妹とそんなに比べるのでしたら、婚約を交代したらどうですか?

慶光

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№4 姉妹の会話

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「レイラ……その……」

「ローラ姉さん、ええと……はい」


 ローラとレイラ……二人の姉妹はその日、屋敷内の客室で落ち合っていた。なぜ客室なのかは不明だが、なんとなくローラが決めたことだ。お互いの私室で話し合わなかったのは、彼女の几帳面さが出た結果と言えるのかもしれない。

 客室での会話は良いのだが、お互いに気まずい状況となっているようだった……。


「ホルムズ様の件なんだけれど……既に、話は伝わっているわよね?」

「は、はい……そうですね、伝わっています」

「ええと……本当になんてお詫びをしたらいいのか……」


 ローラはまともにレイラの顔を見れなかった。自分が姉であるにも関わらず、明らかにレイラの方がコミュニケーション能力が高いのだ。そういった意味で彼女はレイラに対して、劣等感を持っていた。

「姉さん……一番大事なのは、姉さんの身体だと思うの。私は姉さんの選択が間違っていたとは思わないわ」

「レイラ……」

「だって、精神的にギリギリだったんでしょう? 詳しい事情は分からないけれど、姉さんの精神がキツイ状態なのに、私が責めるなんてあると思う?」

「レイラ、ありがとう……」


 ローラにとって、レイラの言葉は本当に救いになっていた。ローラは自分が思う以上に、彼女への罪悪感でいっぱいだったのだ。それが許された解放感は何とも言い難いものがあるのだろう。ローラは自然と涙を流していた。

「ローラ姉さん……泣かなくてもいいのに……」

「ごめんなさい……あはは、止まらなくて……レイラの言葉が嬉しかったからよ。幸せの涙と言えるかしらね……」

 ローラは改めて、妹のレイラとの仲を確認出来たのであった。優秀な妹に劣等感を抱く時もあったが、自分達は仲の良い姉妹なのだと、彼女は再確認していた。


「それで……ホルムズ様のことなんだけれど、姉さん」

「ええ……確か、あなたのところへ手紙が来たのよね?」

「うん。屋敷に来て欲しいという内容だったわ……」

「やっぱりそうなのね。どうするの、レイラ?」


 ローラとしては、レイラをホルムズのところに行かせるのは不安ではあった。ホルムズは間違いなく求婚をしてくるからだ。しかし、レイラの表情は明るかった。

「大丈夫よ、姉さん。心配しないで」

「レイラ……?」

 レイラの言葉は明るかった……しかし、ローラとしては不安がよぎってしまう。彼女がこのまま居なくなってしまうのではないかという不安だ……。

 しかし、この時のローラは、それ以上なにも言うことが出来なかった……。

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