【R18/TL】無口で無愛想な旦那様の拗らせ愛は重すぎ注意

春野カノン

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伊織の隠し事と本音 2

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「それで最近になって心春さんと東雲専務が結婚していることを知って話が繋がりました。雛菊さんの言う通り、気になってたんですね最初から」

「好きな子を気にかける上司なんて理想的ですよ!」


私の中でもなんとなく話が繋がった気がする。
尚くんたちに伊織くんと結婚していることを伝えた時も驚かれなかったのは、単純に2人の性格の問題かと思っていたがなんとなく勘づいていたからだ。


それに山田さんたちへの対処が1週間でスムーズに行えた理由も、元々私がしている仕事を2人からそれとなく聞いていたからなのかもしれない。
そこに翔くんの協力が相まって事が進んだのだろう。


気持ちが少し重すぎる気もするが、私がいないところでも気にかけてくれることは素直に嬉しい。
だからこそ知りたくなってしまう。
ここまでしてくれる伊織くんの本心を。


私は期待してしまっていいのだろうか。
完全に伊織くんに気持ちが傾くのをこの関係が崩れてしまうかもしれない恐怖や不安が堰き止めている。


「ある時、東雲専務に聞いたことがあるんです。多分、2人が結婚したあとだと思うんですけど、なんで直接聞かないのかって」

「うん⋯」

「そしたら自分が直接聞いても心配かけまいと答えてくれないだろうからって言ってました。だから多分、今回のケンカも心春さんが気持ち言ってくれて嬉しいと思ってるんじゃないですかね」


伊織くんは全てお見通しのようだ。
確かに聞かれても私は素直に答えないだろう。


それを見透かした上で先手を打って気にかけてくれていたと思うと、やり手だと思うと同時に自然と笑みがこぼれる。
気にかけてくれていただけにしてはやややり過ぎな気もするが、彼の優しさとして受け取っておきたい。


「俺結婚したことないので偉そうなこと言えないですけど、東雲専務は話せば分かる人だと思いますよ」

「確かに、こはるんのことを聞きに来るだけじゃなくてそれと一緒に会社で働く上で働きづらいことや気になることないかって質問もしてくれましたよ」

「そうなんだ⋯」

「下の意見をちゃんと汲みあげようとするのが東雲専務だと思うので、きっと話せば分かります!王道イケメンはだいたいそうだと相場が決まってるんですよ!」


尚くんや雛菊ちゃんなりの励ましの言葉が胸に広がりジーンと目頭が熱くなった。
仕事だけじゃなく私のプライベートな話までこんなに真剣に答えてくれて、ほんと2人には頭が上がらない。


2人のおかげで少しだけ気持ちが軽くなった。
あんなにもたくさん助けてくれて甘やかしてくれた伊織くんに悪いことをしてしまったと改めて思う。


話も聞かずに自分のことばかりで冷静になりたくて一方的に家を出てきてしまった。
伊織くんに話してちゃんと向き合おう、そう思えたのは2人のおかげだ。


「なになに~なんか楽しそうな話してるじゃん。俺も混ぜてよ」

「いや、一旦終わったんで大丈夫です」

「ちょっと冷たいぞ尚!俺一応上司だからね!優しくしなさいよ俺にも」


翔くんはそんなことを言う尚くんの首に腕を回し頭をわしゃわしゃと撫でる。
まるで犬を相手にしているかのように撫でられており、尚くんは不機嫌そうに口をつぐんでいた。


ぴよぴよと跳ねていた尚くんの髪の毛は翔くんによってますますひどい状態になっている。
スキンシップに満足したのか翔くんは笑みを浮かべて私の隣のデスクに荷物を置いて席に着いた。


「俺は仕事に戻りますね」

「私も作業開始します!」

「尚くん、雛菊ちゃん本当にありがとう」

「いえ、話くらいいつでも聞きますよ」

「こはるんの話はリアル乙女ゲームみたいで聞いてて楽しいですし!」


私に笑いかけてくれた2人は自分のデスクに向き直り、ディスプレイの電気をつけて作業の準備を整える。
切り替えの早い2人はもう仕事モードに入っているようでディスプレイを見つめる視線はとても真剣だ。
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