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グローリアちゃんの本気
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なにやらグローリアちゃんの本気を見せつけられることになったようだが、数日は非常に平和であった。
……いや、ずっと平和だったな。
昼食の時のクスクスひそひそは続けてくれていいのに、ぱったりなくなってしまった。
さっさと食事を済ませると、おしゃべりもそこそこに机にかじりついている。
そろそろいじめ(?)を再開してくれないと寂しいぐらいだ。
なので、三人がお耳ピコピコさせながらやって来た時には、期待に胸が高鳴った。
さてさてさて、なにをしてくれるのか!?
「何かご用かしら?」
「えーえ、ちょっと聞きたいことがあって。さっき返ってきた小テスト、何点だったのかしら?」
グローリアちゃん……そのお耳ピコピコ具合から見て、かなり自信あるんですね。
ここ数日机にかじりついていたのは、テスト勉強だったのか!
本気の勉強……なんて、なんてマメに努力する子なんだ!!
テストの点数でマウンティングを取る。
なかなか基本に忠実な本気を見せてきたねぇ。
だけど……
「えっと、それは……ね?」
気づけ!
気づいて引け!!
今ならまだ間に合うぞ!
「いいじゃない。あたしたちも見せるから」
「いや、その」
「いいでしょー」
ラウラちゃんが猫っぽい素早さで、机に伏せていたテスト用紙をさらった。
「ああっ」
「どれどれ~」
「どっすか?」
「んー?」
テスト用紙を覗き込んだとたん、ピコピコしていた耳が動かなくなる。
「「「………」」」
三人そろって無言止めろ。
こっちがどうすればいいかわからなくなるだろ。
「あ、あのね。私、一年は二回目だから」
さらに言うと、レティシアはいつも首席争いしていたグループにいましたんで。
その、このくらいの小テストならケアレスミスに気を付ければ……うん。普通に百点です。
「そ、そうよね。二回目なんだから当然よね!!」
「うんうん。そうなの。二回目なんだから、ね?」
だから必死に勉強したのに勝てなくてもへこむなよ。
「最高点だったのに……」
「いい点取れてよかったじゃーん」
そうだぞ、イルマちゃん。
ラウラちゃんの言うとおりだから、これからも勉強頑張るように。
「ふんっ。あたしだって二回目なら百点ぐらい取れるわよ!」
「うんうん、そうよね」
「こ、これで勝ったなんて思わないことね!!」
いやそれめっちゃ負け台詞だから。
えー。
伝統的なセリフを吐いたグローリアちゃんは、まだあきらめていないようです。
現在、体育の時間です。
リリア魔法学園は魔法学園と名乗っているが、お嬢様たちの健全な成長を担う学園でもあるので、魔法のカリキュラムは全体の半分ぐらい。
後はフツーのお勉強やお嬢様ならではの、茶道華道的な授業もあり、体育もあるのだ!!
イエーイ!!
体育!!
体操服!!
イエッ!! イエッ!!
リリア魔法学園の体操服は、スパァッツ!
膝上ぐらいの紺色のスパッツ!
ぴっちりでちょっと光沢のあるスパアァァッツ!!
上は、五分袖にお尻を隠すぐらいの分厚い白コットン。
袖と裾がキュッと絞られていて、ふんわり膨らんだシルエットを作っている。
ちょっとやぼったいかと思いきや……この体操服、尻尾持ちの子が着るとなかなかの破壊力です!
正面から見た感じは変わらないけど、後ろから見るとしっぽが裾をきゅっと持ち上げている。
後、全体的にふんわりしているので、動いた時のチラリズムがいいんですよ!
ちらっと見えるおなかの肌色。
ジャスティス!!
ずっと教室にいたので、動きやすい服で外に出てちょっとテンション上がっちゃったお嬢様たちが、きゃっきゃとじゃれ合っていてですね……
制服だと何でもなかった触れ合いが、薄手の体操服になると、素肌の触れ合いとなり――ふと触れた肌の温かさにただの友達だった彼女を意識してしまい……
ふぅ。
友達のいつもと違う顔を見て、恋に気付く。
恋心が加速する。
友達から始まる百合もいいじゃないか。
「さぁ、あたしの実力、見せてあげるわ」
あ、そうでした。
えー、どうやらグローリアちゃんは徒競走で俺を負かす気みたいです。
二人ずつタイムを計っているのだが、ペアだった子がいつの間にかグローリアちゃんと入れ替わっていた。
なんかいじめるって言うより、とにかくレティシアを負かしたい。に変わってるみたいである。
負かした後プゲラするいじめなのかもしれないが、どちらにしろ……ちょっと前まで寝たきりだったレティシアを走りで負かそうとか、少々やり方が汚いんではないでしょうかね?
しかもあなた狐っ娘でしょ?
めっちゃ足速そうじゃないですか。
ここで仕掛けてくるってことは、絶対走りには自信があるよな。
さて、どうしたもんかなぁ。
……いや、ずっと平和だったな。
昼食の時のクスクスひそひそは続けてくれていいのに、ぱったりなくなってしまった。
さっさと食事を済ませると、おしゃべりもそこそこに机にかじりついている。
そろそろいじめ(?)を再開してくれないと寂しいぐらいだ。
なので、三人がお耳ピコピコさせながらやって来た時には、期待に胸が高鳴った。
さてさてさて、なにをしてくれるのか!?
「何かご用かしら?」
「えーえ、ちょっと聞きたいことがあって。さっき返ってきた小テスト、何点だったのかしら?」
グローリアちゃん……そのお耳ピコピコ具合から見て、かなり自信あるんですね。
ここ数日机にかじりついていたのは、テスト勉強だったのか!
本気の勉強……なんて、なんてマメに努力する子なんだ!!
テストの点数でマウンティングを取る。
なかなか基本に忠実な本気を見せてきたねぇ。
だけど……
「えっと、それは……ね?」
気づけ!
気づいて引け!!
今ならまだ間に合うぞ!
「いいじゃない。あたしたちも見せるから」
「いや、その」
「いいでしょー」
ラウラちゃんが猫っぽい素早さで、机に伏せていたテスト用紙をさらった。
「ああっ」
「どれどれ~」
「どっすか?」
「んー?」
テスト用紙を覗き込んだとたん、ピコピコしていた耳が動かなくなる。
「「「………」」」
三人そろって無言止めろ。
こっちがどうすればいいかわからなくなるだろ。
「あ、あのね。私、一年は二回目だから」
さらに言うと、レティシアはいつも首席争いしていたグループにいましたんで。
その、このくらいの小テストならケアレスミスに気を付ければ……うん。普通に百点です。
「そ、そうよね。二回目なんだから当然よね!!」
「うんうん。そうなの。二回目なんだから、ね?」
だから必死に勉強したのに勝てなくてもへこむなよ。
「最高点だったのに……」
「いい点取れてよかったじゃーん」
そうだぞ、イルマちゃん。
ラウラちゃんの言うとおりだから、これからも勉強頑張るように。
「ふんっ。あたしだって二回目なら百点ぐらい取れるわよ!」
「うんうん、そうよね」
「こ、これで勝ったなんて思わないことね!!」
いやそれめっちゃ負け台詞だから。
えー。
伝統的なセリフを吐いたグローリアちゃんは、まだあきらめていないようです。
現在、体育の時間です。
リリア魔法学園は魔法学園と名乗っているが、お嬢様たちの健全な成長を担う学園でもあるので、魔法のカリキュラムは全体の半分ぐらい。
後はフツーのお勉強やお嬢様ならではの、茶道華道的な授業もあり、体育もあるのだ!!
イエーイ!!
体育!!
体操服!!
イエッ!! イエッ!!
リリア魔法学園の体操服は、スパァッツ!
膝上ぐらいの紺色のスパッツ!
ぴっちりでちょっと光沢のあるスパアァァッツ!!
上は、五分袖にお尻を隠すぐらいの分厚い白コットン。
袖と裾がキュッと絞られていて、ふんわり膨らんだシルエットを作っている。
ちょっとやぼったいかと思いきや……この体操服、尻尾持ちの子が着るとなかなかの破壊力です!
正面から見た感じは変わらないけど、後ろから見るとしっぽが裾をきゅっと持ち上げている。
後、全体的にふんわりしているので、動いた時のチラリズムがいいんですよ!
ちらっと見えるおなかの肌色。
ジャスティス!!
ずっと教室にいたので、動きやすい服で外に出てちょっとテンション上がっちゃったお嬢様たちが、きゃっきゃとじゃれ合っていてですね……
制服だと何でもなかった触れ合いが、薄手の体操服になると、素肌の触れ合いとなり――ふと触れた肌の温かさにただの友達だった彼女を意識してしまい……
ふぅ。
友達のいつもと違う顔を見て、恋に気付く。
恋心が加速する。
友達から始まる百合もいいじゃないか。
「さぁ、あたしの実力、見せてあげるわ」
あ、そうでした。
えー、どうやらグローリアちゃんは徒競走で俺を負かす気みたいです。
二人ずつタイムを計っているのだが、ペアだった子がいつの間にかグローリアちゃんと入れ替わっていた。
なんかいじめるって言うより、とにかくレティシアを負かしたい。に変わってるみたいである。
負かした後プゲラするいじめなのかもしれないが、どちらにしろ……ちょっと前まで寝たきりだったレティシアを走りで負かそうとか、少々やり方が汚いんではないでしょうかね?
しかもあなた狐っ娘でしょ?
めっちゃ足速そうじゃないですか。
ここで仕掛けてくるってことは、絶対走りには自信があるよな。
さて、どうしたもんかなぁ。
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