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ちびモフモフは、目の保養。

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 温かいスープをかき混ぜながら、愛しい家族へ「もう、ご飯よ?」って、声をかける。

「はーい」

 可愛い返事から、しばらくして現れたのは、モフモフな旦那様とそこに群がるモフモフな子どもたち。

 最高に幸せな時間。

「目の保養……。ちびモフモフが可愛すぎる……」

 そこから急速に目が覚めていく。
 今、確実に寝言を口に出していた。

「セリーヌ? 俺たちの子どもは、モフモフじゃない方がいいな……」

「……私はきっと、モフモフでもそうでなくてもどの子も可愛いと思います」

「起きているなら、目を開けてくれるかな? 心配していたんだから」

 おかしな寝言で目が覚めてしまって、羞恥心いっぱいで目を開ける。でも、予想に反して目の前の人は、幸せそうに微笑んでいた。

「あの、あれからどうなったんですか?」

「うーん……。とりあえず、セルゲイに捕獲されたアイリ嬢に、なぜお揃いなのかと尋ねられたな」

 うん、半分聞きたかったけど、半分はどうでもいいかもしれない。

「エルディオ殿下は……まあ、元気そうだった」

 エルディオ殿下は、他人に対して弱みを見せないせいでいつもそれなりに元気に見える。つまり、調子がいいのか悪いのかどちらかは分かりかねる。

「……ベルン様。私のこと怒らないんですか」

「どうして?」

「勝手なことばかりして、迷惑かけて」

「俺の好きなセリーヌなら、そうするだろうって、想定の範囲だったから、怒ったりしない」

 うぐ……。ずるいです。好きになる一方で困ります。

「それよりも、セリーヌが見ていた夢が気になるな。モフモフの子どもがいるってことは、幸せな家庭を築いていたのかな?」

「……当たり前です」

 私の顔は、リンゴみたいに赤く色づいてしまっているだろう。でも、今回は一方的に照れたりしない。

「夢の中で、モフモフなベルン様と一緒に、幸せな家庭を築いてました」

 それは、幸せすぎて泣きたくなってしまうくらい愛しい。そして、予想外だった。いつもなら、そんな言葉に照れてしまうか、はぐらかすはずのベルン公爵が、その顔を歪めるなんて。

「ああ。その未来に……セリーヌと一緒にいたい」

「……叶えましょう」

「……そうだな」

 どちらともなく、近づいた二人の距離と唇。
 きっと、その未来に私たちはたどり着く。

 そしてその未来では、きっとみんなが幸せそうに笑っているはず。

「でも、俺はやっぱりセリーヌに似た子どもがいいかもしれない」

 私の髪の毛の色は紫なので、かなり奇抜なモフモフになりそう。
 ふと、そんな未来が脳裏に浮かんだ。
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