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第2章 改革
08 次の領地へ
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豚の領地を手に入れ、二つの領地を運営する事になった俺は右へ左へと大忙しだった。
「魔王様! また入団申請が!」
「許可する。リストにアップしておけ」
「ははっ! いやぁ~、最近ずいぶんとまた信者が増えましたな。聖神教のあった頃とは大違いですぞ」
おそらく申請しているのはブラウン伯爵領にいた住民達だ。どうやら俺の話を信じてもらえたらしい。婦人達を生かしたのも大きく影響を与えているのかもしれない。これまで邪神教と言えばマイナーで聖神教に目の敵にされていたような組織だ。どんな活動をしているかもわからない組織に入りたがる奴はいないだろう。それが先日の件で大々的に広まったのだろう。邪神教は入るだけの価値が十分にあるのだと。
「しかし……こうも忙しくなるとはな……」
俺は入団申請書に許可印を押す毎日だ。申請が届いた瞬間に許可を出し、俺が押印したものをモーリーがリストアップしていく。このリストに名を連ねる者の税金は邪神教がもつ事になっている。
「しかしまたどうして急に……。魔王様、何かしました?」
「いいや? ブラウン伯爵領で邪神教の素晴らしさを説いたくらいだな」
「ふむふむ。ではなぜミューズ領からこんなに大量の申請が……」
「わからん。ミューズ領にはまだ行ってないぞ。次に向かう予定ではあったが」
モーリーとそんな話をしていると蒼騎士コルドが扉をノックし入室してきた。
「ジェイド、少し良いか?」
「良さそうに見える? まだ未処理の申請書が山のようにあるのだが」
「ああ。見ればわかる。だが、その件でミューズ子爵が訪ねてきたのだ」
「……は? 訪ねて? まさか領民を返せとか?」
「いや、そんな素振りはなかったな。どうする? 会わないならお帰り願うが」
俺は少し悩んだ末、会う事にした。どうせ次に向かう領地だったんだ。それに……そろそろ書類仕事は飽きた。
「……いや、会おう。応接間に通しておいてくれ」
「わかった」
「モーリー、印をお前に預ける。後は任せたっ!」
「なっ!? この量を一人で処理しろと!? それはあんまりですぞ魔王様っ!?」
「わざわざ貴族様が来てくれたのだぞ? 無視するわけにもいくまい。じゃあな~」
「ま、魔王様ぁぁぁぁぁっ!?」
俺は全ての書類をモーリーに押し付け応接間へと向かった。
応接間に入ると妙齢の女性が鎧に身を包みソファーに腰かけているのが見えた。相手も俺に気付いたようだ。
「お待たせしました。俺がジェイド男爵です。お初にお目にかかる」
「あんたが邪神教の頭かい?」
「いえ、俺は実務担当ですよ。頭はモーリーと言う男です」
「そうかい。ま、話が出来るなら誰でもいいさね。アタシはミューズ子爵領を治めているシャロン・ミューズだ。いきなりの訪問、すまなかったねぇ」
「いえ」
俺はミューズ子爵の向かい側に腰をおろした。
「それで、御用件は?」
「ああ、ウチの領民が邪神教に入団希望を出しているのは知ってるね?」
「ええ」
俺は内心警戒を始めた。
(なんだ、まさか文句でも良いにきたのか? 見ればフル装備だ。まさか……殺りにきたんじゃあるまいな)
そう警戒した瞬間、ミューズ子爵は頭を下げた。
「すまんっ!」
「……は?」
ミューズ子爵は頭を上げ訪問した理由を口にした。
「アタシはさ、武で貴族にまで成り上がった身でね。領地をもらったは良いがどうして良いかサッパリだったんだよ」
「は、はぁ……」
「そりゃ最初は文官も雇ったさ。けど奴らはアタシが何にも知らないと思って民から滅茶苦茶な税をとったり横領してたりしたんだよ。まぁ、今は全員土の下にいるがね? かかかかっ」
笑い話じゃないぞ。容赦ないな。
「それ以降文官は雇わずアタシ一人で回してきてたんだがねぇ……。やっぱり勝手がわからず民には迷惑かけっぱなしだったのさ」
「なるほど」
「で、このままじゃ不味いと思った矢先、あんたがブラウンの野郎を詰めただろ? 邪神教の話もそこで耳にしたのさ。アタシはこれを天の助けだと思ってねぇ~」
俺はその言葉で気付いた。
「ま、まさか最近やたら申請が多いのはっ!」
「そうさね。アタシが領民に入団するように指示したのさ。ブラウン領から信者を一人呼んで領民に邪神教を説明させた。ウチの領民はその説明で邪神教の素晴らしさにまいっちまったらしい。言っておくが強制はしていないよ。全部自分達の意思で入団を希望したんだ」
「……やってくれますね。経営を俺達に丸投げですか」
「かかっ、丸投げ……まぁそうさね。アタシは見ての通り老い先短い身さね。夫も子もなく、ミューズ領はアタシの代で仕舞いさ。なら……聖神教をぶっ潰してくれたあんたらにくれてやろうかと思ってねぇ」
なるほど。理由は寿命か。
「聖神教は嫌いでしたか」
「ああ大っ嫌いだったさね。戦には手も貸さず、金だけは吸い上げる。この土地だって力と数にモノを言わせて占拠してたようなもんさ。死ぬ前に乗り込んでやろうかとも考えていたがね、領民の事を考えたらできなかった。その時、あんたら邪神教が奴らをぶっ潰してくれたって言うじゃないか。そりゃもうスカッとしたもんさ」
ミューズ子爵は真剣な面持ちを見せ、再び頭を下げた。
「ジェイド男爵、老い先短いアタシからの頼みだ。アタシの領地と領民、あんたに任せたい。受けてもらえるかい?」
その民を愛する心意気を汲み、俺はイエスと答えた。
「ありがとよ、これで心置きなく老後を暮らせるさね」
「……ん? 今なんて?」
「かっかっか! まだまだ青いのうっ! アタシがそんな今すぐ死ぬように見えるかい?」
全く見えない。むしろモーリーより長生きしそうだ。
「はぁ~、ようやく肩の荷が降りたよ。アタシは難しい事は大っ嫌いなんさ。あんたらがいれば戦は起こらんだろう? アタシは静かにのんびり余生を楽しむのさ」
「なっ!? 本当に丸投げするつもりだったのか!?」
「かっかっか! なぁに、アタシの力が必要なら貸すさね。残る二人の貴族、ありゃクセモンだよ」
ライゼ辺境伯にローランド公爵か。
「二人とも王の親族さね。表も裏も知り尽くしている老害さ。あの二人はアタシ以上に知恵が回る。アタシの領地をやる代わりに二人の情報をくれてやる。さっさと奪っちまいな。かかかかかっ」
「簡単に言ってくれる……」
俺はミューズ子爵を見ながら溜め息を吐くのであった。
「魔王様! また入団申請が!」
「許可する。リストにアップしておけ」
「ははっ! いやぁ~、最近ずいぶんとまた信者が増えましたな。聖神教のあった頃とは大違いですぞ」
おそらく申請しているのはブラウン伯爵領にいた住民達だ。どうやら俺の話を信じてもらえたらしい。婦人達を生かしたのも大きく影響を与えているのかもしれない。これまで邪神教と言えばマイナーで聖神教に目の敵にされていたような組織だ。どんな活動をしているかもわからない組織に入りたがる奴はいないだろう。それが先日の件で大々的に広まったのだろう。邪神教は入るだけの価値が十分にあるのだと。
「しかし……こうも忙しくなるとはな……」
俺は入団申請書に許可印を押す毎日だ。申請が届いた瞬間に許可を出し、俺が押印したものをモーリーがリストアップしていく。このリストに名を連ねる者の税金は邪神教がもつ事になっている。
「しかしまたどうして急に……。魔王様、何かしました?」
「いいや? ブラウン伯爵領で邪神教の素晴らしさを説いたくらいだな」
「ふむふむ。ではなぜミューズ領からこんなに大量の申請が……」
「わからん。ミューズ領にはまだ行ってないぞ。次に向かう予定ではあったが」
モーリーとそんな話をしていると蒼騎士コルドが扉をノックし入室してきた。
「ジェイド、少し良いか?」
「良さそうに見える? まだ未処理の申請書が山のようにあるのだが」
「ああ。見ればわかる。だが、その件でミューズ子爵が訪ねてきたのだ」
「……は? 訪ねて? まさか領民を返せとか?」
「いや、そんな素振りはなかったな。どうする? 会わないならお帰り願うが」
俺は少し悩んだ末、会う事にした。どうせ次に向かう領地だったんだ。それに……そろそろ書類仕事は飽きた。
「……いや、会おう。応接間に通しておいてくれ」
「わかった」
「モーリー、印をお前に預ける。後は任せたっ!」
「なっ!? この量を一人で処理しろと!? それはあんまりですぞ魔王様っ!?」
「わざわざ貴族様が来てくれたのだぞ? 無視するわけにもいくまい。じゃあな~」
「ま、魔王様ぁぁぁぁぁっ!?」
俺は全ての書類をモーリーに押し付け応接間へと向かった。
応接間に入ると妙齢の女性が鎧に身を包みソファーに腰かけているのが見えた。相手も俺に気付いたようだ。
「お待たせしました。俺がジェイド男爵です。お初にお目にかかる」
「あんたが邪神教の頭かい?」
「いえ、俺は実務担当ですよ。頭はモーリーと言う男です」
「そうかい。ま、話が出来るなら誰でもいいさね。アタシはミューズ子爵領を治めているシャロン・ミューズだ。いきなりの訪問、すまなかったねぇ」
「いえ」
俺はミューズ子爵の向かい側に腰をおろした。
「それで、御用件は?」
「ああ、ウチの領民が邪神教に入団希望を出しているのは知ってるね?」
「ええ」
俺は内心警戒を始めた。
(なんだ、まさか文句でも良いにきたのか? 見ればフル装備だ。まさか……殺りにきたんじゃあるまいな)
そう警戒した瞬間、ミューズ子爵は頭を下げた。
「すまんっ!」
「……は?」
ミューズ子爵は頭を上げ訪問した理由を口にした。
「アタシはさ、武で貴族にまで成り上がった身でね。領地をもらったは良いがどうして良いかサッパリだったんだよ」
「は、はぁ……」
「そりゃ最初は文官も雇ったさ。けど奴らはアタシが何にも知らないと思って民から滅茶苦茶な税をとったり横領してたりしたんだよ。まぁ、今は全員土の下にいるがね? かかかかっ」
笑い話じゃないぞ。容赦ないな。
「それ以降文官は雇わずアタシ一人で回してきてたんだがねぇ……。やっぱり勝手がわからず民には迷惑かけっぱなしだったのさ」
「なるほど」
「で、このままじゃ不味いと思った矢先、あんたがブラウンの野郎を詰めただろ? 邪神教の話もそこで耳にしたのさ。アタシはこれを天の助けだと思ってねぇ~」
俺はその言葉で気付いた。
「ま、まさか最近やたら申請が多いのはっ!」
「そうさね。アタシが領民に入団するように指示したのさ。ブラウン領から信者を一人呼んで領民に邪神教を説明させた。ウチの領民はその説明で邪神教の素晴らしさにまいっちまったらしい。言っておくが強制はしていないよ。全部自分達の意思で入団を希望したんだ」
「……やってくれますね。経営を俺達に丸投げですか」
「かかっ、丸投げ……まぁそうさね。アタシは見ての通り老い先短い身さね。夫も子もなく、ミューズ領はアタシの代で仕舞いさ。なら……聖神教をぶっ潰してくれたあんたらにくれてやろうかと思ってねぇ」
なるほど。理由は寿命か。
「聖神教は嫌いでしたか」
「ああ大っ嫌いだったさね。戦には手も貸さず、金だけは吸い上げる。この土地だって力と数にモノを言わせて占拠してたようなもんさ。死ぬ前に乗り込んでやろうかとも考えていたがね、領民の事を考えたらできなかった。その時、あんたら邪神教が奴らをぶっ潰してくれたって言うじゃないか。そりゃもうスカッとしたもんさ」
ミューズ子爵は真剣な面持ちを見せ、再び頭を下げた。
「ジェイド男爵、老い先短いアタシからの頼みだ。アタシの領地と領民、あんたに任せたい。受けてもらえるかい?」
その民を愛する心意気を汲み、俺はイエスと答えた。
「ありがとよ、これで心置きなく老後を暮らせるさね」
「……ん? 今なんて?」
「かっかっか! まだまだ青いのうっ! アタシがそんな今すぐ死ぬように見えるかい?」
全く見えない。むしろモーリーより長生きしそうだ。
「はぁ~、ようやく肩の荷が降りたよ。アタシは難しい事は大っ嫌いなんさ。あんたらがいれば戦は起こらんだろう? アタシは静かにのんびり余生を楽しむのさ」
「なっ!? 本当に丸投げするつもりだったのか!?」
「かっかっか! なぁに、アタシの力が必要なら貸すさね。残る二人の貴族、ありゃクセモンだよ」
ライゼ辺境伯にローランド公爵か。
「二人とも王の親族さね。表も裏も知り尽くしている老害さ。あの二人はアタシ以上に知恵が回る。アタシの領地をやる代わりに二人の情報をくれてやる。さっさと奪っちまいな。かかかかかっ」
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