【完結】美貌のオメガは正体を隠す

竜鳴躍

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早く卒業してしまいたい

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ことあるごとに話し掛けてくる男たち。

さすがうちの大学に通う学生は問題行動の手前で止まってくれるからいいものの、普通ならどっかの部屋に押し込まれたり、ホテルに連れて行かれてるだろう。
拉致監禁凌辱。

オメガにとってよくあるキーワードだ。

トップの大学で良かったあ………。
みんなここにきて、人生棒に振るマネはしたくないもんな。


でも、毎回あしらうのがメンドクサイ。ウザイ。
 

西野の言うこともよく分かる。
西野はオメガだけど、番がいて既婚者らしい。
番がいるからフェロモン感じないんだ。
きっと彼女も色々あったんだろうな。



北村は講義中で、皆がお昼に入る前にスカスカの学食で早めの昼食。

うどんを啜っていると、その男は現れた。



「やあ、ココ。いいかな?」


「…………どぞ。」

食ってるのに話しかけるなよ。


「俺、四年の氷室和哉。髪、綺麗な蜂蜜色だね。」

「………」

「仲良くなりたいな、君と。」


ガタッと立ち上がり、食事を切り上げる。


「言っときますけど、俺はそういう相手はしませんから。」



ああもう、嫌だ。
この前期で単位全部取ってしまおう。

一刻も早く卒業してしまいたい。
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