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第1章 再誕
18 黄金騎士
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査定が終わり俺は一生を十回遊んで暮らせるほどの金を手に入れた。だが組合がそんな金を一括で支払えるわけもなく、今回は組合にあった金の全て。そして残りは素材が売れたらその時支払うと言う形になった。
これが泣きそうになりながら頭を下げてきた組合長と直接契約した結果だ。ちなみに、明日も同じだけ狩ってくると告げたら泣いて止められた。そんな支払力などないらしい。以外と使えない組織だ。
とにかくまぁ、俺は一夜にして大金を獲得し、酒場に戻った。そしてそんな酒場には現在双騎士と呼ばれている蒼騎士と黄金騎士がいた。これじゃ地下に降りられないじゃないか。
「おや? あなたはいつぞやの……。フレイにやられた傷はもう良いのですか?」
「あん? 椅子が当たったあれか。あんなもんもう治ったよ」
俺はテーブルに座る二人を見下ろしながらこう言った。
「聖神教の四騎士だった者がいまやこんな安酒場で安酒飲んでんかのか。落ちぶれたもんだな」
「貴様っ……!」
「止めなさい、アース。あなたも、我らに何か恨みでも? 言葉の端々に悪意を感じますよ」
「そりゃ悪かったな。俺は昔から口が悪くてよ。詫びに今日は奢ってやんよ。安酒しかねぇけどな?」
「結構です。帰りますよ、アース」
「……ふんっ!」
二人はテーブルの上に金を置き去っていった。
「ざまぁ~」
「ジェイド様っ! 冷や冷やしましたよもうっ!」
そう駆け寄ってきたのはこの酒場のオーナーだ。邪神教団の金庫番も務めている。
「仕事を終えてきたってのにアジトに入れなかったからな。イラついてたんだわ。あぁ、これ稼いできた金の一部だ。運営資金に回してくれ」
「は、はぁ……。……はぁぁぁぁぁぁぁっ!? こ、こんな大金ど、どうしたのですか!?」
「魔物の素材を売った金だ。それでもまだほんの一部だ。組合にある金が今それしかなかったらしくてな。あるだけとってきたんだよ。残りは素材が売れてからだそうだ」
「……す、凄いっすね。さすまおです!」
「お前もかよ!?」
俺は頭を抱えながら地下へと降りた。
「戻ったぞ」
「おぉぉ、魔王様!」
「ジェイド~」
俺は駆け寄ってきたリーシャを抱えてやった。
「魔王様、資金の方は……」
「金庫番にやってきた。組合の金全部な。それでもまだ足りなかったから残りは後日回収に向かう。素材が売れるまで待てだとさ」
「ただちに確認して参ります!」
モーリーは急ぎ上へと向かい、俺はリーシャを抱え寝室に向かう。そして激しい運動後、そのまま眠りに就いた。
そして時にやる事もなかったので数日寝室でリーシャと遊んでいたある日、扉が激しくノックされた。
「魔王様! 魔王様!」
「なんだよ、邪魔すんなよ」
「そうだよ~、後ちょっとだったのに~!」
「た、大変なんですよ! 緊急事態ですっ!」
「なんだよもう……」
俺は仕方なくベッドから降り、服を着替えて扉を開いた。
「さ、酒場で黄金騎士が暴れてまして!」
「はぁ? 黄金騎士が? 何でまた?」
「わ、わかりません! しかしこのままでは酒場が潰れてしまいます! なんとかして下さいっ!」
「仕方ねぇなぁ……」
俺は仕方なく酒場へと向かう。ちなみに出入り口は更衣室にある木箱の中だ。しかもどういうわけか、木箱の蓋を開けないと出入り口はない。木箱をズラしてみても普通の床になっているのである。不思議だ。モーリーに尋ねたら最初からこうなっていたのだとか。はるか昔の邪神教徒の誰かが作ったのだろうと言っていた。
「あ~あ~……」
ホールに出ると黄金騎士が滅茶苦茶に暴れていた。
「誰がぁっ! 落ちぶれた騎士ですかっ! たかだか騎士が二人消えただけっ! 私を舐めるなぁぁぁぁっ!」
「「「「ひぃぃぃぃ……」」」」
床に血塗れのオーナーが転がり、客は壁際に退避している。テーブルや椅子はほとんど破壊され、もはや営業は無理だと言う状態になっている。
「くそ不味い酒ですねぇぇぇっ! こんな場所、聖地には相応しくありませんっ! 今から潰してくれようっ!」
そこに俺が気だるそうに姿を見せる。
「お客さ~ん、困りますよ~? 他のお客さんに迷惑かかってんじゃねーですか」
「き、貴様は……! なるほど、ここの用心棒かなにかですか。ちょうど良い。見なさい、あなたの雇い主を」
「ぐぅぅぅぅぅっ!」
大柄な黄金騎士は足元にいたオーナーの頭を掴み、片手で持ち上げて見せた。
「……」
「ほ~ら、潰しますよ?」
「があぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
別にオーナーが死んだ所で代わりはいるが、あのクソ野郎を見ていると腹が立つ。
「同様すらしないとは……つまらないですねっ!」
「うぁぁっ!」
黄金騎士は俺目掛けてオーナーを放り投げてくる。俺はそれを余裕で受け止め、同時に回復術を施してやった。
「す、すいません……、ジェイド様……っ」
「良いよ、下がってな。あいつは俺が殺る」
その言葉が耳に届いたのだろうか、黄金騎士は鬼のような顔になった。
「私を……殺る? はっ……はははははっ!! 今私を殺ると言いましたか? 人類最強のレベルを誇るこの私をっ!」
「ああ、レベル50だっけ? その程度威張り散らすには足りねぇよ。お前のようなバカを井の中の蛙って言うんだ。バーカ」
「な、なんですとぉぉぉぉぉぉぉっ! もう許せんっ! 表に出なさいっ! 貴様の事は前々から気に入らなかったのですっ! 今日、私が神に代わり貴様を裁くっ!」
「神に代わり? お前程度に代わられるなら……その神は大した事ねぇんだな、さすが落ち目の聖神教だ」
「貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
俺はゆっくりと入口に向かいながら奴に言った。
「こいよ、死んでも文句言うなよ」
「殺すのは私だっ!!」
俺達は酒場の前へと移動し、対峙するのだった。
これが泣きそうになりながら頭を下げてきた組合長と直接契約した結果だ。ちなみに、明日も同じだけ狩ってくると告げたら泣いて止められた。そんな支払力などないらしい。以外と使えない組織だ。
とにかくまぁ、俺は一夜にして大金を獲得し、酒場に戻った。そしてそんな酒場には現在双騎士と呼ばれている蒼騎士と黄金騎士がいた。これじゃ地下に降りられないじゃないか。
「おや? あなたはいつぞやの……。フレイにやられた傷はもう良いのですか?」
「あん? 椅子が当たったあれか。あんなもんもう治ったよ」
俺はテーブルに座る二人を見下ろしながらこう言った。
「聖神教の四騎士だった者がいまやこんな安酒場で安酒飲んでんかのか。落ちぶれたもんだな」
「貴様っ……!」
「止めなさい、アース。あなたも、我らに何か恨みでも? 言葉の端々に悪意を感じますよ」
「そりゃ悪かったな。俺は昔から口が悪くてよ。詫びに今日は奢ってやんよ。安酒しかねぇけどな?」
「結構です。帰りますよ、アース」
「……ふんっ!」
二人はテーブルの上に金を置き去っていった。
「ざまぁ~」
「ジェイド様っ! 冷や冷やしましたよもうっ!」
そう駆け寄ってきたのはこの酒場のオーナーだ。邪神教団の金庫番も務めている。
「仕事を終えてきたってのにアジトに入れなかったからな。イラついてたんだわ。あぁ、これ稼いできた金の一部だ。運営資金に回してくれ」
「は、はぁ……。……はぁぁぁぁぁぁぁっ!? こ、こんな大金ど、どうしたのですか!?」
「魔物の素材を売った金だ。それでもまだほんの一部だ。組合にある金が今それしかなかったらしくてな。あるだけとってきたんだよ。残りは素材が売れてからだそうだ」
「……す、凄いっすね。さすまおです!」
「お前もかよ!?」
俺は頭を抱えながら地下へと降りた。
「戻ったぞ」
「おぉぉ、魔王様!」
「ジェイド~」
俺は駆け寄ってきたリーシャを抱えてやった。
「魔王様、資金の方は……」
「金庫番にやってきた。組合の金全部な。それでもまだ足りなかったから残りは後日回収に向かう。素材が売れるまで待てだとさ」
「ただちに確認して参ります!」
モーリーは急ぎ上へと向かい、俺はリーシャを抱え寝室に向かう。そして激しい運動後、そのまま眠りに就いた。
そして時にやる事もなかったので数日寝室でリーシャと遊んでいたある日、扉が激しくノックされた。
「魔王様! 魔王様!」
「なんだよ、邪魔すんなよ」
「そうだよ~、後ちょっとだったのに~!」
「た、大変なんですよ! 緊急事態ですっ!」
「なんだよもう……」
俺は仕方なくベッドから降り、服を着替えて扉を開いた。
「さ、酒場で黄金騎士が暴れてまして!」
「はぁ? 黄金騎士が? 何でまた?」
「わ、わかりません! しかしこのままでは酒場が潰れてしまいます! なんとかして下さいっ!」
「仕方ねぇなぁ……」
俺は仕方なく酒場へと向かう。ちなみに出入り口は更衣室にある木箱の中だ。しかもどういうわけか、木箱の蓋を開けないと出入り口はない。木箱をズラしてみても普通の床になっているのである。不思議だ。モーリーに尋ねたら最初からこうなっていたのだとか。はるか昔の邪神教徒の誰かが作ったのだろうと言っていた。
「あ~あ~……」
ホールに出ると黄金騎士が滅茶苦茶に暴れていた。
「誰がぁっ! 落ちぶれた騎士ですかっ! たかだか騎士が二人消えただけっ! 私を舐めるなぁぁぁぁっ!」
「「「「ひぃぃぃぃ……」」」」
床に血塗れのオーナーが転がり、客は壁際に退避している。テーブルや椅子はほとんど破壊され、もはや営業は無理だと言う状態になっている。
「くそ不味い酒ですねぇぇぇっ! こんな場所、聖地には相応しくありませんっ! 今から潰してくれようっ!」
そこに俺が気だるそうに姿を見せる。
「お客さ~ん、困りますよ~? 他のお客さんに迷惑かかってんじゃねーですか」
「き、貴様は……! なるほど、ここの用心棒かなにかですか。ちょうど良い。見なさい、あなたの雇い主を」
「ぐぅぅぅぅぅっ!」
大柄な黄金騎士は足元にいたオーナーの頭を掴み、片手で持ち上げて見せた。
「……」
「ほ~ら、潰しますよ?」
「があぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
別にオーナーが死んだ所で代わりはいるが、あのクソ野郎を見ていると腹が立つ。
「同様すらしないとは……つまらないですねっ!」
「うぁぁっ!」
黄金騎士は俺目掛けてオーナーを放り投げてくる。俺はそれを余裕で受け止め、同時に回復術を施してやった。
「す、すいません……、ジェイド様……っ」
「良いよ、下がってな。あいつは俺が殺る」
その言葉が耳に届いたのだろうか、黄金騎士は鬼のような顔になった。
「私を……殺る? はっ……はははははっ!! 今私を殺ると言いましたか? 人類最強のレベルを誇るこの私をっ!」
「ああ、レベル50だっけ? その程度威張り散らすには足りねぇよ。お前のようなバカを井の中の蛙って言うんだ。バーカ」
「な、なんですとぉぉぉぉぉぉぉっ! もう許せんっ! 表に出なさいっ! 貴様の事は前々から気に入らなかったのですっ! 今日、私が神に代わり貴様を裁くっ!」
「神に代わり? お前程度に代わられるなら……その神は大した事ねぇんだな、さすが落ち目の聖神教だ」
「貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
俺はゆっくりと入口に向かいながら奴に言った。
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俺達は酒場の前へと移動し、対峙するのだった。
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