暗殺者は王子に溺愛される

バレンタインデー ボヌールの場合

シェフに作り方を教えて貰って、チョコを作るぞ！と思っていたら、お父様がつーとやってきた。


「そうかーチョコかー、バレンタインデーだもんなー。お父様もお世話になった方に作ろうかな！お世話になった方に!!」

「ふふふ。楽しいですわね。」
ミリア様は端でチョコレートケーキを焼いている。
並行してクッキーも焼いているみたい。

あれは、お兄様にかな。

よかったね。

聖女が目覚めてから、お兄様を頼ってお客様が多いんだよね。

ミリア様が料金設定して、お金取ったり、依頼を捌いてくれるから、変なお客様はいないんだけど、困っている人って多いんだな。

とても疲れているから、クッキー嬉しいだろうな。


ー２月14日ー


サンダルフォン家にデューク様に渡しに行くといったら、お父様もついてくるって。

お世話になった方って、デューク様のお父様だったんだね。


「デューク様。これ、初めて作ったから上手にできてないかもしれないけど、自分史上一番頑張ったから。大好きです。」

特に模様つけたり、包装するのがたいへんだった……。

「ボヌール～！」


感極まったデューク様は、ギュッと抱きしめてくれた。

顔を赤くして、軽いバードキス。

嬉しいな。


気がつくと、お父様がチョコを宰相に渡して、宰相はつれない様子で受け取って下さったようだ。


つれないようだけど、宰相は少し笑っているみたいだし、お父様は顔をほころばせている。

よかったね。