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人には向き不向きがある
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世の中にはいろんなセンスってものがあるが、どうやらそれはいじめにもあるらしい。
グローリアちゃん率いるモフモフ3連星は、そりゃもうびっくりするほどいじめのセンスがないのだ。
最初の机の上にブーケと、足ひっかけ。
完全に自爆だったあれが、一番いじめっぽかった。
あの3人は育ちがいいうえに、基本的に善人なのだ。
細かい嫌がらせは続いているようだが……よーく気を付けていないと認識すら困難なのである。
えー、いじめの古典である靴に画びょう。
これをモフモフが実行しようとしたらしい。
基本的に靴は履き替えないんだが、体育の時には運動用の靴に履き替える。
着替えを入れているロッカーあたりでごそごそしていたので、やりやがったなと確認に行ったところ……
運動靴のつま先にみっちりときれいな模様の紙を丸めたものが入っていました。
シューズキーパーかよ!
画びょうがやりすぎと思うんなら、せめて紙屑ぐらい入れろや。
こんなのどう転んでも靴履こうとして、ちょっとびっくり止まりだぞ。
……とりあえず紙はそのままにしておきました。
シューズキーパーとして優秀なので。
さて、次はちょっと離れた隙に俺の席で何かしているのを発見。
しかし、戻ってみても何もされた様子がない。
近くの席の子に何をしていたのかこっそり聞いてみると……机の下のボックスに入れてた教科書ひっくり返してたって。
ごめん、気づかない。
気づけない、それ。
そもそもいじめのつもりなの? それ。
他にもいろいろされていたようなのだが、なんとか認識できたのは、この2つだけである。
なんか、ねぇ、もうちょっと根性入れろや!
と、こっちから言いたくなるレベルだ。
さすがの三人も気づかれないのはまずいと思ったらしく、耳を突き合わせて作戦会議をはじめたようである。
「ちょっと、あの子おおらかすぎるんじゃないの!?」
「ですから、もう少し思い切ってやらなきゃダメなんすよ」
「そうですよー。あんなのわたしだって平気ですしー」
作戦会議はいいが、こそこそやってるつもりで丸聞こえなんだけど?
こうやって陰口をわざと聞かせる作戦……ではないな。
絶対天然だ。
「じゃ、じゃあ、どうしたらいいのよ!」
「うーん、靴隠すのとかどっすか?」
イルマちゃん、さすがわんこっぽい提案だ。
ものを隠すのは、いじめの定番だもんな。
「隠すのはー、いいねー。教科書とかも隠す? あとー、いたずら書きとかー」
ラウラちゃん。
ぽややんとしているようで、君この中では一番センスあるね。
そう、そんな感じで!
もはや、自分へのいじめを応援したくなるほどに、このモフモフはヘッポコだ。
「それはだめよ」
グローリアちゃんは、なぜかなかなかいい提案を、バッサリ。
なんで?
「あの子辺境領主の娘なのよ。私たちと違って貧乏なんだから、万が一靴や教科書がなくなったらどうするの? 買いなおすのも大変でしょ」
んん?
「足を引っかけるのもダメね。ちょっとよろけるだけかと思ったのに、あれじゃ転ぶかもしれないもの。危ないわ」
んんー?
「確かにー。痛いのはダメよねー」
「あ、じゃあ、給食の時に嫌いな小皿押し付けるとかどっすか!」
「そ、そこまでひどいことしなくてもいいのよ!」
いや、それ慌てるほどひどいことじゃないと思うんですが?
ダメだこの子たち。
いじめをするのに根本的に向いてない!!
「こんな小姑がいる所にお嫁に行きたくないって思わせるだけでいいんだから!」
俺も結婚はぜひとも回避したいところなので、話し合えれば頂ければ共同戦線はれそうでは?
「だったらー、どうするのー?」
「このままじゃ、お兄さん取られるっすよ?」
「こうなったら……あたしの本気、見せつけるまでよ!」
……なんか、面白そうなので結婚に乗り気じゃないことはもう少し黙ってることにしよう。
グローリアちゃん率いるモフモフ3連星は、そりゃもうびっくりするほどいじめのセンスがないのだ。
最初の机の上にブーケと、足ひっかけ。
完全に自爆だったあれが、一番いじめっぽかった。
あの3人は育ちがいいうえに、基本的に善人なのだ。
細かい嫌がらせは続いているようだが……よーく気を付けていないと認識すら困難なのである。
えー、いじめの古典である靴に画びょう。
これをモフモフが実行しようとしたらしい。
基本的に靴は履き替えないんだが、体育の時には運動用の靴に履き替える。
着替えを入れているロッカーあたりでごそごそしていたので、やりやがったなと確認に行ったところ……
運動靴のつま先にみっちりときれいな模様の紙を丸めたものが入っていました。
シューズキーパーかよ!
画びょうがやりすぎと思うんなら、せめて紙屑ぐらい入れろや。
こんなのどう転んでも靴履こうとして、ちょっとびっくり止まりだぞ。
……とりあえず紙はそのままにしておきました。
シューズキーパーとして優秀なので。
さて、次はちょっと離れた隙に俺の席で何かしているのを発見。
しかし、戻ってみても何もされた様子がない。
近くの席の子に何をしていたのかこっそり聞いてみると……机の下のボックスに入れてた教科書ひっくり返してたって。
ごめん、気づかない。
気づけない、それ。
そもそもいじめのつもりなの? それ。
他にもいろいろされていたようなのだが、なんとか認識できたのは、この2つだけである。
なんか、ねぇ、もうちょっと根性入れろや!
と、こっちから言いたくなるレベルだ。
さすがの三人も気づかれないのはまずいと思ったらしく、耳を突き合わせて作戦会議をはじめたようである。
「ちょっと、あの子おおらかすぎるんじゃないの!?」
「ですから、もう少し思い切ってやらなきゃダメなんすよ」
「そうですよー。あんなのわたしだって平気ですしー」
作戦会議はいいが、こそこそやってるつもりで丸聞こえなんだけど?
こうやって陰口をわざと聞かせる作戦……ではないな。
絶対天然だ。
「じゃ、じゃあ、どうしたらいいのよ!」
「うーん、靴隠すのとかどっすか?」
イルマちゃん、さすがわんこっぽい提案だ。
ものを隠すのは、いじめの定番だもんな。
「隠すのはー、いいねー。教科書とかも隠す? あとー、いたずら書きとかー」
ラウラちゃん。
ぽややんとしているようで、君この中では一番センスあるね。
そう、そんな感じで!
もはや、自分へのいじめを応援したくなるほどに、このモフモフはヘッポコだ。
「それはだめよ」
グローリアちゃんは、なぜかなかなかいい提案を、バッサリ。
なんで?
「あの子辺境領主の娘なのよ。私たちと違って貧乏なんだから、万が一靴や教科書がなくなったらどうするの? 買いなおすのも大変でしょ」
んん?
「足を引っかけるのもダメね。ちょっとよろけるだけかと思ったのに、あれじゃ転ぶかもしれないもの。危ないわ」
んんー?
「確かにー。痛いのはダメよねー」
「あ、じゃあ、給食の時に嫌いな小皿押し付けるとかどっすか!」
「そ、そこまでひどいことしなくてもいいのよ!」
いや、それ慌てるほどひどいことじゃないと思うんですが?
ダメだこの子たち。
いじめをするのに根本的に向いてない!!
「こんな小姑がいる所にお嫁に行きたくないって思わせるだけでいいんだから!」
俺も結婚はぜひとも回避したいところなので、話し合えれば頂ければ共同戦線はれそうでは?
「だったらー、どうするのー?」
「このままじゃ、お兄さん取られるっすよ?」
「こうなったら……あたしの本気、見せつけるまでよ!」
……なんか、面白そうなので結婚に乗り気じゃないことはもう少し黙ってることにしよう。
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