【R18/TL】ハイスペックな元彼は私を捉えて離さない

春野カノン

文字の大きさ
83 / 136

愛おしすぎる人 side理玖(3)

しおりを挟む
もう片時も離せないくらい陽葵ちゃんを独占したくて堪らない。
もうすぐその夢も叶おうとしている。


こんな風に思えるのは陽葵ちゃんだけで、最初で最後の感情だろう。
1度陽葵ちゃんの頭を撫でて立ち上がった俺はキッチンへと向かった。


「無理させちゃったから寝てていいよ。フレンチトーストは俺が作るから」

「ん⋯ありがと」


***


「外はまだ寒いね」

「こうやってくっついてれば寒くないよ」


フレンチトーストを家で食べた俺たちは支度を整えて商業施設へと向かっていた。
今日は同棲に向けての家具や家電、その他の食器類などを見に行く予定だ。


お互い一人暮らしが長いためある程度の家具家電は揃っており、持ち寄れるものはそうしようと話していた。
2人で暮らすためテレビやテレビラック、ダイニングテーブルなどは購入しようとしている。


ブラウンのコートを羽織った陽葵ちゃんは黒いニットに淡いラベンダー色のタイトスカートを履きブーツを合わせていた。
首元には俺がプレゼントしたネックレスと耳元にはお揃いのピアスが輝いている。


コートからちょこんと覗くその手に指を絡ませ自分に引き寄せながら歩くと人肌の温かさを感じた。
まだ冬は過ぎていないため外に出ればかなり寒く、こうしてくっついて体温を交換し合うとすごく温かい。


電車に乗って目的の商業施設に着いた俺たちはまず家電売り場へと向かう。
今まで使っていたテレビよりも大きいものを見つけて購入した。


電子レンジや冷蔵庫などは使っているものを持ち寄るつもりだ。
そのあと家具売り場に向かい、テレビラックやダイニングテーブル、更にはベッドを探した。


「ダイニングテーブルはどんなのがいいかな?色とかもたくさんあるもんね」

「どんな部屋にしたいかだよね?シックな感じ?それとも可愛い感じ?陽葵ちゃんはどうしたい?」


陽葵ちゃんの部屋の奥には1度しか入ったことがないためあまり詳しくは知らない。
だが大学生の頃の陽葵ちゃんの部屋は白やグレーと言った淡い色味に薄ピンクのような色味を使った可愛らしい部屋だった。


「グレーとか白とか基調にするのはどうかな?」

「シックな感じ??」

「うん。理玖くんの部屋みたいな雰囲気にしない?」

「なら所々陽葵ちゃんの好きな雰囲気も入れようよ。何色が好き?」

「私の部屋ね白とラベンダー色を基調としてるんだ。だからカーテンとかそういう色にするのはどう?」

「うん。絶対可愛い。そうしよ決まり」


陽葵ちゃんは嬉しそうにニコッと笑ってくれた。
無邪気に笑うその笑顔は可愛くてそれでいて大人っぽさもあって胸がキュンと高鳴る。


2人で手を繋ぎながらダイニングテーブルを探しているとお互いに思わず顔を見合わせてしまう程、イメージにピッタリな色味のものを見つけた。
淡いグレーの色味で汚れなども気になりにくそうな上、セットのイスも座りやすそうだ。


「このテーブルすごくよくない?」

「めっちゃいいと思う。いい色味のグレーだし丁度いい大きさだな」

「これにしよ!」

「うん、だね」


トントン拍子に買い物は進んでいき、テレビラックもダイニングテーブルと同じような色味のものを見つける。
そして俺たちはベッドの売り場にやってきた。


正直、ベッドはすごく重要だと思っている。
このベッドで一緒に寝るし、陽葵ちゃんをこれから何度も抱くとなるとある程度の大きさなども欲しい。


「寝室は大人っぽく落ち着いた雰囲気にしよう」

「うん。いいと思う」

「ベッドのサイズはね最低ダブルがいいかな」

「セミダブルとかじゃなくて?」

「やっぱ陽葵ちゃんを抱くなら大きなベッドがいいかなって思ってさ」


耳元で囁くようにそう伝えると陽葵ちゃんの顔は一気に赤く染まり恥ずかしそうに俺を見上げる。
まるで先程までの激しい情事を思い出したように照れる陽葵ちゃんを見ると俺自身の胸も熱く高鳴るのが分かった。


(すぐ赤くなる所がほんとに可愛いんだよなぁ)


「何想像したのかな?陽葵ちゃん」

「り、理玖くんのせいだもん⋯!」

「もう⋯⋯陽葵ちゃんのえっち」


シックな部屋の雰囲気に合うようにダブルサイズでグレーのフレームのベッドを探した。
運良くサイズと色味の希望のものがあったためフレームはそれを選び、その後はマットレスやシーツなども陽葵ちゃんと一緒に選ぶ。


陽葵ちゃんといろんな種類のマットレスに寝転びどの硬さやスプリングのものがいいのか一緒に悩むのがすごく楽しい。
こうして一緒に住む準備をしているこの時間の幸せをひたすら噛み締めた。


シーツなどの色味は濃いめのグレーをチョイスし、いよいよ家具家電の準備は整った。
その後、俺たちは食器類なども一緒に見に行く。


「俺夢だったんだよな~。大好きな陽葵ちゃんとお揃いの食器とかグラスとか箸とか揃えるの」

「そうなの?」

「うん。帰ってきて一緒にご飯食べる時に色違いの食器とか使って食べるのすごくよくない?絶対そうしたい」

「理玖くんって可愛いとこあるよね」

「陽葵ちゃんとだからそうしたいって思うの」

「ふふふっ可愛い理玖くん。そうしよ!」


どこか嬉しそうに微笑む陽葵ちゃんを見ると隣でこんな風に笑顔を見せてくれることが当たり前じゃないんだと改めて痛感した。
1度俺は陽葵ちゃんに悲しい顔をさせてしまったことがあるため、俺に向けてくれるこの甘い笑顔をこの先も大切にしたい。


自然と絡めた指先に力が籠った。
絶対に離さない、そう強く誓いながら陽葵ちゃんと食器を探す。


一通りの食器類は全部色違いで揃えた。
グラスからご飯茶碗、更には箸など全てお揃いにしたため今からこれを使うのが楽しみだ。


「この食器たち早く使って一緒にご飯食べたいね」

「うん。早く使いたい。そんでおかえりとかただいまとか陽葵ちゃんに言いたい」

「楽しみだなぁ理玖くんと一緒に住むの」

「俺の方が楽しみにしてる。もうすっごく楽しみすぎてやばい」


陽葵ちゃんとの同棲が始まるまで後1ヶ月半程ある。
あっという間かと思っていたが待ち遠しさの方が勝っていて、早くその日が来ないかとソワソワしていた。


そんな楽しみの中にもほんの少しだけ懸念点がある。
圭哉からも聞いたが今年から一緒に仕事をすることになるかもしれないevolveには元同期のあの人がいた。


講演会で陽葵ちゃんに接触してきたということは、今後も何かあるかもしれない。
陽葵ちゃんがずっと俺の近くにいることが1番守ることに繋がるとも思ったし、片時も離れなければ陽葵ちゃんの異変にいち早く気づくことができる。


そういう意味でも俺は早く陽葵ちゃんと同棲したいと思っていた。
愛おしすぎる彼女をもう2度と手放さないためにも必ず陽葵ちゃんを守る。


俺は密かにそう誓い、陽葵ちゃんにバレないように感情を隠しながら彼女にそっと笑いかけた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

禁断溺愛

流月るる
恋愛
親同士の結婚により、中学三年生の時に湯浅製薬の御曹司・巧と義兄妹になった真尋。新しい家族と一緒に暮らし始めた彼女は、義兄から独占欲を滲ませた態度を取られるようになる。そんな義兄の様子に、真尋の心は揺れ続けて月日は流れ――真尋は、就職を区切りに彼への想いを断ち切るため、義父との養子縁組を解消し、ひっそりと実家を出た。しかし、ほどなくして海外赴任から戻った巧に、その事実を知られてしまう。当然のごとく義兄は大激怒で真尋のマンションに押しかけ、「赤の他人になったのなら、もう遠慮する必要はないな」と、甘く淫らに懐柔してきて……? 切なくて心が甘く疼く大人のエターナル・ラブ。

処理中です...