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第49話 異変
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ゲームを攻略し、戻ってきた主人公は足元を見て困惑していた。
「……え? なにこれ?」
主人公足元では白い服に身を包んだ男が一人、床に頭をつけ土下座していた。
「申し訳ないっ! どうか許して欲しいっ!」
「は? な、何? なんなの?」
土下座していた男が顔をあげ、自身の素性からゲームについて、そして土下座の理由を主人公に説明し始めた。
「なるほど。するとお前は主神とやらで、俺はゲームを起動させた瞬間に死んでいると」
「うむっ!」
「……で、現実にゲームキャラを持ち帰れると言ったのは実は地球じゃなく、お前の管理する世界だと」
「そ、そうだっ!」
「……さらに、今その世界では人口が激減し、信仰の減少したお前は消えかけていると。そのために俺が解放した魂を勝手に自分の管理する世界に送った。そう言ったか?」
「うむ」
主人公はぶち切れた。
「おまっ! 神だかなんだか知らんがふざけんなよっ!? あいつらは俺が丹精込めて孕ませた嫁だぞっ!? それを勝手に現地に送られて黙ってられるかっ! あいつらは俺のだぞっ!」
「わ、わかっておる! だから解放された魂には不老不死のスキルを与え、隔絶された大地に送っておる! そこは男のおらぬ土地だ。そこは全てのゲームを攻略した特典でお前が行くはずだった世界なのだ。だが……原住民が戦争を始めおってな……。にしても……死んだと知った割には冷静なのだな」
「薄々気付いていたからな。んな事よりだ! 嫁を返せよ!」
主神は首を横にふった。
「それは無理だ! 私が消えてしまう!」
「知らんがな!? こうしている間にも嫁たちは混乱しているかも知れない!」
「ああ、それは大丈夫だ。女たちを送った先の世界での一秒がここでの一年。お前がゲームに行っている間、ここの時間は止まる。せめてもの罪滅ぼしにそう言う仕組みにした。だからお前は引き続きゲームを攻略し、魂を解放してやって欲しい」
それを聞き主人公は冷静になった。
「ここの一年があっちの一秒か。なら仮に全てのゲームを攻略したとしても……」
「あちらでは数秒だ。ただ、あまりゲームを選択する時間は使えないが」
「……はぁ。なんて事をしてくれたんだ。残るゲームはまだ四桁だぞ? 俺が途中で諦めたらどうすんだよ」
「それでも構わない。諦めたとしてもお前の魂は私の管理する世界に送る。本来は消滅させるのだが、今回の件では迷惑をかけた。だから特別にリタイアした場合でも次の人生を約束する」
主人公はそれに条件をつけた。
「それプラス、得た力はそのままにしろ。そしたらこのまま魂の解放は続ける」
「おぉっ! やってくれるか!」
「ああ。話を聞かされた時は驚いたが、困っていたなら仕方ない。今の条件を呑んでくれたら引き続きゲームを攻略し、できるだけ魂の解放を続ける。そしてリタイアしたくなったら言う」
「わ、わかった! 本当に申し訳なかった!」
主神は再び床に頭を打ち付け、主人公に感謝と謝罪を行った。主人公は今まで集めた嫁を失ったが、いずれまた会えるならと割りきる事にした。しかし、会うためには後九千以上のゲームを攻略しなければならない。だが、今回付けた条件でいつでも神の管理する世界とやらに行く事が出来るようになった。
「で、では私はこれで……。引き続き魂の解放を頼む」
「ああ」
神はひたすら低姿勢で元いた場所へと帰って行った。主人公はそれを気にもとめず、どのゲームを選ぶか悩んでいた。
「チートも手に入ったし、そろそろ好みに走るとしますかねぇ……。となると、次はこれだな」
主人公は新たなゲームを選択し、そのゲームの中へとダイブするのであった。
そして神は……。
「ふぅっ……、何とかなったか。これも他のゲーマーが使えなさすぎるから起こったのだ! もう田中さえいれば良い! ばら蒔いたゲームは全て回収するとしよう」
これで次の挑戦者が来る事はなくなった。残す挑戦者は主人公のみ。神は全てを主人公に賭けるのであった。
そして主人公はと言うと……。
「先生~、全員集まりました~」
「よし、じゃあ夏休み勉強合宿を始めよう」
「「「「はいっ! 先生っ!」」」」
主人公が選んだゲームは【夏休み! S六年生と子作り合宿】だった。主人公は思いっきり趣味に走っていた。ちなみにこのゲームの内容は、C学受験を控えたS六年生の生徒の学力向上を目指し、夏休みの間は合宿所に二週間泊まりこみ勉強を教えると言う内容である。合宿所にいるのは生徒十人に副担任の女教師が一人だ。
ゲームのクリア方法は単純。二週間以内にターゲットを堕とし孕ませるだけだ。だが全員真面目な生徒で異性については何も知らないといった状況だ。
「じゃあ勉強を始めようか。先生、講義を」
「はい! じゃあみんな~、テキストの一頁からいきますよ?」
「はいっ!」
主人公はサポートに回り、生徒の様子をうかがう役目だ。だがうかがうのは勉強についてではない。うかがうのは成長期真っ只中の身体なのである。
「先生、今のこう?」
「ん? いや、こうこう……こうだな」
「あ! なるほどっ! ありがとうございますっ!」
「頑張れな?」
今のやり取りで首もとから膨らみかけの胸にある果実を主人公は注視していた。
「……くくくっ、全員美味そうだなぁ~」
主人公は心の中で下卑た笑みを浮かべるのであった。
「……え? なにこれ?」
主人公足元では白い服に身を包んだ男が一人、床に頭をつけ土下座していた。
「申し訳ないっ! どうか許して欲しいっ!」
「は? な、何? なんなの?」
土下座していた男が顔をあげ、自身の素性からゲームについて、そして土下座の理由を主人公に説明し始めた。
「なるほど。するとお前は主神とやらで、俺はゲームを起動させた瞬間に死んでいると」
「うむっ!」
「……で、現実にゲームキャラを持ち帰れると言ったのは実は地球じゃなく、お前の管理する世界だと」
「そ、そうだっ!」
「……さらに、今その世界では人口が激減し、信仰の減少したお前は消えかけていると。そのために俺が解放した魂を勝手に自分の管理する世界に送った。そう言ったか?」
「うむ」
主人公はぶち切れた。
「おまっ! 神だかなんだか知らんがふざけんなよっ!? あいつらは俺が丹精込めて孕ませた嫁だぞっ!? それを勝手に現地に送られて黙ってられるかっ! あいつらは俺のだぞっ!」
「わ、わかっておる! だから解放された魂には不老不死のスキルを与え、隔絶された大地に送っておる! そこは男のおらぬ土地だ。そこは全てのゲームを攻略した特典でお前が行くはずだった世界なのだ。だが……原住民が戦争を始めおってな……。にしても……死んだと知った割には冷静なのだな」
「薄々気付いていたからな。んな事よりだ! 嫁を返せよ!」
主神は首を横にふった。
「それは無理だ! 私が消えてしまう!」
「知らんがな!? こうしている間にも嫁たちは混乱しているかも知れない!」
「ああ、それは大丈夫だ。女たちを送った先の世界での一秒がここでの一年。お前がゲームに行っている間、ここの時間は止まる。せめてもの罪滅ぼしにそう言う仕組みにした。だからお前は引き続きゲームを攻略し、魂を解放してやって欲しい」
それを聞き主人公は冷静になった。
「ここの一年があっちの一秒か。なら仮に全てのゲームを攻略したとしても……」
「あちらでは数秒だ。ただ、あまりゲームを選択する時間は使えないが」
「……はぁ。なんて事をしてくれたんだ。残るゲームはまだ四桁だぞ? 俺が途中で諦めたらどうすんだよ」
「それでも構わない。諦めたとしてもお前の魂は私の管理する世界に送る。本来は消滅させるのだが、今回の件では迷惑をかけた。だから特別にリタイアした場合でも次の人生を約束する」
主人公はそれに条件をつけた。
「それプラス、得た力はそのままにしろ。そしたらこのまま魂の解放は続ける」
「おぉっ! やってくれるか!」
「ああ。話を聞かされた時は驚いたが、困っていたなら仕方ない。今の条件を呑んでくれたら引き続きゲームを攻略し、できるだけ魂の解放を続ける。そしてリタイアしたくなったら言う」
「わ、わかった! 本当に申し訳なかった!」
主神は再び床に頭を打ち付け、主人公に感謝と謝罪を行った。主人公は今まで集めた嫁を失ったが、いずれまた会えるならと割りきる事にした。しかし、会うためには後九千以上のゲームを攻略しなければならない。だが、今回付けた条件でいつでも神の管理する世界とやらに行く事が出来るようになった。
「で、では私はこれで……。引き続き魂の解放を頼む」
「ああ」
神はひたすら低姿勢で元いた場所へと帰って行った。主人公はそれを気にもとめず、どのゲームを選ぶか悩んでいた。
「チートも手に入ったし、そろそろ好みに走るとしますかねぇ……。となると、次はこれだな」
主人公は新たなゲームを選択し、そのゲームの中へとダイブするのであった。
そして神は……。
「ふぅっ……、何とかなったか。これも他のゲーマーが使えなさすぎるから起こったのだ! もう田中さえいれば良い! ばら蒔いたゲームは全て回収するとしよう」
これで次の挑戦者が来る事はなくなった。残す挑戦者は主人公のみ。神は全てを主人公に賭けるのであった。
そして主人公はと言うと……。
「先生~、全員集まりました~」
「よし、じゃあ夏休み勉強合宿を始めよう」
「「「「はいっ! 先生っ!」」」」
主人公が選んだゲームは【夏休み! S六年生と子作り合宿】だった。主人公は思いっきり趣味に走っていた。ちなみにこのゲームの内容は、C学受験を控えたS六年生の生徒の学力向上を目指し、夏休みの間は合宿所に二週間泊まりこみ勉強を教えると言う内容である。合宿所にいるのは生徒十人に副担任の女教師が一人だ。
ゲームのクリア方法は単純。二週間以内にターゲットを堕とし孕ませるだけだ。だが全員真面目な生徒で異性については何も知らないといった状況だ。
「じゃあ勉強を始めようか。先生、講義を」
「はい! じゃあみんな~、テキストの一頁からいきますよ?」
「はいっ!」
主人公はサポートに回り、生徒の様子をうかがう役目だ。だがうかがうのは勉強についてではない。うかがうのは成長期真っ只中の身体なのである。
「先生、今のこう?」
「ん? いや、こうこう……こうだな」
「あ! なるほどっ! ありがとうございますっ!」
「頑張れな?」
今のやり取りで首もとから膨らみかけの胸にある果実を主人公は注視していた。
「……くくくっ、全員美味そうだなぁ~」
主人公は心の中で下卑た笑みを浮かべるのであった。
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