだな。
今のところ俺には完全に傷が無い。
それに対してアリクの制服は所々裂けていて、顔にも少々切り傷がある。
とりあえずこれ以上、今のスピードで動いていても意味は無さそうだし、ギアを一つ上げてみるか。
アリクが付いて来れるかは知らないけど。
あなたにおすすめの小説
家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る
りーさん
ファンタジー
アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。
その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。
そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。
その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。
1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました
竹桜
ファンタジー
誰にでもある憧れを抱いていた男は最後にただ見捨てられないというだけで人助けをした。
その結果、男は神らしき存在に何でも1つだけ望んでから異世界に転生することになったのだ。
男は即答で答え、異世界で竜騎兵となる。
自らの憧れを叶える為に。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
悪徳領主の息子に転生しました
アルト
ファンタジー
悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。
領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。
そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。
「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」
こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。
一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。
これなんて無理ゲー??