現世で死んだ俺は新たな世界へと生まれ変わる途中で邪神に拐われました。ありがとう! 感謝します邪神様っ!

夜夢

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第5章 グラディオン大陸編

22 王族救出

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 入り口にいた見張りはすでにオーククイーンの巣で待つグラマラスな怪物にプレゼントしてやった。さらに後続を絶つため、扉のノブに触れるとオーククイーンの所に飛ぶ仕掛けを施し、俺は壁をすり抜け室内に入った。そこでは二十人近い男達が王妃と王女を汚していた。王女は生意気だと聞いていたが、もはや抵抗する気力も失ったのだろう。王妃と二人男達に陵辱されていた。

「くっくっく。誰の子を孕んだんだろうなぁ? 王族といえど所詮はただのメス。こうなってしまったらもう終わりよ」

 王女の光が消えた瞳から涙が零れ落ちた。

「何が国民のためだ。貴様らの主がバカだからこうなっているのだ。まぁその主もそろそろくたばる頃だろうがなぁ? くははははははっ」

 今度は王妃の瞳から涙が零れ落ちた。どうやらこいつらはドクズらしい。兵士も命令されたから参加しているのてはなく、自ら積極的に参加しているように見える。

 そしてこいつらを引っ張っているのが守旧派のメンバーの一人、今喋っている【バッカス侯爵】だ。醜く肥え太り、ギラギラと脂ぎった指にはゴテゴテした装飾品がはめられていた。

「さて、そろそろ回復したしな。どれ、王妃様。今ワシの棍棒を捩じ込んでやるぞ」
「……その小物が棍棒? はははは、自分の小指くらいしかねーじゃん。ちっさ」
「だ、誰だ今言った奴はっ!!」

 侯爵は怒りのあまりわめき散らした。どうやら小さいのを気にしていたらしい。だが俺は姿を消しているので見つからない。

「お前かっ!!」
「ち、ちちちち違いますよっ! 確かに侯爵様のは棍棒とはかけ離れ……あ」

 兵士の首が落ちた。ずいぶん質の悪い兵士のようだ。

「図星だろうがよ。あ~あ、可哀想に」
「ま、またかっ!! 次は誰だっ!! お前かっ!! そんなに大きいモノが自慢かぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「お、俺じゃねぇっす! ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!」

 また兵士の首が落ちた。どうやら相当コンプレックスらしいな。侯爵はモノのデカい兵士を順番に殺していた。

「このワシに楯突くとは……。ワシは次期国王になるのだぞっ!! そんなワシに逆らうとは良い度胸だな!」
「はっ、モノが小さけりゃ器も小せぇな。王? 寝言は寝て言え豚が。お前の番で二人が休憩になってんのわかんねぇの?」
「だ、誰だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「「「「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃっ!!」」」」

 兵士達の首が次々と落ちる。そして残ったのは侯爵と同じくらいモノが小さい兵士二人だけだ。

「さすが侯爵様! モノの小さい兵士の味方!」
「ワシのは小さくなぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!」
「「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」

 全ての兵士が死んだ。

「はぁっ……はぁっ……。ワシをバカにする奴は許さんっ!! 小さくても出るものは一緒だろうがっ!!」

 そう言い、侯爵は再び王妃に覆い被さる。

「孕ます……! お前はワシが孕ませるんじゃあぁぁぁぁぁぁぁ……あ? あ……れ?」

 俺は侯爵を相応しい場所へと送ってやった。場所はいわずもがなオーククイーンの巣。そこで同族同士盛り上がるが良い。

 そして室内は静かになった。とりあえず俺は姿を現し、兵士の亡骸をダンジョンの適当な場所に転送する。そして汚い室内を魔法で浄化してやった。

 俺はまず王女に話し掛けた。

「お~い、助けにきたぞ。俺がわかるか? 改革派の者なんだが……」

 王女は反応を示さない。どうやら壊れてしまったらしい。次に俺は王妃に話し掛ける。

「王妃様、無事……じゃないっすよね。助けに来ましたよ」
「あな……たは……」
「公爵の依頼で来た邪神国国王ジェイドだ。今身体を綺麗にしてやる。動くなよ?」

 俺は王妃の胎内にあった汚いモノを体外へと転送し、時魔法で王妃を十歳くらい若返らせてやった。

「……わ、私……。な、なにかしら……。肌が若返っているような……」
「身体の時間を巻き戻したんだよ。今王妃様は十歳若返ったんだ」
「え? じゃあ私今さんじ……こほん。二十代に!?」

 こいつ今サバよみやがったぞ。

「ま、まぁそうですね。とりあえず服を着て逃げる準備を。王女も綺麗にしたら一度改革派のアジトに飛びます」
「服……。そんなものここには……。着ていたものは破り捨てられてしまいましたし……」
「ならこれを」

 俺は異次元ボックスから適当にドレスを取り出し王妃に渡した。

「……あ、あの。これ……いくらするのでしょう……。物凄く高そうなのですが……」
「さぁ。ダンジョンで拾った装備品なので。要らないんであげますよ」
「あ、ありがとうございます……」

 王妃がドレスを装備している間に俺は王女を見る。

「さてどうするか。とりあえず【記憶操作】しておくか。まずは身体を綺麗にして……と」

 俺は王女の身体を洗浄し、新品まで戻した。

「記憶は……ヤられる前でいいかな。【記憶操作】」
「う……」

 王女は記憶操作の弊害で眠りに落ちた。俺は王女にもドレスを着せ、腕に抱きかかえる。そして王妃に話し掛けた。

「さあ、逃げましょうか。王妃様、俺に掴まって下さい」
「は、はい……。こうでしょうか?」

 王妃が俺の腕に掴まる。

「では転移します。【転移】!」

 俺は二人を連れ改革派のアジトへと戻った。

「え? い、今のは?」
「おぉぉぉ! お、王妃様? いや、なんか若いような……」
「あら、公爵……? じゃあここは本当に……。あと、私は最初から若いじゃないですか、公爵。処しますよ?」
「こ、これは御無礼をっ!」

 王妃がコロコロと笑う。

「助かったのですね……。あの地獄から……」
「ん……あ……お、お母……さま……」
「あら、目を覚ましたの? ユーリ、私達助かったのよ!」
「助かっ……た? あっ! わ、私達侯爵と兵士に! ってあんた誰よっ! なんで私抱かれて……! は~な~せ~!」

 そう言って暴れる王女を床に降ろす。

「も、申し訳ありませんジェイド様。どうやら娘はまだ混乱しているようで……」
「ま、無理もないさ。記憶を弄ったとは言え滅茶苦茶にされてたからな」
「滅茶苦茶……。あっ! わ、私侯爵に犯され……!」

 王女の顔が真っ青になる。

「大丈夫よ、ユーリ。ジェイド様が助けてくれたの。あなたの純潔は守られてるわ」
「嘘……。でもお母さまは確か私より先に……ってなんか若くなってない?」
「気のせいよ。それよりジェイド様。夫は……」
「ああ。今からもう一度城に戻る。どうやらかなり危ないらしい。公爵、二人を休ませてやってくれ。俺はもう一度城に……」
「お待ち下さい!」
「あん?」

 王妃が俺を止める。

「地下にいるのは拷問伯爵と呼ばれている【オズボーン伯爵】です! 彼は王の次にレベルが高く……!」

 俺は王妃に言った。

「そんなん雑魚だ雑魚。俺のレベルは一万以上あるからな。今王を連れてくるから待ってな。【転移】」
「あっ! ジェイド……様……」

 そう言い残し、俺は再び王城の一階へと戻るのであった。
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