159 / 239
第七章 盛夏の逃げ水
第百五十九話 盛夏の逃げ水(24)
しおりを挟む
「敵襲です!」
ドアを何度もノックする音に飛び起きた。イレートの声だ。
「しぃー。ぐっすり寝てるから」
あの無礼な男がまた自分を愚弄するようなことを言っている。幸い、指示したことについての報告に備え、きちんと服を着ている。
「起きている。イレート、何事だ!」
わざと大きな音をたてて国王の部屋へと続く戸を立て続けに開けた。警備兵が詰めるために二つの部屋をつなぐ扉はせまい空間を経て二重になっている。
「おはよう」
例の男がのんきな声で片手をあげている。カーテンの隙間はまだ闇だが、日の出が近い気配があった。
「おい、あの毒見をしていた男はどこへ行った?」
部屋には無礼な男とイレートだけである。
「アッシュグレン様、それどころではありません。グリディラン様が……」
「何! とうとう攻めて来たか」
「おそらくアシュレイア様が戻ったのを確認したのでしょう」
アシュレイア。昨夜、信頼のおける身内の者に指示した件はどうなったのだろうか。グリディランのこと以外でイレートが騒いでいる様子はない。アシュレイアの遺体が見つかっていないだけか。
頭も動き出し、やるべきことがはっきりしてきた。これは自分のためではない。国のためだ。民衆は何もわかっていない。国政とはちょっと威勢がいいくらいの小娘が何とかできるものではないのだ。
「イレート、反逆者グリディランを迎え討つ。準備しろ」
「はい、いや、あの……」
イレートはおどおどと目をそらした。その隣で例の無礼な男が「ぷっ」と吹き出す。
「何がおかしい」
思わずその男の胸倉をつかむ。
「こんなことしてる場合じゃないよ。どういうわけかアシュレイアちゃんが軍を指揮する気まんまんだからね。みんなまんざらでもなさそうだし」
「なんだと。イレート! どういうことだ!」
城に残っている旧アルメシエ軍の指揮権は第一王子である自分にあるはずだ。怪我の療養中は信頼のおける者に任せてあるはずだが。
それよりも確実に暗殺を指示したはず。アシュレイアはまだ生きているのか。ミスをするような連中ではないし、母の実家の息がかかった者たちが裏切るとも考えにくい。
イレートはまだもごもごとしている。
「人心を掌握するのは大変だよね。わかるよ」
わけ知り顔で一人うなずいている男に苛立ちがおさまらない。
「お前に何がわかる」
「わかるから僕はこんなんなのさ。きみも不得手なことは早々にやめたらいいよ」
こいつは無視しよう。
「イレート、すぐアシュレイアのところに案内しろ」
「あ、はあ」
いつまでもぐしゃぐしゃとして鬱陶しい。イレートはあてにならない。とにかくアシュレイアをなんとかしなければ。あわてて戸口に向かったところで急に目の前が真っ黒になる。ほんの数秒、気絶をしていたのかもしれない。頭と倒れたときに打ちつけたらしき膝がひどく痛んだ。
「イレート、貴様ッ!」
床に崩れ落ちたまま首だけを動かして背後を見る。視界の端に塔をかたどった置物を握りしめたイレートが立っている。粘度のある液体が頭皮を伝っている感触がして気持ちが悪い。
部屋の外にいた警備兵たちが「殿下、何ごとですか」と大声をあげて部屋になだれ込んできた。
「イレート殿、これは一体?」
「アッシュグレン様、すぐに手当てを」
ゆっくりと半身を起こし頭に手をやる。そこにべったりと血液がついた。
「いい。それどころじゃない、敵襲だ」
グリディランにやられた怪我に比べればたいしたことはない。おそらく迷いがあったのだろう。
「しかし――」
警備兵たちは困惑したようにイレートとこちらを交互に見ている。
イレートは自分のしたことに今気づいたとでもいうような驚愕の表情を浮かべ、凶器を放り投げた。
「も、もうしわけありません。グリディラン様が……私の家族を……その……」
「俺を裏切るつもりか」
「お許しください」
声を震わせてその場に座りこむ。とんでもない小物を側近としてつかっていたものだ。
この騒ぎの中、例の無礼な男はまったく興味がないとでもいうように、机の上で仁王立ちして、ぶつぶつとひとりごとを言っている。こいつも早く追い払った方がいいだろう。
「なるほど。こうなるということはやっぱりそうか。これで帝印の在処もだいたい想像がついたし、そろそろ帰ろうかな」
帝印!
それは聞き捨てならない。今思い出した。それを探していたのだ。
「どういうことだ。帝印の在処がわかるのか」
アルメシエの王たる証である帝印。それさえ手元にあれば万事解決する。
イレートや他の警備兵たちも驚いたように男を見ていた。
「ちょっとは自分たちで考えなよ。なかなかおもしろいパズルだった。ありがとう。答え合わせはまた今度にするとして――ここは危なそうだし、僕、帰るよ」
机からひらりと飛び降りると本当に部屋を出て行こうとする。本気で帰るつもりだ。確信に満ちた足取りに警備兵たちもあわてて道をあける。
「待て」
「なあに?」
「帝印はどこだ」
「――グリディラン様が……持っているのではないのですか!」
イレートが男にとりすがるようにその肩をつかんだ。
「それはないよ。グリディラン翁が持っているなら、わざわざこの城に攻めてくる必要ないでしょ。王位を継ぐ根拠が手元にあるんだもの。どこにいようと自分が王様だもんね」
急激に頭に血がのぼり、拳で床を打つ。では残りは一人ではないか。
「やはりアシュレイアか!」
「アシュレイアちゃん、持ってないってさ」
「どういうことだ! おかしいだろう」
視界の端でイレートが焦点の合っていない目で茫然と床を見ている。ようやくグリディランにそそのかされたことに気づいたのだろう。帝印を持っている自分が次期国王だといつわり、相応の役職と家族の身柄をちらつかせて、第一王子の殺害を指示したといったところか。くだらない話だ。
「アッシュグレン王子が今寝泊まりしているあの部屋、王様のお友達が遊びに来てるときに泊まったりしてたんだよね。誰かな。部屋の間に警備が入るとはいえ、自分の寝室にも通じている部屋に女の人以外を泊めるなんてよっぽどの仲良しだよね」
――まさか、そんな。なぜ今まで忘れていたのだろう。間違いない。王と特に懇意にしていたあの男が帝印を持っている。そしておそらく何かしら王からの言葉を預かっているはずだ。そうでなければこの部屋に何も残されていない理由がない。
そのとき、外から城を揺るがすほどの鬨の声があがった。
もう攻め込んできたのか。あわてて窓際に寄るがここからはさびれた庭園しか見えない。グリディランが率いている兵は旧アルメシエ軍の半分以上、数での分は悪い。戦術の要となる術兵も同様だ。あの小娘には荷が重い。いっそグリディランに討たれてもらった方が……いや、それではこちらの兵も犠牲になることになる。アシュレイアを片付けたところで損害は高くつく。
とにかく今は調子にのったあの小娘を何とかしなければならない。
「アッシュグレン様!」
部屋を走り出ると、長い療養生活のせいか頭がくらくらとして、まっすぐ進むこともままならない。一度とまったかと思った血もふたたび流れ出したようだ。
「やはり先に手当てを」
追いついた兵たちにとめられて振り返ると、イレートが捕縛されている。馬鹿なやつだ。自分についていれば自然と次期アルメシエ王の側近の一人という地位が手に入ったものを。
「――手当てしている暇はない」
「戦場はアシュレイア様におまかせしては……」
かっと血がのぼった。気づくと拳から血が滲んでいた。殴られた兵は驚いたような怯えたような妙な表情でこちらを見ている。すっかり筋力の衰えた腕ではさほど力が出ない。渾身の力で殴られたはずの兵の頬は赤くなっている程度だ。殴った側の方が痛い思いをしていることに舌打ちがもれた。
「もうしわけありません」
どこか冷ややかな兵の謝罪を受ける。なぜか不得手なことは早々にやめろと言ったあの無礼な男の言葉が思い出され、あわてて頭をふった。
「よい。急げ、城を守る」
兵たちから目をそらし、よろよろと立ちあがる。とにかくグリディランの始末の前にアシュレイアを引きずりおろさねば。
ドアを何度もノックする音に飛び起きた。イレートの声だ。
「しぃー。ぐっすり寝てるから」
あの無礼な男がまた自分を愚弄するようなことを言っている。幸い、指示したことについての報告に備え、きちんと服を着ている。
「起きている。イレート、何事だ!」
わざと大きな音をたてて国王の部屋へと続く戸を立て続けに開けた。警備兵が詰めるために二つの部屋をつなぐ扉はせまい空間を経て二重になっている。
「おはよう」
例の男がのんきな声で片手をあげている。カーテンの隙間はまだ闇だが、日の出が近い気配があった。
「おい、あの毒見をしていた男はどこへ行った?」
部屋には無礼な男とイレートだけである。
「アッシュグレン様、それどころではありません。グリディラン様が……」
「何! とうとう攻めて来たか」
「おそらくアシュレイア様が戻ったのを確認したのでしょう」
アシュレイア。昨夜、信頼のおける身内の者に指示した件はどうなったのだろうか。グリディランのこと以外でイレートが騒いでいる様子はない。アシュレイアの遺体が見つかっていないだけか。
頭も動き出し、やるべきことがはっきりしてきた。これは自分のためではない。国のためだ。民衆は何もわかっていない。国政とはちょっと威勢がいいくらいの小娘が何とかできるものではないのだ。
「イレート、反逆者グリディランを迎え討つ。準備しろ」
「はい、いや、あの……」
イレートはおどおどと目をそらした。その隣で例の無礼な男が「ぷっ」と吹き出す。
「何がおかしい」
思わずその男の胸倉をつかむ。
「こんなことしてる場合じゃないよ。どういうわけかアシュレイアちゃんが軍を指揮する気まんまんだからね。みんなまんざらでもなさそうだし」
「なんだと。イレート! どういうことだ!」
城に残っている旧アルメシエ軍の指揮権は第一王子である自分にあるはずだ。怪我の療養中は信頼のおける者に任せてあるはずだが。
それよりも確実に暗殺を指示したはず。アシュレイアはまだ生きているのか。ミスをするような連中ではないし、母の実家の息がかかった者たちが裏切るとも考えにくい。
イレートはまだもごもごとしている。
「人心を掌握するのは大変だよね。わかるよ」
わけ知り顔で一人うなずいている男に苛立ちがおさまらない。
「お前に何がわかる」
「わかるから僕はこんなんなのさ。きみも不得手なことは早々にやめたらいいよ」
こいつは無視しよう。
「イレート、すぐアシュレイアのところに案内しろ」
「あ、はあ」
いつまでもぐしゃぐしゃとして鬱陶しい。イレートはあてにならない。とにかくアシュレイアをなんとかしなければ。あわてて戸口に向かったところで急に目の前が真っ黒になる。ほんの数秒、気絶をしていたのかもしれない。頭と倒れたときに打ちつけたらしき膝がひどく痛んだ。
「イレート、貴様ッ!」
床に崩れ落ちたまま首だけを動かして背後を見る。視界の端に塔をかたどった置物を握りしめたイレートが立っている。粘度のある液体が頭皮を伝っている感触がして気持ちが悪い。
部屋の外にいた警備兵たちが「殿下、何ごとですか」と大声をあげて部屋になだれ込んできた。
「イレート殿、これは一体?」
「アッシュグレン様、すぐに手当てを」
ゆっくりと半身を起こし頭に手をやる。そこにべったりと血液がついた。
「いい。それどころじゃない、敵襲だ」
グリディランにやられた怪我に比べればたいしたことはない。おそらく迷いがあったのだろう。
「しかし――」
警備兵たちは困惑したようにイレートとこちらを交互に見ている。
イレートは自分のしたことに今気づいたとでもいうような驚愕の表情を浮かべ、凶器を放り投げた。
「も、もうしわけありません。グリディラン様が……私の家族を……その……」
「俺を裏切るつもりか」
「お許しください」
声を震わせてその場に座りこむ。とんでもない小物を側近としてつかっていたものだ。
この騒ぎの中、例の無礼な男はまったく興味がないとでもいうように、机の上で仁王立ちして、ぶつぶつとひとりごとを言っている。こいつも早く追い払った方がいいだろう。
「なるほど。こうなるということはやっぱりそうか。これで帝印の在処もだいたい想像がついたし、そろそろ帰ろうかな」
帝印!
それは聞き捨てならない。今思い出した。それを探していたのだ。
「どういうことだ。帝印の在処がわかるのか」
アルメシエの王たる証である帝印。それさえ手元にあれば万事解決する。
イレートや他の警備兵たちも驚いたように男を見ていた。
「ちょっとは自分たちで考えなよ。なかなかおもしろいパズルだった。ありがとう。答え合わせはまた今度にするとして――ここは危なそうだし、僕、帰るよ」
机からひらりと飛び降りると本当に部屋を出て行こうとする。本気で帰るつもりだ。確信に満ちた足取りに警備兵たちもあわてて道をあける。
「待て」
「なあに?」
「帝印はどこだ」
「――グリディラン様が……持っているのではないのですか!」
イレートが男にとりすがるようにその肩をつかんだ。
「それはないよ。グリディラン翁が持っているなら、わざわざこの城に攻めてくる必要ないでしょ。王位を継ぐ根拠が手元にあるんだもの。どこにいようと自分が王様だもんね」
急激に頭に血がのぼり、拳で床を打つ。では残りは一人ではないか。
「やはりアシュレイアか!」
「アシュレイアちゃん、持ってないってさ」
「どういうことだ! おかしいだろう」
視界の端でイレートが焦点の合っていない目で茫然と床を見ている。ようやくグリディランにそそのかされたことに気づいたのだろう。帝印を持っている自分が次期国王だといつわり、相応の役職と家族の身柄をちらつかせて、第一王子の殺害を指示したといったところか。くだらない話だ。
「アッシュグレン王子が今寝泊まりしているあの部屋、王様のお友達が遊びに来てるときに泊まったりしてたんだよね。誰かな。部屋の間に警備が入るとはいえ、自分の寝室にも通じている部屋に女の人以外を泊めるなんてよっぽどの仲良しだよね」
――まさか、そんな。なぜ今まで忘れていたのだろう。間違いない。王と特に懇意にしていたあの男が帝印を持っている。そしておそらく何かしら王からの言葉を預かっているはずだ。そうでなければこの部屋に何も残されていない理由がない。
そのとき、外から城を揺るがすほどの鬨の声があがった。
もう攻め込んできたのか。あわてて窓際に寄るがここからはさびれた庭園しか見えない。グリディランが率いている兵は旧アルメシエ軍の半分以上、数での分は悪い。戦術の要となる術兵も同様だ。あの小娘には荷が重い。いっそグリディランに討たれてもらった方が……いや、それではこちらの兵も犠牲になることになる。アシュレイアを片付けたところで損害は高くつく。
とにかく今は調子にのったあの小娘を何とかしなければならない。
「アッシュグレン様!」
部屋を走り出ると、長い療養生活のせいか頭がくらくらとして、まっすぐ進むこともままならない。一度とまったかと思った血もふたたび流れ出したようだ。
「やはり先に手当てを」
追いついた兵たちにとめられて振り返ると、イレートが捕縛されている。馬鹿なやつだ。自分についていれば自然と次期アルメシエ王の側近の一人という地位が手に入ったものを。
「――手当てしている暇はない」
「戦場はアシュレイア様におまかせしては……」
かっと血がのぼった。気づくと拳から血が滲んでいた。殴られた兵は驚いたような怯えたような妙な表情でこちらを見ている。すっかり筋力の衰えた腕ではさほど力が出ない。渾身の力で殴られたはずの兵の頬は赤くなっている程度だ。殴った側の方が痛い思いをしていることに舌打ちがもれた。
「もうしわけありません」
どこか冷ややかな兵の謝罪を受ける。なぜか不得手なことは早々にやめろと言ったあの無礼な男の言葉が思い出され、あわてて頭をふった。
「よい。急げ、城を守る」
兵たちから目をそらし、よろよろと立ちあがる。とにかくグリディランの始末の前にアシュレイアを引きずりおろさねば。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
陽の目をみないレクイエム
吉川知美
現代文学
ある大きな悲しみを抱えた女性が、歴史ある京都で不思議な経験をします。
この世界には、光があたらない、悲しい出来事や人の心が、数えきれないほどにあります。そこに少しでも光を灯し、誰かに慰めを与えられたら。そんな思いで、丁寧に音符を並べるように、ひとつの優しい曲を創作するように、言葉を紡ぎました。
あなたの心に優しい陽が差し込みますように。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる