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第一章 異世界転移編

07 真白TUEEEEEEEE!!

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 ふと我にかえり真白の服をどうしようかと考えていると、戦闘メイドことパーラが音もなく現れた。

「八神様、真白様へこちらを……」

 パーラの手には真白用の服らしきものがあった。青いノースリーブシャツにグレイのショートパンツ、レザーブーツとレザーグローブみたいだ。下着類は……キャミソールと……縞模様のパンツか。

(……ぐふぅっ。この有能メイドめ、中々やりおる)

 パーラが少し離れて真白に服を着せている。よし、今の内に真白を【絶対解析】で見ておくとしよう。


★名前:八神 真白
LV:50
HP:5000/5000
燃料:50/60L
魔法適性:なし
スキル:【格闘術LV5】【剣術LV5】【瞬歩】【自動修復】【収納】 



「……真白TUEEEEEE!! 前衛タイプか? MP消費した分がレベルになるのかもしかして! これ……俺が強くなったら真白も強くなるってことなのか? こりゃチートだなぁ……」

 枢が真白の強さに驚愕している頃、パーラは真白に服を着せていた。

「ふはっ……可愛いわぁぁぁぁぁ~……ハァハァ……!」 
(うん……見なかったことにしよう。アレは触れちゃいけない闇だ。下手したら命に関わる。俺は何もミテナイヨ)

 有能メイドさんの意外な一面を知った枢だった。あれは深く追求しないでおこう。そう肝に命じていると、どうやら真白の着替えが終わったようだ。
 真白は枢に駆け寄り尋ねた。

「……マスター、服……貰った。……似合う?」
「ああっ、似合ってるぞ真白。とてつもなく可愛いっ!」
「……ん! マスターに誉められると……ポカポカする……」
「可愛いデス~☆ 真白お姉ちゃん!」

 リミラが真白に抱きつくと、パーラは鼻血を出してぶっ倒れていた。

「まさに神だ、俺は異世界で神車を手に入れたっ! ブラボォォォーッ!!」

    おっと、浮かれている場合じゃない。よし。じゃあ真白の能力について一通り見ていくか。

「真白、今から質問していくから。分かる範囲でいいから答えてくれ」
「ん、リョーカイ……マスター」
「ふむ。まずは、どれだけ動けるか試してみてくれるか? そうだな……あそこにある樹をおもいっきり殴ってみてくれ」
「リョーカイ……ふっ……!」

 真白が一瞬消えた、ように見えた。次の瞬間ドゴォッと物凄く重い打撃音が聞こえ、立派だった太い樹は真っ二つに割れ、左右に倒れていた。

「……むふー、真白は……560馬力です!」

    得意気に勝ち誇っていた。あれは……ヤバイな。【瞬歩】か。攻撃力=エンジン出力か? 【自動修復】があるから怪我もなしと……。色々弄ってて良かったのかな、これは。

「おーい、真白戻っておいでー」
「……ん! マスター……真白凄かった?」
「おぉ、凄かったぞ! 強いな真白は~」

 ナデナデ。

 むふーと言いながら腕に抱きついてきた。枢はヨシヨシと誉めてあげ、次の質問をした。

「なぁ、真白。スキルに【収納】ってやつがあるんだが、何か分かるか?」
「ん。多分……トランク部分と……車内に入る分だけ荷物を持てる。出し入れしたい物を……手に持って念じれば……オケ。後、生き物は入らない……みたい」
「なるほど。制限ありのアイテムボックスみたいなものか。中身の時間経過はどうだ?」
「……ん、ちょっと待つ。……車内の時計が動いてる……みたい。普通に時間は経過する……みたいだよ?」
「そうか、分かった。ありがとう真白。あ、後一つ。真白はエネルギーってどうしてるんだ? 車だった時はガソリンだったが……」
「……わからない。さっき人になった……ばかり。検証が必要」
「そっか、ふむ……パーラさん、少し休憩にしようと思うので真白が何か軽く食べられる物をお願いします」
「はっ、ただいまっ……」

 そう言い姿を消した数分後、ガレージの横にテーブルセットとティーセット、ケーキが並べられていた。

「こちらを真白様とリミラ様に、ささっどうぞ。あ、八神……じゃ被りますね。枢様は珈琲だけでいいでしょう」

 何故か俺の扱いが酷い。まぁ、甘いモノはあまり得意ではないからいいが。
 リミラと真白は美味しそうにケーキを食べていた。そこは女の子なんだなぁと微笑ましかった。
 おっと、和んでる場合じゃないなと。スキル【絶対解析】。


名前:八神 真白
LV:50
HP:5000/5000
燃料:55/60L
魔法適性:なし
スキル:【格闘術LV5】【剣術LV5】【瞬歩】【自動修復】【収納】 


 燃料が増えてますね、はい。どうやら人化した時にカロリー摂取すると増えるみたいだな。ガソリンの心配がいらないって最高じゃないか。そもそもこの世界にガソリンなんてあるわけないしな。良かった。どうやら家の子はとんでもなくハイスペックらしい。

 真白の検証を終え、枢は初めてケーキを食べて喜ぶ真白を見て微笑むのであった。 
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