2 / 3
2
しおりを挟む
朝の空気はひんやりしていて、村全体がしんと静まり返っていた。
グレタさんの家の裏庭で洗濯物を干していた私は、空を見上げて深呼吸をする。
森の向こうに、淡い朝日がのぼって、霧のヴェールをとかしていくみたい。
「……よかった。今日はいい天気」
でも――私の心は、少し落ち着かない。
なぜなら……グレタさんの家の離れに、いま、“あの人”がいるのだ。
あの、灰色の瞳をした人。
傷だらけで倒れていたあの日から、もう一週間。
彼――オリヴァーさんは、順調に回復していた。
薬草の効き目もあって、今ではもう、寝ているだけでは退屈だというほど。
だけど、彼の正体が「騎士団の副団長」だと村の人たちに知れわたったのは、ほんの二日前のことだった。
「えっ!? あのクラリスちゃんが助けたのって、あの“氷の副団長”!?」
「ええ~!? 嘘でしょ!? あの人、王都の騎士団の中でも特に有名じゃない!」
「しかも未婚! 若くて、強くて、お金持ちで、真面目で、イケメンって……もう完璧じゃないのよぉぉ!!」
村のおばさまたちは朝市のたびにその話題でもちきりになり、若い娘たちはグレタさんの家の前をウロウロするようになった。
……なんだか、落ち着かない。ものすごく。
「クラリスちゃーん、彼ってどんな人? もしかしてもう恋人とか~?」
「えっ!? ち、違いますっ、そんなのじゃ……!」
私は顔を真っ赤にして、逃げるようにグレタさんの庭へ戻った。
ほんとうに、そういう関係なんかじゃないのに……
でも、オリヴァーさんのことを誰かが「かっこいい」って言うたびに、胸の奥がちくんと痛んだ。
この気持ちって……なに?
***
その日の午後。
グレタさんが「少し外出してくるわね」と出かけていったので、私はひとりで家の中の仕事をしていた。
すると、離れの扉がそっと開いて――
「……クラリスさん?」
振り返ると、そこにいたのはオリヴァーさんだった。
わたしは思わず、びっくりしてお皿を取り落としそうになった。
「あっ、オリヴァーさん! もう起きて動いちゃダメですっ、まだ傷が……!」
「大丈夫です。もうほとんど痛みもありませんから」
彼は静かに笑って、私のほうへ歩いてきた。
……でも、足取りはしっかりしていて、目にも力があって。
ほんとうに、もう大丈夫なんだとわかって、私は少し安心した。
「……クラリスさんには、たくさん助けてもらいましたね」
「いえ……その……わたし、何も……」
「そんなことはない」
彼の声は低くて、でもすごくやさしかった。
「君がいなければ、私は今ここにいない。あの森で、君の声が聞こえたとき、私は……光を見た気がした」
「……光、ですか?」
「ええ。だから、君には感謝してもしきれないんです」
私の手を、そっととって、彼が自分の胸にあてた。
「クラリスさん。……あなたに、お礼がしたい。何か、望むものはありませんか?」
「そ、そんなっ! そんなこと言われても……わたしは、ただ、助けたかっただけで……」
「でも、私は恩を返したい。それが礼儀ですから」
私は黙って、彼のまっすぐな瞳を見つめた。
こんなふうに、誰かに真正面から感謝されるのは初めてだった。
貴族の家にいたころは、「して当たり前」だったから。
誰かにほめられることも、感謝されることも、ほとんどなかった。
なのにこの人は――
騎士団の副団長で、すごく偉いはずなのに。
私みたいな、ただの田舎の薬草師に、こんなふうに感謝してくれている。
……なんだか、涙が出そうになった。
「……じゃあ、ひとつだけ」
私は小さな声で言った。
「……村の人たちに、迷惑かけないでほしいです。わたしが助けたせいで、みんなが気を使ったり、騒がしくなっちゃったら……いやなんです」
オリヴァーさんは少し驚いた顔をしたけど、すぐに、静かにうなずいた。
「わかりました。……約束します。君の大切な日常を、壊さないようにする」
「……ありがとうございます」
それだけのことなのに、なんだかすごく心があたたかくなった。
この人は、ただ“強い”だけじゃないんだ。
ちゃんと、やさしくて、誠実で――まっすぐで。
「……あの、オリヴァーさん」
「なんでしょう?」
「えっと……その、怪我がよくなったら……また、森に行きませんか?」
「森に?」
「はい。薬草採りに。今の季節、セントワートがきれいなんです。お礼はいらないので、それくらいなら……」
オリヴァーさんは少し黙って、それから――ふっと笑った。
「……それは、お礼ではなくて、お誘いですか?」
「ち、ちがっ、ちがいますっ!!」
「ふふ、冗談ですよ。喜んで、同行します」
そのとき、ふたりの間に流れた時間は、すごく静かで、あたたかくて――
私ははじめて、「誰かと一緒にいる幸せ」っていうのを、ほんの少しだけ知った気がした。
その日、私は朝からそわそわしていた。
何度も鏡の前に立って、髪を整えてみたり、スカートのしわを直したり――
自分でも、こんなに落ち着きがないのはおかしいと思う。
でも、それも全部、今日オリヴァーさんと“森へ行く”約束をしたから。
ほんの短いお誘いだったのに。
なのに、私の心はずっと浮ついていて、夜もなかなか眠れなかったくらい。
グレタさんにも「恋する乙女の顔だねえ」なんてからかわれてしまった。
恋……なんて、そんなつもりじゃなかったはずなのに。
「ふぅ……落ち着いて、クラリス」
自分のほっぺをぺちぺちと叩いて、気合いを入れる。
今日は、薬草採り。お仕事。おしごとなんだから!
「クラリスさん、お待たせしました」
聞き慣れた低くてやさしい声に振り返ると――
そこには、鎧ではなくシンプルな狩り装束に身を包んだオリヴァーさんが立っていた。
その姿が、ちょっとだけ――いえ、かなり――かっこよくて、私はまた心臓がばくばくしてしまった。
「……に、似合ってますね、その服」
「そうですか? クラリスさんが選んでくれたものですから」
「えっ……!? わ、わたしそんな、おしゃれに自信はないんですけど……」
「いえ。とても動きやすいですし、色も落ち着いていて気に入りました」
そう言って微笑む彼の目が、やっぱり真っ直ぐすぎて、私はまともに見られなかった。
こんなの……だめだ。おしごと、薬草採りに集中しないとっ!
***
森の中は、葉のこすれる音と小鳥のさえずりが心地よくて。
やっぱり、私はこの空気が好き。
「クラリスさんは、よくこの森に来られるんですか?」
「はい。村から少し離れてますけど、薬草がたくさん採れる場所があるんです」
「……ひとりで?」
「ええ。もともと、ひとりでいるの、あんまり苦じゃないので」
その言葉に、彼は少しだけ表情を曇らせた気がした。
「……さびしく、ないんですか?」
「さびしい、ですか……」
私は少しだけ、考えた。
侯爵家にいた頃のことを思い出す。
大きな屋敷。静かな部屋。絹のカーテン、銀の食器……でも、誰の声もしない。
「さびしくないふりをするのは、慣れていました。でも――今は、ちょっと違うかも」
「違う、とは?」
「この村には、グレタさんがいて。子どもたちがいて。今日みたいに、オリヴァーさんと話すこともあって……」
「……」
「だから、最近は少しだけ“さびしい”って気持ちを、知るようになったんです。あれ? 変ですね……?」
オリヴァーさんは私の言葉に、何も言わず、でもすごくやさしい目でうなずいてくれた。
……なんだろう、この気持ち。
まるで、自分の胸の奥にある弱いところを、そっと包んでくれるような……そんなぬくもり。
「クラリスさんは、強い方ですね」
「わたしは……弱いですよ。すぐ泣きそうになりますし、笑うのも得意じゃないですし……」
「でも、そんなあなたが、ひとりで生きている。誰にもすがらず、笑おうとしてる。――それは、強いということです」
彼の声が静かに、でも力強くて。
思わず、涙があふれそうになって、私は森の奥へ顔を向けた。
「……ありがとうございます」
***
セントワートの群生地に着いたとき、ちょうど日が差して、黄色い花がきらきら光って見えた。
まるで、森の中に小さな太陽がたくさんあるみたいで、とてもきれい。
「これが、セントワート……。薬草の中でも、とても貴重だと聞いています」
「はい。とくにこの時期のものは、よく効くんです。乾かして粉にして、保存しておけば、冬まで使えます」
オリヴァーさんも一緒に花を摘みながら、ふと、ぽつりと言った。
「……クラリスさん。あなたは、この村にずっといるつもりですか?」
「えっ……?」
「もし……この先、また侯爵家から戻れと言われたら?」
「戻りません。――絶対に」
その言葉は、自然に出た。迷いなんて、もうなかった。
「わたしは、ここが好きです。森も、村も。グレタさんも……オリヴァーさんも」
言ってから、思わずはっとして口をおさえた。
い、今……わたし、何て言ったの――!?
「クラリスさん……」
オリヴァーさんの手が、そっと私の手に重なった。
その手は大きくて、あたたかくて、包み込むみたいで――
私は顔が真っ赤になるのを止められなかった。
「わたしも、ここが好きです。あなたがいるから」
その言葉は、風の中にふわっと溶けていって、でもしっかり、私の胸に届いた。
この森の中で、ひっそりと咲いた恋の花。
きっと誰にも見えないところで、でも確かに、ふたりの距離は少しずつ近づいていた。
グレタさんの家の裏庭で洗濯物を干していた私は、空を見上げて深呼吸をする。
森の向こうに、淡い朝日がのぼって、霧のヴェールをとかしていくみたい。
「……よかった。今日はいい天気」
でも――私の心は、少し落ち着かない。
なぜなら……グレタさんの家の離れに、いま、“あの人”がいるのだ。
あの、灰色の瞳をした人。
傷だらけで倒れていたあの日から、もう一週間。
彼――オリヴァーさんは、順調に回復していた。
薬草の効き目もあって、今ではもう、寝ているだけでは退屈だというほど。
だけど、彼の正体が「騎士団の副団長」だと村の人たちに知れわたったのは、ほんの二日前のことだった。
「えっ!? あのクラリスちゃんが助けたのって、あの“氷の副団長”!?」
「ええ~!? 嘘でしょ!? あの人、王都の騎士団の中でも特に有名じゃない!」
「しかも未婚! 若くて、強くて、お金持ちで、真面目で、イケメンって……もう完璧じゃないのよぉぉ!!」
村のおばさまたちは朝市のたびにその話題でもちきりになり、若い娘たちはグレタさんの家の前をウロウロするようになった。
……なんだか、落ち着かない。ものすごく。
「クラリスちゃーん、彼ってどんな人? もしかしてもう恋人とか~?」
「えっ!? ち、違いますっ、そんなのじゃ……!」
私は顔を真っ赤にして、逃げるようにグレタさんの庭へ戻った。
ほんとうに、そういう関係なんかじゃないのに……
でも、オリヴァーさんのことを誰かが「かっこいい」って言うたびに、胸の奥がちくんと痛んだ。
この気持ちって……なに?
***
その日の午後。
グレタさんが「少し外出してくるわね」と出かけていったので、私はひとりで家の中の仕事をしていた。
すると、離れの扉がそっと開いて――
「……クラリスさん?」
振り返ると、そこにいたのはオリヴァーさんだった。
わたしは思わず、びっくりしてお皿を取り落としそうになった。
「あっ、オリヴァーさん! もう起きて動いちゃダメですっ、まだ傷が……!」
「大丈夫です。もうほとんど痛みもありませんから」
彼は静かに笑って、私のほうへ歩いてきた。
……でも、足取りはしっかりしていて、目にも力があって。
ほんとうに、もう大丈夫なんだとわかって、私は少し安心した。
「……クラリスさんには、たくさん助けてもらいましたね」
「いえ……その……わたし、何も……」
「そんなことはない」
彼の声は低くて、でもすごくやさしかった。
「君がいなければ、私は今ここにいない。あの森で、君の声が聞こえたとき、私は……光を見た気がした」
「……光、ですか?」
「ええ。だから、君には感謝してもしきれないんです」
私の手を、そっととって、彼が自分の胸にあてた。
「クラリスさん。……あなたに、お礼がしたい。何か、望むものはありませんか?」
「そ、そんなっ! そんなこと言われても……わたしは、ただ、助けたかっただけで……」
「でも、私は恩を返したい。それが礼儀ですから」
私は黙って、彼のまっすぐな瞳を見つめた。
こんなふうに、誰かに真正面から感謝されるのは初めてだった。
貴族の家にいたころは、「して当たり前」だったから。
誰かにほめられることも、感謝されることも、ほとんどなかった。
なのにこの人は――
騎士団の副団長で、すごく偉いはずなのに。
私みたいな、ただの田舎の薬草師に、こんなふうに感謝してくれている。
……なんだか、涙が出そうになった。
「……じゃあ、ひとつだけ」
私は小さな声で言った。
「……村の人たちに、迷惑かけないでほしいです。わたしが助けたせいで、みんなが気を使ったり、騒がしくなっちゃったら……いやなんです」
オリヴァーさんは少し驚いた顔をしたけど、すぐに、静かにうなずいた。
「わかりました。……約束します。君の大切な日常を、壊さないようにする」
「……ありがとうございます」
それだけのことなのに、なんだかすごく心があたたかくなった。
この人は、ただ“強い”だけじゃないんだ。
ちゃんと、やさしくて、誠実で――まっすぐで。
「……あの、オリヴァーさん」
「なんでしょう?」
「えっと……その、怪我がよくなったら……また、森に行きませんか?」
「森に?」
「はい。薬草採りに。今の季節、セントワートがきれいなんです。お礼はいらないので、それくらいなら……」
オリヴァーさんは少し黙って、それから――ふっと笑った。
「……それは、お礼ではなくて、お誘いですか?」
「ち、ちがっ、ちがいますっ!!」
「ふふ、冗談ですよ。喜んで、同行します」
そのとき、ふたりの間に流れた時間は、すごく静かで、あたたかくて――
私ははじめて、「誰かと一緒にいる幸せ」っていうのを、ほんの少しだけ知った気がした。
その日、私は朝からそわそわしていた。
何度も鏡の前に立って、髪を整えてみたり、スカートのしわを直したり――
自分でも、こんなに落ち着きがないのはおかしいと思う。
でも、それも全部、今日オリヴァーさんと“森へ行く”約束をしたから。
ほんの短いお誘いだったのに。
なのに、私の心はずっと浮ついていて、夜もなかなか眠れなかったくらい。
グレタさんにも「恋する乙女の顔だねえ」なんてからかわれてしまった。
恋……なんて、そんなつもりじゃなかったはずなのに。
「ふぅ……落ち着いて、クラリス」
自分のほっぺをぺちぺちと叩いて、気合いを入れる。
今日は、薬草採り。お仕事。おしごとなんだから!
「クラリスさん、お待たせしました」
聞き慣れた低くてやさしい声に振り返ると――
そこには、鎧ではなくシンプルな狩り装束に身を包んだオリヴァーさんが立っていた。
その姿が、ちょっとだけ――いえ、かなり――かっこよくて、私はまた心臓がばくばくしてしまった。
「……に、似合ってますね、その服」
「そうですか? クラリスさんが選んでくれたものですから」
「えっ……!? わ、わたしそんな、おしゃれに自信はないんですけど……」
「いえ。とても動きやすいですし、色も落ち着いていて気に入りました」
そう言って微笑む彼の目が、やっぱり真っ直ぐすぎて、私はまともに見られなかった。
こんなの……だめだ。おしごと、薬草採りに集中しないとっ!
***
森の中は、葉のこすれる音と小鳥のさえずりが心地よくて。
やっぱり、私はこの空気が好き。
「クラリスさんは、よくこの森に来られるんですか?」
「はい。村から少し離れてますけど、薬草がたくさん採れる場所があるんです」
「……ひとりで?」
「ええ。もともと、ひとりでいるの、あんまり苦じゃないので」
その言葉に、彼は少しだけ表情を曇らせた気がした。
「……さびしく、ないんですか?」
「さびしい、ですか……」
私は少しだけ、考えた。
侯爵家にいた頃のことを思い出す。
大きな屋敷。静かな部屋。絹のカーテン、銀の食器……でも、誰の声もしない。
「さびしくないふりをするのは、慣れていました。でも――今は、ちょっと違うかも」
「違う、とは?」
「この村には、グレタさんがいて。子どもたちがいて。今日みたいに、オリヴァーさんと話すこともあって……」
「……」
「だから、最近は少しだけ“さびしい”って気持ちを、知るようになったんです。あれ? 変ですね……?」
オリヴァーさんは私の言葉に、何も言わず、でもすごくやさしい目でうなずいてくれた。
……なんだろう、この気持ち。
まるで、自分の胸の奥にある弱いところを、そっと包んでくれるような……そんなぬくもり。
「クラリスさんは、強い方ですね」
「わたしは……弱いですよ。すぐ泣きそうになりますし、笑うのも得意じゃないですし……」
「でも、そんなあなたが、ひとりで生きている。誰にもすがらず、笑おうとしてる。――それは、強いということです」
彼の声が静かに、でも力強くて。
思わず、涙があふれそうになって、私は森の奥へ顔を向けた。
「……ありがとうございます」
***
セントワートの群生地に着いたとき、ちょうど日が差して、黄色い花がきらきら光って見えた。
まるで、森の中に小さな太陽がたくさんあるみたいで、とてもきれい。
「これが、セントワート……。薬草の中でも、とても貴重だと聞いています」
「はい。とくにこの時期のものは、よく効くんです。乾かして粉にして、保存しておけば、冬まで使えます」
オリヴァーさんも一緒に花を摘みながら、ふと、ぽつりと言った。
「……クラリスさん。あなたは、この村にずっといるつもりですか?」
「えっ……?」
「もし……この先、また侯爵家から戻れと言われたら?」
「戻りません。――絶対に」
その言葉は、自然に出た。迷いなんて、もうなかった。
「わたしは、ここが好きです。森も、村も。グレタさんも……オリヴァーさんも」
言ってから、思わずはっとして口をおさえた。
い、今……わたし、何て言ったの――!?
「クラリスさん……」
オリヴァーさんの手が、そっと私の手に重なった。
その手は大きくて、あたたかくて、包み込むみたいで――
私は顔が真っ赤になるのを止められなかった。
「わたしも、ここが好きです。あなたがいるから」
その言葉は、風の中にふわっと溶けていって、でもしっかり、私の胸に届いた。
この森の中で、ひっそりと咲いた恋の花。
きっと誰にも見えないところで、でも確かに、ふたりの距離は少しずつ近づいていた。
126
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので、元婚約者の兄(無愛想な公爵様)と結婚します
ニャーゴ
恋愛
伯爵令嬢のエレナは、社交界で完璧な令嬢と評されるも、婚約者である王太子が突然**「君とは結婚できない。真実の愛を見つけた」**と婚約破棄を告げる。
王太子の隣には、彼の新しい恋人として庶民出身の美少女が。
「うわ、テンプレ展開すぎない?」とエレナは内心で呆れるが、王家の意向には逆らえず破談を受け入れるしかない。
しかしその直後、王太子の兄である公爵アルベルトが「俺と結婚しろ」と突如求婚。
無愛想で冷徹と噂されるアルベルトだったが、実はエレナにずっと想いを寄せていた。
婚約破棄されたことで彼女を手に入れるチャンスが巡ってきたとばかりに、強引に結婚へ持ち込もうとする。
「なんでこんな展開になるの!?』と戸惑うエレナだが、意外にもアルベルトは不器用ながらも優しく、次第に惹かれていく——
だが、その矢先、王太子が突然「やっぱり君が良かった」と復縁を申し出てきて……!?
私を婚約破棄した男と私を罵る妹が不幸なようですが、ポジティブな私は騎士から溺愛されましたので、二人が落ちぶれ切っているのに全然気づかない
つちのこうや
恋愛
美少年と仲良くしていたポジティブな私。婚約破棄されたり、妹に酷いこと言われたりしたけど、相手にしない。
そんな私は美少年の兄の騎士と会うことになり……
一方で、勝手にざまぁな状態になっている婚約破棄してきた元夫と妹には全然気づきもしませんでしたわ
「平民とでも結婚すれば?」と捨てられた令嬢、隣国の王太子に溺愛されてますが?
ゆっこ
恋愛
「……君との婚約は、ここで破棄させてもらう」
その言葉を、私は静かに受け止めた。
今から一時間前。私、セレナ・エヴァレットは、婚約者である王国第一王子リカルド・アルヴェイン殿下に、唐突に婚約破棄を言い渡された。
「急すぎますわね。何か私が問題を起こしましたか?」
「いや、そういうわけではない。ただ、君のような冷たい女性ではなく、もっと人の心を思いやれる優しい女性と生涯を共にしたいと考えただけだ」
そう言って、彼は隣に立つ金髪碧眼の令嬢に視線をやった。
白い結婚をご希望ですか? 良いですよ。私はジャガイモと筋肉を育てますので!
松本雀
恋愛
「……いいか、エルゼ。あらかじめ言っておくが、私は君を愛するつもりはない」
「願ったり叶ったりです! 実は私、国境警備隊に幼馴染の恋人がいまして。この結婚が決まった時、二人で『体は売っても心は売らない』って涙ながらに誓い合ったんです。閣下が愛してくださらないなら、私の貞操も守られます! ありがとうございます、公爵閣下!」
「……こいびと?」
◆
「君を愛するつもりはない」
冷徹な公爵ギルベルトが新婚初夜に放った非情な宣告。しかし、新妻エルゼの反応は意外なものだった。
「よかった! 実は私、国境警備隊に恋人がいるんです!」
利害が一致したとばかりに秒速で就寝するエルゼ。彼女の目的は、愛なき結婚生活を隠れ蓑に、恋人への想いを込めた「究極のジャガイモ」を育てることだった!
公爵家の庭園を勝手に耕し、プロテインを肥料にするエルゼに、最初は呆れていたギルベルト。だが、彼女のあまりにフリーダムな振る舞いと、恋人への一途(?)な情熱を目の当たりにするうち、冷徹だった彼の心(と筋肉)に異変が起き始めて……!?
無能だと捨てられた王子を押し付けられた結果、溺愛されてます
佐崎咲
恋愛
「殿下にはもっとふさわしい人がいると思うんです。私は殿下の婚約者を辞退させていただきますわ」
いきなりそんなことを言い出したのは、私の姉ジュリエンヌ。
第二王子ウォルス殿下と私の婚約話が持ち上がったとき、お姉様は王家に嫁ぐのに相応しいのは自分だと父にねだりその座を勝ち取ったのに。
ウォルス殿下は穏やかで王位継承権を争うことを望んでいないと知り、他国の王太子に鞍替えしたのだ。
だが当人であるウォルス殿下は、淡々と受け入れてしまう。
それどころか、お姉様の代わりに婚約者となった私には、これまでとは打って変わって毎日花束を届けてくれ、ドレスをプレゼントしてくれる。
私は姉のやらかしにひたすら申し訳ないと思うばかりなのに、何やら殿下は生き生きとして見えて――
=========
お姉様のスピンオフ始めました。
「国を追い出された悪女は、隣国を立て直す」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/465693299/193448482
※無断転載・複写はお断りいたします。
転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?
朱音ゆうひ@『桜の嫁入り』発売中です
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!
「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」
王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。
不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。
もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた?
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)
離婚寸前で人生をやり直したら、冷徹だったはずの夫が私を溺愛し始めています
腐ったバナナ
恋愛
侯爵夫人セシルは、冷徹な夫アークライトとの愛のない契約結婚に疲れ果て、離婚を決意した矢先に孤独な死を迎えた。
「もしやり直せるなら、二度と愛のない人生は選ばない」
そう願って目覚めると、そこは結婚直前の18歳の自分だった!
今世こそ平穏な人生を歩もうとするセシルだったが、なぜか夫の「感情の色」が見えるようになった。
冷徹だと思っていた夫の無表情の下に、深い孤独と不器用で一途な愛が隠されていたことを知る。
彼の愛をすべて誤解していたと気づいたセシルは、今度こそ彼の愛を掴むと決意。積極的に寄り添い、感情をぶつけると――
婚約破棄されたけど、どうして王子が泣きながら戻ってくるんですか?
ほーみ
恋愛
「――よって、リリアーヌ・アルフェン嬢との婚約は、ここに破棄とする!」
華やかな夜会の真っ最中。
王子の口から堂々と告げられたその言葉に、場は静まり返った。
「……あ、そうなんですね」
私はにこやかにワイングラスを口元に運ぶ。周囲の貴族たちがどよめく中、口をぽかんと開けたままの王子に、私は笑顔でさらに一言添えた。
「で? 次のご予定は?」
「……は?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる