当店では真実の愛は取り扱っておりません

「真実の愛に目覚めた。だから婚約を破棄する」

そう告げられたのは、公爵令嬢ココア・ブレンディ。

婚約者であるカフェ・ブラック公爵令息が新たな相手として名を挙げたのは、有力商会の娘クレオ・パステルだった。

ところが――。

「え? 私ですか? 聞いてませんし、会ったこともありませんが?」

勝手に“真実の愛の相手”にされたクレオは、当然ながら婚約をきっぱり拒否。

しかもブラック家の狙いは、クレオ本人ではなくパステル商会の資産と人脈だった。

「平民だからって、何でも言うことを聞くと思ったら大間違いです。平民なめんな!」

婚約破棄された公爵令嬢ココアと、勝手に恋人扱いされた商人令嬢クレオ。

本来なら恋敵にされそうな二人は、なぜか意気投合。

商人の信用、貴族社会の評判、そして新しい事業を武器に、身勝手な“真実の愛”を掲げたブラック家を追い詰めていく。

当店では真実の愛は取り扱っておりません。

ですが、契約と友情と香草茶なら、きっちりご用意できます。
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