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伯爵家の次男でした
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「リリアン様はお目覚めかしら~♪」
鼻歌を歌いながら誰かがやってくる。
やべっ。
俺は体をゆすって寝床に落ちた花やダイヤモンドの粒を飛ばした。
お、落ちたかな…。せめて丁度いい感じに散っていてくれるといいんだけど。
うわぁドキドキする…。
この世界の人間がみんなこんなビックリ人間だったらいいんだけど………おそらくだけど……転生者特典のチートな予感がするんだよ。
ラノベ読みすぎかなぁ!?
ぼんやりとした視界だが、たぶんメイド服を着た女性。
若い、気がする。
その彼女がなにか布をたくさん抱えて入って来た。
恐らく彼女は乳母で、布は俺の服とかオムツとかなのだろう。
「よいしょ、と。」
顔まで積んだ布をいったんどこかへ置いたらしい彼女は、ベッドの俺を覗き込む。
ピンク色の髪、狸顔と呼ばれる人懐っこそうな顔。ガーリーな服が似合いそう。
実年齢は分からないし、乳母ってことは既婚者なのだろうけど、中世ヨーロッパくらいだったら結婚がそもそも早そうだからな。
全然、ロリータファッションでもいけそう。
「あら嫌だ!誰よもう、リリアン様のベッドに花やら石やらとっ散らかして。やだ~これ硝子ぅ?危ないじゃないの、もぉ~!」
ダイヤモンドが硝子か。この子はそこまで裕福な出じゃないみたいだな。
それに、当然に俺のカラダから出たものだと考えないってことは、やっぱりこれは俺だけの特異体質なんだ。
彼女はベッドを綺麗にしてほほ笑むと、俺を抱き上げた。
「リリアン様、元気になってよかったですねぇ。最初は息をしていなかったんですよ?お母さまもまだお休みになっていますから、お母様がよくなったらお会いしましょうね。」
ぷちぷちと外された胸元。たわわ!
甘いミルクの匂いがする…。
本能に抗えず乳をふくむと、彼女は勝手に俺のことを話してくれた。
「リリアン様のお父様はお城でお仕事をしている立派な方なんですよ~。伯爵さまなんです。リリアン様のお母様はとってもきれいな方で……。お兄様のコネクト様は、すごく賢くていらっしゃって…。ふっ、双子のお姉さまも元気いっぱいですごく可愛いんですよ。」
なるほどなぁ。
俺は伯爵家の次男で、双子の姉がいて、向こうは元気…。
俺は一時は死にそうだった……、つまりそこで俺が転生したのか。
乳母は切なげにほほ笑むと、俺をげっぷさせて、抱きしめ…。
そしてベッドにまた寝かせた。
「弱く生まれたからなんだっていうんでしょう。男でオメガだったからなんだっていうの。旦那様も奥様もコネクト様も酷い…。」
なるほど。
俺は期待されていない。
中世くらいの文明じゃ、赤ん坊が死ぬのなんて日常茶飯事。
貴族の家といっても、ちゃんと育つかどうか。
一時的にでも心臓が止まったのならなおさらだ。
ありがとう。
乳母さん。
俺に味方がいるってだけでも嬉しい。
…でもオメガ???オメガってなんだっけ…。
うーん。ラノベ界隈で聞いたことある気がするんだけど。
数年が経過し、6歳になったが、俺と家族の仲は険悪だった。
父は、「男がオメガだなんて恥ずかしい。男のくせに子が産めるなど。気持ち悪い。」
母は、「なんでこんな子が産まれたのかしら!コネクトのスペアにだってなれやしない!」
こんな感じの両親だったから、俺は俺の特異体質について、親に明かすのはやめた。
上流貴族らしく、洗練された姿の家族。
両親とも金髪に青い瞳で、俺も兄妹も同じ。
だけど、性格は冷たくて、俺はどうにも家族に溶け込めない。
「おかあさまぁ~!おにいさまぁ!」
隅の方で黙って読書をしていると、ツインテールに髪を結ったピンクとフリルの塊が部屋に入ってくる。
部屋には、明日から学園の寄宿舎に戻るお兄様が両親の向かいで紅茶を飲んでいた。
オリーブは満開の笑顔で紅茶を飲んでいる兄の体に飛び込んでくる。
兄は、さっとティーカップをテーブルの奥に置いた。
「まぁオリーブ!オリーブはお兄様が大好きね。フフッ、微笑ましいわ!」
「ははっ、オリーブはなんて愛らしいんでしょう。あんな不愛想で気持ち悪い男オメガとは大違い。」
俺と同じ顔で、くるくる巻き毛の金髪と青い瞳のフランス人形のような少女は、バラ色の頬をして、見た目だけは童話のヒロインのようだ。
だが、母親に抱かれながら俺のことを見る表情は醜悪。
「きっと私にいいところを全部とられちゃったのよ!私、きっと王子様の御妃様になるわっ!」
「なれますとも!」
俺が体質を明かさず、花も宝石も生まないように無表情に徹しているから、ますます険悪になったのは確かだけれど、そもそもオメガとかいう繁殖能力にたけた第二の性別?優秀なアルファの番になれる性別の男―――――ということで毛嫌いしているのだから、普通にしていたって俺は疎まれていたに違いない。
そんな状況で体質がバレていたら、一生飼い殺しになっていたのだろうから、言わなくて正解。
俺はきっと幸せな結婚なんてできなないだろうし、結婚する気はない。
次男だし、俺はこの家にいてもいなくてもいい。
オメガだから、男の嫁として嫁ぐ可能性が高い。
両親の雰囲気で、ある程度育ったら少しでも高く買ってくれそうな変態に嫁がせようと思って生かしていることがみえみえだけど、前世の記憶で男に言い寄られることに恐怖を感じる。
冷めた目で家族を眺め、最近思っているのは、とっとと家をでようということだ。
宝石を生めるのだから、生活には困らない。
だが、子どものうちは売るのは難しい。
怪しいし、買いたたかれるだろうし、(まあそれでも損はしないけど)うっかりバレて監禁される落ちまで見える。
だから、俺は出入りの業者の弟子として、この家を出ようと思っている!
「奥様、『ビューテ』がいらっしゃいました。お通ししてよろしいでしょうか。」
ビューテ!
うちの出入りのオートクチュール、ドレスショップだ!
「応接間に行くわ。お通しして。オリーブもいらっしゃい。王子様の婚約者になるのなら、うんと可愛くならなくては。」
隅っこで読んでいた本をそそくさと片づけ、呼ばれていないのにささっと応接間までついていくと、俺たちより黄金に近い蜜のような金髪と緑色の瞳の美丈夫二人が待っている。
スーツ姿で紳士の礼をとる彼の名は、グレイシャス=ビューテ。
侯爵家の嫡男ながら、王家も信頼を置くドレスメーカーのオーナー兼デザイナーだ。
そして、その後ろで礼をとる少年はカカ。ドレスのデザイナー見習い。
なんでも遠縁の子らしい。
俺はこの二人が大好き。
二人も、忍び込むように入って来た俺を見て、ほほ笑んだ。
そう、俺はこのお店の弟子になる…。
今日は、その計画の日。
鼻歌を歌いながら誰かがやってくる。
やべっ。
俺は体をゆすって寝床に落ちた花やダイヤモンドの粒を飛ばした。
お、落ちたかな…。せめて丁度いい感じに散っていてくれるといいんだけど。
うわぁドキドキする…。
この世界の人間がみんなこんなビックリ人間だったらいいんだけど………おそらくだけど……転生者特典のチートな予感がするんだよ。
ラノベ読みすぎかなぁ!?
ぼんやりとした視界だが、たぶんメイド服を着た女性。
若い、気がする。
その彼女がなにか布をたくさん抱えて入って来た。
恐らく彼女は乳母で、布は俺の服とかオムツとかなのだろう。
「よいしょ、と。」
顔まで積んだ布をいったんどこかへ置いたらしい彼女は、ベッドの俺を覗き込む。
ピンク色の髪、狸顔と呼ばれる人懐っこそうな顔。ガーリーな服が似合いそう。
実年齢は分からないし、乳母ってことは既婚者なのだろうけど、中世ヨーロッパくらいだったら結婚がそもそも早そうだからな。
全然、ロリータファッションでもいけそう。
「あら嫌だ!誰よもう、リリアン様のベッドに花やら石やらとっ散らかして。やだ~これ硝子ぅ?危ないじゃないの、もぉ~!」
ダイヤモンドが硝子か。この子はそこまで裕福な出じゃないみたいだな。
それに、当然に俺のカラダから出たものだと考えないってことは、やっぱりこれは俺だけの特異体質なんだ。
彼女はベッドを綺麗にしてほほ笑むと、俺を抱き上げた。
「リリアン様、元気になってよかったですねぇ。最初は息をしていなかったんですよ?お母さまもまだお休みになっていますから、お母様がよくなったらお会いしましょうね。」
ぷちぷちと外された胸元。たわわ!
甘いミルクの匂いがする…。
本能に抗えず乳をふくむと、彼女は勝手に俺のことを話してくれた。
「リリアン様のお父様はお城でお仕事をしている立派な方なんですよ~。伯爵さまなんです。リリアン様のお母様はとってもきれいな方で……。お兄様のコネクト様は、すごく賢くていらっしゃって…。ふっ、双子のお姉さまも元気いっぱいですごく可愛いんですよ。」
なるほどなぁ。
俺は伯爵家の次男で、双子の姉がいて、向こうは元気…。
俺は一時は死にそうだった……、つまりそこで俺が転生したのか。
乳母は切なげにほほ笑むと、俺をげっぷさせて、抱きしめ…。
そしてベッドにまた寝かせた。
「弱く生まれたからなんだっていうんでしょう。男でオメガだったからなんだっていうの。旦那様も奥様もコネクト様も酷い…。」
なるほど。
俺は期待されていない。
中世くらいの文明じゃ、赤ん坊が死ぬのなんて日常茶飯事。
貴族の家といっても、ちゃんと育つかどうか。
一時的にでも心臓が止まったのならなおさらだ。
ありがとう。
乳母さん。
俺に味方がいるってだけでも嬉しい。
…でもオメガ???オメガってなんだっけ…。
うーん。ラノベ界隈で聞いたことある気がするんだけど。
数年が経過し、6歳になったが、俺と家族の仲は険悪だった。
父は、「男がオメガだなんて恥ずかしい。男のくせに子が産めるなど。気持ち悪い。」
母は、「なんでこんな子が産まれたのかしら!コネクトのスペアにだってなれやしない!」
こんな感じの両親だったから、俺は俺の特異体質について、親に明かすのはやめた。
上流貴族らしく、洗練された姿の家族。
両親とも金髪に青い瞳で、俺も兄妹も同じ。
だけど、性格は冷たくて、俺はどうにも家族に溶け込めない。
「おかあさまぁ~!おにいさまぁ!」
隅の方で黙って読書をしていると、ツインテールに髪を結ったピンクとフリルの塊が部屋に入ってくる。
部屋には、明日から学園の寄宿舎に戻るお兄様が両親の向かいで紅茶を飲んでいた。
オリーブは満開の笑顔で紅茶を飲んでいる兄の体に飛び込んでくる。
兄は、さっとティーカップをテーブルの奥に置いた。
「まぁオリーブ!オリーブはお兄様が大好きね。フフッ、微笑ましいわ!」
「ははっ、オリーブはなんて愛らしいんでしょう。あんな不愛想で気持ち悪い男オメガとは大違い。」
俺と同じ顔で、くるくる巻き毛の金髪と青い瞳のフランス人形のような少女は、バラ色の頬をして、見た目だけは童話のヒロインのようだ。
だが、母親に抱かれながら俺のことを見る表情は醜悪。
「きっと私にいいところを全部とられちゃったのよ!私、きっと王子様の御妃様になるわっ!」
「なれますとも!」
俺が体質を明かさず、花も宝石も生まないように無表情に徹しているから、ますます険悪になったのは確かだけれど、そもそもオメガとかいう繁殖能力にたけた第二の性別?優秀なアルファの番になれる性別の男―――――ということで毛嫌いしているのだから、普通にしていたって俺は疎まれていたに違いない。
そんな状況で体質がバレていたら、一生飼い殺しになっていたのだろうから、言わなくて正解。
俺はきっと幸せな結婚なんてできなないだろうし、結婚する気はない。
次男だし、俺はこの家にいてもいなくてもいい。
オメガだから、男の嫁として嫁ぐ可能性が高い。
両親の雰囲気で、ある程度育ったら少しでも高く買ってくれそうな変態に嫁がせようと思って生かしていることがみえみえだけど、前世の記憶で男に言い寄られることに恐怖を感じる。
冷めた目で家族を眺め、最近思っているのは、とっとと家をでようということだ。
宝石を生めるのだから、生活には困らない。
だが、子どものうちは売るのは難しい。
怪しいし、買いたたかれるだろうし、(まあそれでも損はしないけど)うっかりバレて監禁される落ちまで見える。
だから、俺は出入りの業者の弟子として、この家を出ようと思っている!
「奥様、『ビューテ』がいらっしゃいました。お通ししてよろしいでしょうか。」
ビューテ!
うちの出入りのオートクチュール、ドレスショップだ!
「応接間に行くわ。お通しして。オリーブもいらっしゃい。王子様の婚約者になるのなら、うんと可愛くならなくては。」
隅っこで読んでいた本をそそくさと片づけ、呼ばれていないのにささっと応接間までついていくと、俺たちより黄金に近い蜜のような金髪と緑色の瞳の美丈夫二人が待っている。
スーツ姿で紳士の礼をとる彼の名は、グレイシャス=ビューテ。
侯爵家の嫡男ながら、王家も信頼を置くドレスメーカーのオーナー兼デザイナーだ。
そして、その後ろで礼をとる少年はカカ。ドレスのデザイナー見習い。
なんでも遠縁の子らしい。
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二人も、忍び込むように入って来た俺を見て、ほほ笑んだ。
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