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色恋沙汰には疎いですが全力で頑張ります!
しおりを挟む「お、お招きありがとうございます。あの、ユーク様、お返事が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。」
「大丈夫だよ~。で、敬語を無しにする気は?」
「ありません!」
ちぇっ、今日こそはいけると思ったのにな~。
でも!諦めぬ!
「…なんだかユーク様から甘い匂いがします。これは…チョコレートですか?」
「せいかーい!さっきファールのおもてなしのお菓子作ってたんだ~!結構な自信作だよ!」
「え…ユーク様が、私に、お菓子…?」
あれ?なんだか反応が微妙…はっ!もしかして
「甘い物嫌だった!?その前に私の手作りが嫌い!?」
「いや、違うんです…あの、その、」
私が肩を落とす度にファールが慌てて、顔が真っ赤に染まっていく。
「嬉しいんです…嬉しくて、今どんな顔をすればいいのかが分からないのです…」
グハッッッ!!なんだこの可愛い生き物は…なるほど、これが萌えというものか…。
生前、友達が何度も言っていて、意味は分かるけどどんな感覚かが分からなかった…
なるほど、こういう場面で使うのか。
「…とりあえず私の部屋に行こうか。」
「はい…」
と、二人で顔を真っ赤にしながら部屋へ向かいました。
「あの、こちら、母の気に入っている茶葉です…。よかったら手土産に持って行けと…」
「ふわぁ~、綺麗な包みだね!キラキラして宝石みたい。」
「ユーク様の方が…いえ、母もこの包装に目を引かれて購入したそうです。」
じゃあ母様が飲むかもね~。
私も前に飲んでみたけどこの身体にはまだ早いみたい…
あーあ、紅茶好きだったのに。
だから今は牛乳で我慢しておこう。
『ファーちゃん、心の声がちょこっと漏れてるよ。気をつけてよ!』
あれ?ファールの声ってこんなに少年みたいな声だったっけ?
「もうっ!聞かないフリをしてください!」
「えっと、ファール、この声は?」
ファールにも聞こえてるみたい。
それに仲良さそう…
本当に誰?
「前に話していた、私の友達です。」
『そしてファーちゃんの契約精霊なのだよ!』
そう言ってファールの鞄から薄茶色のクマのぬいぐるみが飛び出した。
うわあ…すごくもふもふ~!それにすっごく可愛い!
「私が魂を入れたぬいぐるみなんです。名前はヴェラです。普通は魂を入れただけでは話せないのですが、この中にヴェラが入っているので話をすることができ、魔法が使えるのです。」
ファールによると、魂を入れただけの物の声は聞こえない。
そしてそれを利用したのがヴェラ。
精霊は現世に降りると自分の主となる者の姿しか見えない。
幸運なことにヴェラが見えたのはファールの姿。そこでファールが魔法を使う瞬間、クマのぬいぐるみに入ったらしい。
『ファーちゃんと仲良くなってくれて感謝よ。あの日の夜会のあとから、ファーちゃんは、ずっと小娘の話ばっかりよ。』
「もう!黙っててくださいませ!」
なんだか和むなあ…。
ファールがぷんすこぷんすこしてる。
『そればっかりか将来のけいかくっむぐ!?』
「それ以上は言わないで。怒るよ?」
『もう怒ってるよ…。じゃあ小娘、ファーちゃんをよろしくなのだよ。』
…小娘とは私のことだろうか。
ポンっと音を立てて消えてしまったのでわからないけど。
まあいいや。シャーサにフォンダンショコラと牛乳持ってきてもらおっと。
「~~~~っ!!」
「どう?美味しい?」
いや~、やっぱり牛乳と合うな~。生地がしっとりしてるから濃厚だよ!
「チョコレート単体よりも凄くおいしいです!こんなの食べたことありません!」
「よかった~!」
そりゃあローゼルクにないからね~。もう本当にケーキは偉大だね~!
「ユーク様はどの学科に行かれるのですか?」
「学科?何の?」
「初等部の学科ですよ。ローゼルク国立学園です。確か、精霊、剣術、魔法、創造等がありました。」
へー!面白そう!全然知らなかったー。
兄様はもうすぐ入学なのに何も言ってくれないし。
「それに全寮制ですわ。」
「寮!?」
えっ、ということは兄様ももうすぐ出て行っちゃうの…?
「ユーク様?」
「兄様ももうすぐ出て行っちゃうのか…寂しいなぁって思ったの。」
初等部は確か三年間。全寮制ということは帰って来れないの…?遊べなくなっちゃうの?
「~~~~!それなら私と一緒に遊びましょう!」
「ほんと!?ファールとまた遊べるの!?」
「はい!私では不満もあると思いますが…ユーク様が寂しくならないように頑張ります!」
兄様行っちゃうのは寂しいけど、ワガママ言ったら迷惑だもんね。
じゃあファールといっぱい遊ぶ!
そのままゆっくりおやつタイムを楽しんでいたらノックが聞こえてきた。
「ユーク、父様が呼んでる。」
「え~、今?」
せっかく来てくれてるのに、嫌だな~。
父様の書斎はここから遠いし…
「急ぎだから。行っておいで。」
「むう。ファールごめんなさい!すぐに戻ってくるから!」
「わかりました。行ってらっしゃいませ~。」
「俺が相手しておく。」
え、兄様が?も、もしかして…
「ファールは私の友達だからね!兄様はだめだよ!」
「…はいはい。」
それだけ言ってから私は部屋のドアを閉めた。
兄様がファールに興味を持ってた!?
だってあの面倒くさがりの兄様だよ!
これはもうファールのことが好きなんじゃあ…。
…あれ?兄様に何か聞きたいことがあったような気がしたのに…。忘れちゃった。
と、とにかくまずは父様の所に行かないと!!
「兄様!父様は呼んでなかったよ!」
「そうか。ごめん。」
そう。私が父様の書斎に入ったら、「私は呼んでないよ?」と言われた。
なんでこんなこと…
はっ!まさかこれも兄様の策略!?
ファールと二人っきりになるための!?
ううむ、信憑性が出てきたぞ…。
「じゃあ、ごゆっくり。」
二人が結婚したらファールと私は義理の姉妹になるのか。それも楽しそうだな…。
「申し訳ありません、せっかくユーク様が帰ってこられたのですが、もうすぐ門限なのです…」
「え!?本当だ、もうこんな時間!」
と、そんなこんなでファールは帰ってしまった。
最後に
「私、倒したい相手が出来ました!」
という謎の言葉を残して。
これはまさか兄様にぞっこんの令嬢たちのこと!?…やはりすべての謎は解けた!
「兄様、おめでとう!」
「?ありがとう…?」
それにしてもファールとのお話楽しかったな~。
また遊びたいし、兄様との関係も深めてほしいから、また来てもらおう!
そのためにはまた手紙をいっぱい書くぞ!おー!
って思い出した!
ローゼルク国立学園のことを兄様から聞かないと!
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