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神様のバカあ!
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マーズ帝国は進軍により近隣の国を併合して巨大になった国である。
様々な異文化を吸収し、多国籍国家になった。
自ずと技術革新は進み、緑地や自然は保護しつつもビルが立ち並ぶような、この世界では異質な近未来都市。
そもそも近隣諸国を併合したのは、『転生者』であるアポロ王子が我慢ができなかったからである。
土壌にあわない作物を育てさせておきながら、収穫が悪いと文句を言う権力者。
下水対策さえ施さず、民を病で苦しめる権力者。
自分の懐は温めて富を一転集中させ、高い税金で苦しめる権力者。
平和と平等の教育を受けた者としては、よその国とはいえとても黙って見ていられなかった。
ああもう!見てられん!俺に任せろ!!となり、開城させて併合した結果。
マーズ帝国は大帝国となり、
ついた字名が『マーズ帝国の軍神』。
でもでも、周りの国に誤解されているけどこれだけは言いたい。
国民は今の方が幸せそうだよ!
ひとまず国に戻ると、街頭からは国民がにこやかに手を振る。
だが、なぜか笑えないのだ。
どういうことだろうか。
昔、役者をやっているとき、役に入り込むとこんな感じだった。
『帝国の王太子』をやっていると、言い回しや態度が自然と威圧的になってしまう。
困ったものである。
「ただいま帰りました。」
城に入り、父親である陛下と妃殿下に挨拶をする。
「うむ。して、どうであった。」
「婚約をしてまいりました。相手は齢12の子ども。アクア=トゥ=エトランジェ。賢く美しい者です。さすがにすぐには婚姻は難しいと思いましたので。」
「見つかったのならよい。おめでとう。」
「近いうちに連れて来て頂戴ね。」
「それでは、私は部屋へ戻ります。」
かちゃ。
自室に入ると、扉が三重。
鍵をかけて、やっと私は『俺』になる。
「っはぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!やっと会えたぁあああああああああ!!」
ベッドにダイブしてコロコロと、枕を抱きしめて転がる。
「しっかし、前世のことを言おうとしたら死にかけるなんて…。全く神様ときたら…。神様のばかぁ!!」
俺は、13年前に夢の中で出会った神のことを考えていた。
俺のプロデュースで霧を立派に育てようとしていた。
ともに夢を見ていた。
夢半ばで病に倒れて…。
病床であの子は俺のためにアカデミー賞を獲ると約束してくれた。
それなのに、よりによってアカデミー賞の授賞式に出るために乗った飛行機が墜落するなんて。
夢の中で、神は彼の死にざまを教えてくれた。
俺はどうしてももう一度、霧に会いたくて。同じ世界に転生させてほしいとお願いをしたんだ。
本来、そんなお願い許されない。
そもそも、神が霧のことを俺に伝えたのだってイレギュラー。
だから、その代わりに神は制約をかけた。
自分の前世を彼に伝えてはいけない。
伝えようとしたならば、俺は死ぬのだ。
大丈夫。
この世界に生きるアポロとして、アクアと人生をやり直す。
「うふふ♡今度こそ幸せになろうねっ。」
ぎゅうっと抱きしめた枕にキスをした。
そうと決まったら彼のためにプロダクションを作って…。
それから………。
君はステージでこそキラキラ輝く。
もっと輝いている君が見たい。
様々な異文化を吸収し、多国籍国家になった。
自ずと技術革新は進み、緑地や自然は保護しつつもビルが立ち並ぶような、この世界では異質な近未来都市。
そもそも近隣諸国を併合したのは、『転生者』であるアポロ王子が我慢ができなかったからである。
土壌にあわない作物を育てさせておきながら、収穫が悪いと文句を言う権力者。
下水対策さえ施さず、民を病で苦しめる権力者。
自分の懐は温めて富を一転集中させ、高い税金で苦しめる権力者。
平和と平等の教育を受けた者としては、よその国とはいえとても黙って見ていられなかった。
ああもう!見てられん!俺に任せろ!!となり、開城させて併合した結果。
マーズ帝国は大帝国となり、
ついた字名が『マーズ帝国の軍神』。
でもでも、周りの国に誤解されているけどこれだけは言いたい。
国民は今の方が幸せそうだよ!
ひとまず国に戻ると、街頭からは国民がにこやかに手を振る。
だが、なぜか笑えないのだ。
どういうことだろうか。
昔、役者をやっているとき、役に入り込むとこんな感じだった。
『帝国の王太子』をやっていると、言い回しや態度が自然と威圧的になってしまう。
困ったものである。
「ただいま帰りました。」
城に入り、父親である陛下と妃殿下に挨拶をする。
「うむ。して、どうであった。」
「婚約をしてまいりました。相手は齢12の子ども。アクア=トゥ=エトランジェ。賢く美しい者です。さすがにすぐには婚姻は難しいと思いましたので。」
「見つかったのならよい。おめでとう。」
「近いうちに連れて来て頂戴ね。」
「それでは、私は部屋へ戻ります。」
かちゃ。
自室に入ると、扉が三重。
鍵をかけて、やっと私は『俺』になる。
「っはぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!やっと会えたぁあああああああああ!!」
ベッドにダイブしてコロコロと、枕を抱きしめて転がる。
「しっかし、前世のことを言おうとしたら死にかけるなんて…。全く神様ときたら…。神様のばかぁ!!」
俺は、13年前に夢の中で出会った神のことを考えていた。
俺のプロデュースで霧を立派に育てようとしていた。
ともに夢を見ていた。
夢半ばで病に倒れて…。
病床であの子は俺のためにアカデミー賞を獲ると約束してくれた。
それなのに、よりによってアカデミー賞の授賞式に出るために乗った飛行機が墜落するなんて。
夢の中で、神は彼の死にざまを教えてくれた。
俺はどうしてももう一度、霧に会いたくて。同じ世界に転生させてほしいとお願いをしたんだ。
本来、そんなお願い許されない。
そもそも、神が霧のことを俺に伝えたのだってイレギュラー。
だから、その代わりに神は制約をかけた。
自分の前世を彼に伝えてはいけない。
伝えようとしたならば、俺は死ぬのだ。
大丈夫。
この世界に生きるアポロとして、アクアと人生をやり直す。
「うふふ♡今度こそ幸せになろうねっ。」
ぎゅうっと抱きしめた枕にキスをした。
そうと決まったら彼のためにプロダクションを作って…。
それから………。
君はステージでこそキラキラ輝く。
もっと輝いている君が見たい。
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