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リーゼロッテお姉さまの結婚式

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いくらなんでも王太子がずっと城を留守にするわけにはいかない。

ロイは公爵家での生活を終えて、城に戻り。

季節は過ぎて春が来て。


リーゼロッテ様とスノー王子の結婚式の日がやってきた。

ブリザード王国でも式をするけれど、まずはこの国で式をして、それからむこうでやるらしい。


ブリザード王国はバスティン王国から遠い。

遠隔投影魔法で向こうの陛下と妃殿下は映像で参加する。



がっしりした大柄で豪快な銀髪の陛下とスノー王子そっくりの美しい妃殿下。

陛下同士、王妃同士で会話に花が咲いている。

「うちの王太子のロイと、婚約者のシン=オレリアン公爵ですわ。」



「ブリザード陛下、初めまして。」

ロイが挨拶し、僕も続いた。


『初めまして、こちらでの式にはお二人が陛下の名代として出席してくださるとか。楽しみにして待っていますね。』


「はい。」

ロイは僕の腰を抱いて、挨拶をした。



触れてくれるようになって、嬉しい。





はやく…やりたいなぁ……。

僕、めちゃくちゃ勉強してるんだけど。

何なら蜜月はずっとベッドでイチャイチャしていたいくらい。

ロイは性欲薄いのかな。

僕たちってそういう年頃じゃないんだろうか。





ふいに見上げると、ロイと目があった。
また、すぐ赤くなるんだからあ。








「おめでとう!」

「おめでとうございます!」

国民が大聖堂に集まって、花を撒く。



「ありがとう!」


「王女!拾い食いして腹壊すなよ!」

「下着姿で部屋をうろついたらだめですよ!」


「もう!みんな!やめてよ!」



隣の王子が笑っている。




「大丈夫だ!リーゼロッテは必ず俺が幸せにする!」



スノー王子が馬車で立ち上がって手を振ると、ひときわ大きな歓声が起こった。









厳しい冬を過ぎたとはいえ、ひんやりした気候のブリザード王国。

スノー王子が用意した防寒具を羽織り、彼らと一緒にかの地へ向かう。


ブリザード王国へは、特殊な船で。

氷を砕いて溶かすような機能が船についているらしい。


「風、冷たいけど気持ちいいね。」

「そうだな。」


もこもこコートのシンは可愛い。袖から指先かわいい。


今頃新婚の姉夫婦は初夜か。

姉は出戻りとはいえ、式の最中に離縁して初夜はまだだったから、生娘だ。


スノー王子は私と違ってうまくやれるんだろうな。



向こうに招かれている間に、コツを聞いてみてもいいかもしれない。

男同士でも異性間でも、肝心なところは変わらないはずだ。


「ねえ、スノー王子が僕たちの部屋、同じ部屋にしてくれたみたい。温泉が出るんだって!僕、初めて!地下からお湯の状態で湧いてるんだって~!神秘だよね~!」


シンはぴっとりと私の腕に腕を絡めている。

飛ばされてしまいそうだから、私もシンの背中に手を回して、腰を掴んでいる。


触れるところまではどうにかできるようになった。


「この……公務中に……。ぼく、ほしい。」



ぐはっ。


鼻血拭きそう…!



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