義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。

竜鳴躍

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最悪な目覚め

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「リーゼロッテ様。王女様。」

「ん………。」


シンの声で目が覚める。

ここはどこかしら。


「シン……。」

「リーゼロッテ様。僕たちは拐われたようです。僕は寝たふりをして様子を窺っておりました。人通りの少ない空き家に連れ込まれたようですが、城からさほど離れてはおりません。脱出しましょう。」

「ありがとう。シン。貴方って見た目と違って男らしいのね。私のために態と一緒に捕まってくれたのね。」

「女とか男とか見た目とか、あまり関係ありませんよ。」

「そうよね………。」



シンが自分の縄を解き、リーゼロッテの縄に手をかけた。


グイッ!

「痛っ!」


リーゼロッテの身が引きずられ、引き寄せられる。

そこには、熊のように大きな、無精髭でギラついた目の男が立っていた。

「カタ………ルシス、王子ッ。」

リーゼロッテは、自分を捉えた男に驚愕した。


「私に今更何の御用かしら!あの男爵令嬢と子をもうけたのでしょう!」

「あんなアバズレ!私は騙されたのだ。腹の子は騎士団長の息子の子だ!アレは身分が高い男全員に股を開いていた。廃太子になったら、すぐに本性を現して…………ッ。あんな女のせいでっ、みんな、身を滅ぼしたッ!」

「はっ!馬鹿な男ね!」

「私に子はいない、だから復縁しよう、リーゼロッテ!そうすればきっと、私達は身を立て直せる!」

「バカね、子がいるいないじゃないわ!ハニートラップに引っかかるような男なんて願い下げよ!」

男がリーゼロッテの頬を打った。


「リーゼロッテ様!! リーゼロッテ様を離せ!」


「ほお。お前か、ついでに捕らえてきた男というのは。なかなか美しいじゃないか。気にいった。リーゼロッテがその気にならないなら、お前をいたぶってやろう。目の前でお前がいたぶられれば、私の言うことを聞く気になるだろう。」


「やめて、その子は弟の大切な!」

リーゼロッテは、捕らえてきた男たちに渡されて拘束される。
男は三人いた。

「ひひ、よーく見てるんだ。」


「リーゼロッテ様には手を出すな!」

「シン!!」

「リーゼロッテ様、きっと機はあります。僕なら平気です。王族のために体が張れなくて、なんの貴族ですか。」

「シン!」

リーゼロッテは、イヤイヤと泣きながら頭を振る。


「ふふ、いい心がけだ。男は初めてだが、お前くらい美しければ楽しめそうだ。」

体を床に倒される。




ロイ、なくかな。
怒るかな。


ロイ。


男に嫌悪する。


ロイに触られても、ドキドキするだけなのに。

いやだな。

でも。
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