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話遮り大会
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ファールの見送りの帰り道。
「ねえねえ兄様。」
「なに?」
「兄様もうすぐ9歳だよね。そしたらあと一年で学園に行っちゃうの?帰ってこなくなるの?」
ファールと話した内容が頭にこびりついて離れない。
学園に入ると、全寮制なので年に二度の長期休暇の時にしか実家に帰ることはできない。
「行くよ。魔力を持って生まれた貴族は嫌でも入らないといけないしね。」
「でもこれまでは毎日会えたのに会えなくなるんだよ?それに私が入っても部屋は別々になっちゃうし。」
今までずっと兄様と一緒にいたから兄様がいない生活なんて考えられない。
うう…それに基本的に寮は三人一部屋。
これはどうかと思うのだが…基本的に婚約者との仲を深めるための物らしい。
まあ貴族は政略結婚がほとんどだからね。
せめて仲良くなってもらおうって言うのは分からなくもない。
でも、兄様にはまだ婚約者がいない。
だからどこの馬の骨かもわからない人に兄様を取られるのは嫌だな…
「ふうん、じゃあ俺と一緒の部屋になる?」
は?え?ムリムリムリ!
ファールに嫌われたくないもん!
…まてよ?これも兄様の策略ではないか?
部屋は三人一部屋。私が兄様と同じ部屋になれば後の一人はファールになる…
なるほど、これが当て馬か(適当)
まあ皆を幸せになるお手伝いしながらふわふわ生きるのが目標なんだから、兄様とファールがいればそれでいっか。
「いーよ!じゃあ兄様、仲間はずれにはしないって約束してね?」
「え?」
「え?」
あ、家に着いた!今日の夜ご飯なんだろ~?
「え、ちょ、ユーク」
「ただいま!シャーサ、今日のご飯は?」
「聞いてないな…」
まあ細かいことはまた今度考えよーっと!
まずはお腹を満たすことが最優先だ!
ちなみに今日の夜ご飯のメニューは、魚のクリームパスタでした。
チョー美味しかった!
「ユークちゃん、誕生会はどうするのかしら?」
あ、すっかり忘れてた。
母様の笑顔がどんどん怖くなっていく…
「まさか忘れてた…なんてことはないわよね?」
「ごめんなさい!ファールと遊ぶことに夢中になって忘れていました!」
初手、誠心誠意の謝罪。
母様が相手だと何となく威圧感に負けるんだよな…。
いつもは優しい母様なのに。
「もう、忘れちゃダメじゃない。母様達が決めちゃうわよ?」
「それは絶対いや!」
そのルートだけは絶対に避けなくては!
未知数だからこそ怖い…
「じゃああと二日待つから、それまでに考えておいてね?」
「が、頑張ります…。」
あと二日かあ…
こうなったらみんなにインタビューするしかない!
~兄様に聞いてみた~
「兄様、私の誕生会」
「家の皆だけでやる。」
「え、でもファー」
「別に呼ぶ必要もないと思うよ?」
ちょっと!せめて三単語は言わせてよ!
人が話してるでしょうが!
分かったこと…兄様に聞いたのが間違いだった
~父様に聞いてみた~
「父様、私のたん」
「盛大にやろう!さーて、誰を呼ぼうかな~?」
「あの、わ」
「そうだ!陛下も呼んじゃおう!なんか陛下、殿下をユークに会わせたがっていたし!」
なに?流行ってるの?人の話遮り大会。
分かったこと…人の話遮り大会はもうこりごり
~アルカに聞いてみた~
「アルカ、私の誕生会どれくらいがいいと思う?」
「ユーク様の誕生会…ああ、そうだ。殿下とユーク様のおみあ…ぐふっ」
「言いたいことはそれだけか?」
おう…野生の兄様があらわれた…。
ばいばい、アルカ。
生き延びられることを願っているよ。
分かったこと…まともなことを言いそうだったけど、連れ去られたからもういいや。
~ファールに聞いてみた~
「ファール、今度私の誕生会が」
「ユーク様の誕生会!私も参加してもよろしいでしょうか?」
「もちろん!で、どんなものに」
「ユーク様の誕生会…私の願望なのですが…前にいただいたふぉんだんしょこらを…皆様に振る舞ってはいかがでしょう?料理人に調理法を伝え、それを沢山作るのは…」
「それいいね!!ありがとうファ」
「いえ!お役に立てて嬉しいですわ!」
本当にありがたい!ありがたいんだけど…
分かったこと…人の話遮り大会はやっぱり流行っていた。
「母様!決まったよ!」
「あら?どんなの?」
えーとね、フォンダンショコラをいっぱい作って、皆に食べてもらうの!
「…いいわよ。じゃあ人は誰を呼ぶ?」
「えーとね、父様と、母様と、兄様と、ファールと、皆!」
「つまり…?」
「家族とファールと皆だけで行おう!」
やっぱり親しい人達と一緒に楽しむものだよ、誕生日は。
今日の結論
やっぱり誕生日は楽しくするのが一番!
話遮り大会…流行ってるのかしら
「ねえねえ兄様。」
「なに?」
「兄様もうすぐ9歳だよね。そしたらあと一年で学園に行っちゃうの?帰ってこなくなるの?」
ファールと話した内容が頭にこびりついて離れない。
学園に入ると、全寮制なので年に二度の長期休暇の時にしか実家に帰ることはできない。
「行くよ。魔力を持って生まれた貴族は嫌でも入らないといけないしね。」
「でもこれまでは毎日会えたのに会えなくなるんだよ?それに私が入っても部屋は別々になっちゃうし。」
今までずっと兄様と一緒にいたから兄様がいない生活なんて考えられない。
うう…それに基本的に寮は三人一部屋。
これはどうかと思うのだが…基本的に婚約者との仲を深めるための物らしい。
まあ貴族は政略結婚がほとんどだからね。
せめて仲良くなってもらおうって言うのは分からなくもない。
でも、兄様にはまだ婚約者がいない。
だからどこの馬の骨かもわからない人に兄様を取られるのは嫌だな…
「ふうん、じゃあ俺と一緒の部屋になる?」
は?え?ムリムリムリ!
ファールに嫌われたくないもん!
…まてよ?これも兄様の策略ではないか?
部屋は三人一部屋。私が兄様と同じ部屋になれば後の一人はファールになる…
なるほど、これが当て馬か(適当)
まあ皆を幸せになるお手伝いしながらふわふわ生きるのが目標なんだから、兄様とファールがいればそれでいっか。
「いーよ!じゃあ兄様、仲間はずれにはしないって約束してね?」
「え?」
「え?」
あ、家に着いた!今日の夜ご飯なんだろ~?
「え、ちょ、ユーク」
「ただいま!シャーサ、今日のご飯は?」
「聞いてないな…」
まあ細かいことはまた今度考えよーっと!
まずはお腹を満たすことが最優先だ!
ちなみに今日の夜ご飯のメニューは、魚のクリームパスタでした。
チョー美味しかった!
「ユークちゃん、誕生会はどうするのかしら?」
あ、すっかり忘れてた。
母様の笑顔がどんどん怖くなっていく…
「まさか忘れてた…なんてことはないわよね?」
「ごめんなさい!ファールと遊ぶことに夢中になって忘れていました!」
初手、誠心誠意の謝罪。
母様が相手だと何となく威圧感に負けるんだよな…。
いつもは優しい母様なのに。
「もう、忘れちゃダメじゃない。母様達が決めちゃうわよ?」
「それは絶対いや!」
そのルートだけは絶対に避けなくては!
未知数だからこそ怖い…
「じゃああと二日待つから、それまでに考えておいてね?」
「が、頑張ります…。」
あと二日かあ…
こうなったらみんなにインタビューするしかない!
~兄様に聞いてみた~
「兄様、私の誕生会」
「家の皆だけでやる。」
「え、でもファー」
「別に呼ぶ必要もないと思うよ?」
ちょっと!せめて三単語は言わせてよ!
人が話してるでしょうが!
分かったこと…兄様に聞いたのが間違いだった
~父様に聞いてみた~
「父様、私のたん」
「盛大にやろう!さーて、誰を呼ぼうかな~?」
「あの、わ」
「そうだ!陛下も呼んじゃおう!なんか陛下、殿下をユークに会わせたがっていたし!」
なに?流行ってるの?人の話遮り大会。
分かったこと…人の話遮り大会はもうこりごり
~アルカに聞いてみた~
「アルカ、私の誕生会どれくらいがいいと思う?」
「ユーク様の誕生会…ああ、そうだ。殿下とユーク様のおみあ…ぐふっ」
「言いたいことはそれだけか?」
おう…野生の兄様があらわれた…。
ばいばい、アルカ。
生き延びられることを願っているよ。
分かったこと…まともなことを言いそうだったけど、連れ去られたからもういいや。
~ファールに聞いてみた~
「ファール、今度私の誕生会が」
「ユーク様の誕生会!私も参加してもよろしいでしょうか?」
「もちろん!で、どんなものに」
「ユーク様の誕生会…私の願望なのですが…前にいただいたふぉんだんしょこらを…皆様に振る舞ってはいかがでしょう?料理人に調理法を伝え、それを沢山作るのは…」
「それいいね!!ありがとうファ」
「いえ!お役に立てて嬉しいですわ!」
本当にありがたい!ありがたいんだけど…
分かったこと…人の話遮り大会はやっぱり流行っていた。
「母様!決まったよ!」
「あら?どんなの?」
えーとね、フォンダンショコラをいっぱい作って、皆に食べてもらうの!
「…いいわよ。じゃあ人は誰を呼ぶ?」
「えーとね、父様と、母様と、兄様と、ファールと、皆!」
「つまり…?」
「家族とファールと皆だけで行おう!」
やっぱり親しい人達と一緒に楽しむものだよ、誕生日は。
今日の結論
やっぱり誕生日は楽しくするのが一番!
話遮り大会…流行ってるのかしら
応援ありがとうございます!
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