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第20章 神界への訪問者編

03 異変

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「…おかしい。」

「何がです?」

    愛斗は神界と繋がるゲートを見ながら呟いていた。

「女神達が来なくなってもう1ヶ月だ。あれだけ欲求不満を抱えた女神達がこうもパタリと来なくなるなんておかしいと思わないか?」

「それは…まぁ…。やり過ぎたんじゃないですか?小さい女神様にこれでもかと膣内射精を繰り返し、何度も失神させ、それでも止めなかった事を言いふらされているのでは?」

    その可能性も考えた。が…小さい女神は別として、そこそこ育ってる女神なら気にせず来るのでは?それすらも来ないと言う事は…。

「もしかして神界に何か問題でも起きたか?」

「問題…ですか。例えば?」

「そうだなぁ…。…戦とか?」

「戦ですか。」

「ああ。今までは平和だったからこそ毎日えっち三昧だったけどさ。」

    天使が愛斗に言った。 

「戦ならば天使にも知らせは来る筈です。」

「神同士の争いでもか?」

「はっ!それは…。」

    答えないと言う事はどうやら知らせは来ないらしいな。

「まさか神同士が争いなんて…。」

「いや?あり得るぞ?そもそも俺が居た世界の神話じゃ神同士なんて争ってばかりだったしな。」

「そ、そうなのですか!?」

「おお、私闘、寝取り、浮気なんでもありだったな。うん、ロクでもねぇ。」

「ど、どどどうします!?」

    天使は慌てて愛斗に尋ねた。 

「別にどうも?助けを求められている訳でも無いし、そもそも争っているかも分からないしな。仮に争っているとしてもだ、何も知らせに来ないって事は手助けは不要って事だろ。」

「ま、まぁ…。もし争いになっていたとしたら…類いまれなる力を持つ愛斗様に助力を請いに来る筈ですものねぇ…。」

「ま、そう言う事だ。気にせず続きしようぜ?」

    と、愛斗は天使を抱き寄せ口唇を重ねた。

「もう…♪一大事かもしれないのに…♪」

「俺にはお前達を抱けなくなる方が一大事だっての。ほ~ら…挿入れちゃうぞ~。」

「やぁぁん♪」

    愛斗は天使と身体を重ねる。

「あっあんっ♪まな…愛斗さまぁぁぁぁぁっ!?」

「うぉっ!?い、いきなりどうした!?」

「あ、あああああれっ!あれっ!!!」

    天使がゲートの方を指差し震えていた。

「あん?」

    愛斗が後ろを振り向くと、ゲートに傷だらけの女神がうずくまっていた。

「な、なんだぁ?」

    愛斗は傷だらけの女神に近づく。

「お~い、大丈夫か?【ハイヒール】。」

「う…あ…。こ、此処は…。」

    振り絞る様な声で呟く女神に愛斗が答えた。

「此処は天界。お前は神界と繋がるゲートを潜って来た。で、どうしたんだ?」

「天界…。そうか…、ま、愛斗殿は?」

「俺が愛斗だが?何か用か?」

    天使は何とか身体を起こし愛斗にすがった。

「し、神界が…神界が大変な事にっ!!」

「大変な事?」

「あ、ああ。今から1ヶ月前…突如神界にゲートが開き、そこから邪神とその配下が飛び出して来た。奴等は恐ろしい力を持ち、瞬く間に神界を支配してしまったのだ…っ!私が来たゲートも漸く修理し、何とか一回分の魔力を溜めて来たのだ…。」

    邪神…邪神ねぇ。

「主神はどうした?」

「真っ先に殺されたよ。邪神は今主神の居た神殿を占拠し、男神を集め無理矢理…その…。」

    女神が急に恥ずかしそうにしだした。

「男達を集めて何してんだ?」

「くぅぅぅっ!そのっ!は、配下と無理矢理交わらせ…こ、子作りを…っ!し、しかも…!その光景を神界中に写し出してっ!」

「ってぇと…邪神ってもしかして女?」

「そうだ。邪神もその配下達も全て女だ。」

「ほぉ~。んで…女神達は?」

「…最初は抗って何人か殺されたが…、その時邪神が言ったんだ。手を出さなければ命までは奪わない。その代わり、食糧と男を差し出せと…。」

「そうか。なら何故異変を感じた時に俺を呼びに来なかった。直ぐに来ていれば簡単に何とかしつやったものを。」

「それは…。邪神達は男神を狙っていた。いくら貴方でも1人で何とか出来る訳が無いと…。それに…最後の男神まで失う訳にはいかなかったのだ…。」

    愛斗はゆっくりと立ち上がった。

「くっ…くくくくっ!」

「な、何がおかしい。」

「いやぁ~。これが笑わずにいられるかよ。なぁ、お前等女神は俺が邪神程度に負けると思ってんの?」

「じ、邪神…?程度?」

    愛斗は久しぶりに装備を取り出し身に纏う。

    いつ以来だろうか、装備を纏うのは。愛斗は久しぶりに血を滾らせ女神に言った。

「神界になんぞ行く気は無かったが…困っているお前等を見捨てるのも気分わりぃし…、今回は特別だ。力を貸してやるよ。」

「な、なんて…力だっ!邪神を軽く凌駕しているっ!?」

「当たり前だ。ほら、行くぞ?来たって事は本当は助けて欲しかったんだろう?」

「うっ…。失う訳にはいかないと言っておきながら済まない…!」

「気にするな。同じ神だろう?」

    愛斗は天使に向かって言った。

「良いか、俺達が消えたら直ぐにゲートを破壊しろ。無いとは思うが、万が一邪神とその配下が此方に来たら面倒だからな。」

「畏まりました。しかし…そのゲートは1人しか通れないのでは?」

「んなもん…1人ずつ行きゃ良いんだよ。」

    と、愛斗はゲートに魔力を補充し、女神を中に放り投げた。

「う、うわぁぁぁぁぁ………………」

「む、酷い…。」

    愛斗は気にせず天使に言った。

「良いか、必ず壊せよ?とうっ!!」

    愛斗はそう言い残しゲートに飛び込んだ。

「壊すって…。どうしたら…?と、取り敢えずお水でも掛けようかしら…。水…水…。無いから取り敢えず…。」

    天使はゲートに跨がり身体から水分を放出した。

「はぁぁぁぁぁぁ…♪…ぶるるっ…♪壊れたかしら?」

    天使はゲートから降り文字盤を見る。

「反応なし。よし、壊れたわねっ!あ…でも愛斗様どうやって戻ってくるのかしら?ま、愛斗様だしどうとでもなるわよね♪っと、皆に知らせなくちゃ!」

    無事ゲートを破壊した天使は直ぐ様各長達に報告に向かった。

「邪神…ですか。」

「はい。で、神界は今大変な事になっているらしいです。」

「そう、報告ありがとうね。では…愛斗様がお戻りになられるまでは私達で天界を警備しましょう。ゲートは壊れたかもしれませんが、邪神とその配下が此方に来ないとも限りませんので。」

「「「「はっ!」」」」

    こうして、愛斗は神界へと行く事になったのである。
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