庶民的な転生公爵令嬢はふわふわ生きる

くしゃもち

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私の8時間の家出

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「これでいいのか?」


「うん!これで美味しいウォルナッツホーンが作れるよ!」


「うぉる…?」


まず用意したもの。


バター、クリームチーズ、砂糖、小麦粉、塩、シナモン、クルミ。


流石料理店だけあって、食材がいっぱいある!


あ、ウォルナッツホーンっていうのは、見た目はちっちゃいクロワッサン、味はクルミのクッキーなお菓子だよー。


「バターとクリームチーズと砂糖を練りまーす。」


「砂糖多くないか…?」


「いいの!これくらいがいいんだよー。」


その間に小麦粉と塩を混ぜて振るって~。


ゴムベラ用意して~、さっくり混ぜる!


あとは~これを~寝かせて~っと。あ、その前に!


「ミーナさん、くるみ切って~!そしてこれを生地に入れマース。」


「ほーいよー」


それから生地寝かしまーす。


寝かせて寝かせてサクフワにしちゃうよーん。


「へ~、ミーナさん旅商人だったんだー!」


「ああ、だけどここの店主、今の私の旦那が出してくれた料理がうまくてうまくて。ユークに出した定食だ。美味かっただろ?」


「うん!」


今旦那さんは食材の仕入れに出張してるらしい。


でも旦那さんの話してる時のミーナさん、恋する乙女って感じがする。


旦那様にぞっこんなんだねー!


と、そんなこんなで、1時間恋愛トークと料理トークを楽しんでからの…


お待ちかねの、生地伸ばしターイム!


綿棒で生地を伸ばすのって、なんか楽しいよね。3mmくらいにして~コロコロ~コロコロ~。


「紙みたいに薄っぺらいな。」


「破いたらダメだよー?」


これに残りのクルミを上に乗せてー、小さい円形のピザくらいに型を抜く!


直径20センチくらいかな?


これを12等分にして、くるくるーと、クロワッサンみたいに巻きまーす!


可愛い形にできたー!


「ユーク。」


「なーに?」


「そろそろ帰る覚悟できたか?」


「…んーん。」


まだやだもん。そんなに簡単に引き返したくないもん。


「じゃあ私が昔話を一つ教えてやる。」


むかーしむかし、といっても最近のことだが、ある貴族に1人の娘ができた。


その子は大層可愛がられ、特別に育てられた。


その貴族はある日気付いた。


その子にとてつもない魔力を秘めていることを。


だから娘を利用しようと思う輩を蹴散らし、その子に惹かれる子だけをそばに置くことにした。


それでも貴族は不安に思うことがあった。


学園だ。学園は基本的に本人の希望があれば入らなくてはならない。


だから貴族は行かせないようにしようと、他のことに興味を向けさせたが、そんな時に一通の手紙が来た。


参観の知らせだ。それを知った娘は行きたいと言ったが、父親も母親も猛反対。


そして娘は家を飛び出してきた。


「それって…」


「そう。ユーク、アンタの話だ。わかったか?なんで父親が頑なに反対するか。」


「なんで…?」


「私の魔法だよ。あとは、企業秘密かな。」


…本当かは分からないけど、信憑性はある。2人がそんなこと思ってたなんて…


「ミーナさん」


「ん?」


「これが焼けたら帰るね。それで、父様と母様に謝る。」


「えらいえらい。」


あとはこれを焼けばウォルナッツホーンは完成する。


帰ったらなんて言おうかな?


「また来てもいい?」


「いいよ。またおいで。今度はもっと色んなもの、教えてくれよ!」


「じゃあ約束ね!」


そんなこんなで、私の8時間の家出が終わった。



ミーナ・スウフェーン 固有魔法『人の一生を物語として見ることができる。』
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