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お預け後の夜 2
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友達になりたいと思えたのは彼女が如月の令嬢だからでもないし、麗華さん本人に惹かれたからだ。
それに伊織くんの考えた案を上手く進行するためには麗華さんの協力は必要不可欠となるだろう。
「麗華さん。彼と素敵なひとときを過ごしてくださいね」
『はい。またね心春さん』
たまに麗華さんの口調が敬語から砕けたものに変わるのが意外に嬉しかったりする。
心を許してくれているのかな、なんて都合のいい方に考えてしまった。
これから大変なことが待っているだろうけど、今のこの瞬間を私たちも麗華さんたちも幸せに過ごせているなら心から良かったと言える。
この先のことはまたみんなで考えて乗り越えていけばいいのだから。
電話を終えた私は宴会会場へ戻ろうとするとちょうどこちらに伊織くんが向かってきていた。
遠くから歩いてくる姿ですらとても映えていて見惚れてしまうほどかっこいい。
長身で筋肉質なその体格とスーツが似合いすぎていて思わずニヤニヤしてしまうくらいだ。
私の目の前まで来た伊織くんは私を見つめてまた甘く微笑む。
「電話、終わったか?」
「うん。麗華さんも喜んでた。麗華さんの彼も、前に進めそうだって」
「そうか、それはよかった」
伊織くんの顔を見ているとその嬉しさやワクワクが止まらなくなってどんどん話したくなる。
私のくだらない話もいつも嬉しそうに聞いてくれるため自然と伊織くんにいつも話してしまう。
「麗華さんがね、私に出会えてよかったって言ってくれたの。私も出会えてよかった本当に」
「心春が嬉しそうで俺も嬉しいよ」
そう言って伊織くんは人目もはばからず私のおでこにちゅっと優しくキスを落とす。
こんな王子様みたいな行動が自然にできるところがすごい。
触れた部分から熱が広がっていき、耳や頬の温度が一気に上がっていくのが分かった。
伊織くんにはいつもドキドキさせられっぱなしだ。
「伊織くん帰ろっか」
「いや、今日は帰らないよ」
「え、どういうこと?」
「ホテル、取ったから泊まってこう」
「ちょっと待っていつの間に??!」
「心春が朝言ったんだろ?終わったらシたいって」
確かに引っかかることが終わったら伊織くんとゆっくり⋯⋯もちろん大人な意味を含めて言ったのは間違いない。
だけどそれでもホテルを取るなんて聞いてないしいつの間にそんなことをしていたんだろうか。
「それに俺は朝からお預け食らってるんだよ。すぐにでもめちゃくちゃに抱きたいのに抱けなくて、でも隣にはこんな身体のラインが出るえろいワンピース着た最愛の妻がいるのにずっと手を出せなくて我慢してた。もう家まで待てるわけない」
「すごい行動力だね伊織くん⋯⋯⋯」
「早くパーティーなんて終われって思ってた。そしたらゆっくり心春と過ごせるから」
爽やかな笑みを浮かべていろんな人に挨拶していたその笑顔の裏にそんなことを隠していたなんて。
しかもこのホテルはかなり高級な場所だしその欲求のために借りていいような金額ではないような気もするが。
「だから行こう」
「え、伊織くん⋯っ」
「早く心春に触れて、独り占めさせて」
私の手を取って歩き出す伊織くんの背中を私は何も言わずについていく。
自分が言い出したことだが、伊織くんの私への欲情がびりびりと伝わってきていつも以上に緊張してしまう。
部屋に踏み込んだ瞬間、周りには誰もいなくて私たちだけの空間になる。
その瞬間からきっと伊織くんは私を捉えて離してくれないだろう。
既に伊織くんはチェックインを済ませていたようでカードキーを受け取っていた。
エレベーターに乗り込むとどんどん私たちは上へと上がっていく。
それに伊織くんの考えた案を上手く進行するためには麗華さんの協力は必要不可欠となるだろう。
「麗華さん。彼と素敵なひとときを過ごしてくださいね」
『はい。またね心春さん』
たまに麗華さんの口調が敬語から砕けたものに変わるのが意外に嬉しかったりする。
心を許してくれているのかな、なんて都合のいい方に考えてしまった。
これから大変なことが待っているだろうけど、今のこの瞬間を私たちも麗華さんたちも幸せに過ごせているなら心から良かったと言える。
この先のことはまたみんなで考えて乗り越えていけばいいのだから。
電話を終えた私は宴会会場へ戻ろうとするとちょうどこちらに伊織くんが向かってきていた。
遠くから歩いてくる姿ですらとても映えていて見惚れてしまうほどかっこいい。
長身で筋肉質なその体格とスーツが似合いすぎていて思わずニヤニヤしてしまうくらいだ。
私の目の前まで来た伊織くんは私を見つめてまた甘く微笑む。
「電話、終わったか?」
「うん。麗華さんも喜んでた。麗華さんの彼も、前に進めそうだって」
「そうか、それはよかった」
伊織くんの顔を見ているとその嬉しさやワクワクが止まらなくなってどんどん話したくなる。
私のくだらない話もいつも嬉しそうに聞いてくれるため自然と伊織くんにいつも話してしまう。
「麗華さんがね、私に出会えてよかったって言ってくれたの。私も出会えてよかった本当に」
「心春が嬉しそうで俺も嬉しいよ」
そう言って伊織くんは人目もはばからず私のおでこにちゅっと優しくキスを落とす。
こんな王子様みたいな行動が自然にできるところがすごい。
触れた部分から熱が広がっていき、耳や頬の温度が一気に上がっていくのが分かった。
伊織くんにはいつもドキドキさせられっぱなしだ。
「伊織くん帰ろっか」
「いや、今日は帰らないよ」
「え、どういうこと?」
「ホテル、取ったから泊まってこう」
「ちょっと待っていつの間に??!」
「心春が朝言ったんだろ?終わったらシたいって」
確かに引っかかることが終わったら伊織くんとゆっくり⋯⋯もちろん大人な意味を含めて言ったのは間違いない。
だけどそれでもホテルを取るなんて聞いてないしいつの間にそんなことをしていたんだろうか。
「それに俺は朝からお預け食らってるんだよ。すぐにでもめちゃくちゃに抱きたいのに抱けなくて、でも隣にはこんな身体のラインが出るえろいワンピース着た最愛の妻がいるのにずっと手を出せなくて我慢してた。もう家まで待てるわけない」
「すごい行動力だね伊織くん⋯⋯⋯」
「早くパーティーなんて終われって思ってた。そしたらゆっくり心春と過ごせるから」
爽やかな笑みを浮かべていろんな人に挨拶していたその笑顔の裏にそんなことを隠していたなんて。
しかもこのホテルはかなり高級な場所だしその欲求のために借りていいような金額ではないような気もするが。
「だから行こう」
「え、伊織くん⋯っ」
「早く心春に触れて、独り占めさせて」
私の手を取って歩き出す伊織くんの背中を私は何も言わずについていく。
自分が言い出したことだが、伊織くんの私への欲情がびりびりと伝わってきていつも以上に緊張してしまう。
部屋に踏み込んだ瞬間、周りには誰もいなくて私たちだけの空間になる。
その瞬間からきっと伊織くんは私を捉えて離してくれないだろう。
既に伊織くんはチェックインを済ませていたようでカードキーを受け取っていた。
エレベーターに乗り込むとどんどん私たちは上へと上がっていく。
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