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11彼の秘密に少しだけ触れてしまった
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その日の夜八時半。
アルバイト帰りの私は、今日も黒い綿パンに白いブラウス、それに黒いパーカーといういつもの服装で、早足で繁華街を歩いていた。
酔った大人たちが機嫌よさそうに通りを歩いている。
今日は金曜日なので、二軒目三軒目に行くんだろうな。
酔っ払いたちを避け、私は家路を急ぐ。
遊佐君と会った後同じ時間に何度かここを通っているけれど、今のところトラブルに巻き込まれてはいない。
絶対何かトラブルに巻き込まれると思ったけれど、大丈夫なのかな……
いや、巻き込まれたくはないんだけど。
夜の繁華街は騒がしい。
ショッピングモールの騒々しさとは違う、何かこう、淀んだ感じがするというかなんというか。
ホステス風の、綺麗なお姉さんがサラリーマン風のおじさんと仲良さそうに歩いているけれど、たぶんあれ、仕事だよねえ。
同伴出勤かな。
この間、遊佐君も年上の女性と歩いていたっけ?
名前は……
「あら、こんばんはー」
と言い、目の前に立ち塞がったのは綺麗なお姉さんでした。
この間、遊佐君と一緒にいた女性だ。
長い黒髪はストレート。一重の瞳がキリッとした、知的な美人。
どう頑張ってもこうはなれないなあ。
「こ、こ、こ……こんばんは」
驚きで私の声が裏返ってるのは気のせいではないだろう。
濃いグレーのパンツスーツ姿の彼女は、私の目の前までくると、じっと目を見つめた。
ってあれ? 今一瞬、目の色が変わったような?
人の目の色が変わるなんて、あるわけないよねえ。
そう私が困惑していると、ヒカルさんは、ふふふ、と笑った。
「貴方のその目には、少し不思議な世界が映るようね」
「え?」
思わず身体がびくつく。
何、この人、何なの?
遊佐君も変だけれど、この人も変な人?
「あら、驚かせた? ごめんなさいね。私は角谷ヒカル。チサトの常連客よ」
常連客。と自分からいうものなのだろうか。いや、よくわかんないけれど。
どう反応していいのかわからない私は、苦笑して頷くしかなかった。
「そ、そ、そうなんですか……」
名前を名乗られたら、私も名乗らないわけにはいかない。
私はショルダーバッグの紐を握りしめ、すうっと大きく息を吸って言った。
「わ、私は……和華、です。豊崎和華」
すると、ヒカルさんは腕を組み、微笑んで言った。
「素敵な名前ね」
そう、かな。そう真正面から言われると照れてしまう。
この人は遊佐君が私に向かって、彼女、という大嘘をかましていたのを見聞きしていた。
それを思い出すと何とも言えない気持ちになってしまう。
だって、さっきヒカルさんは、チサトの常連客って言っていたし。
でも嫉妬してるとか怒っているとか、そう言う様子はないしな。
というか、何で私に話しかけてきたんだろうか?
私は勇気を振り絞り、疑問を投げかけた。
「あの、なんで私に声をかけたんですか?」
「そうねえ……」
ヒカルさんは、赤く形のいい唇に右手の人差し指を当てて、うーん、と呻った。
「あの子の彼女に興味を持ったからかな?」
「すみません、彼女じゃないです違います」
それについては速攻で否定する。
ヒカルさんは、
「でしょうねー。あの子は勝手にそう決めているようだけど」
などと言う恐ろしいことを事もなげに言う。
「いや、それって勝手に決めつけるものじゃないですよね」
「そうねえ。普通はそうかもしれないわね」
そう言ったヒカルさんはとても楽しそう……いや、嬉しそうだった。
何なのこの人。
まあ、遊佐君のお客さんだもんね。変な人なのは当たり前かと、自分を無理矢理納得させる。
「貴方に少し不思議な世界が映るように、あの子にも私たちとは違う世界が映るのよ。詳細は言えないけれど……でもあの子に映る世界はきっと、闇でしょうね」
言いながら、ヒカルさんは顔を伏せる。
闇? 闇ってどういう意味?
私の頭は困惑、という文字でいっぱいになっていた。
「あの、なんで私にそんな話……」
戸惑いつつそう問いかけると、彼女は腕を組み、私を笑みを浮かべて見つめた。
「あのね、時々あの子には闇以外のものが見える相手がいるらしいのよ。私は残念ながら違うらしいけれど」
闇……見えるもの……
私はヒカルさんが何を示唆しようとしているのか必死で考える。
きっと遊佐君がもつ特殊な力の話だろう。
話の流れからして、たぶん、ヒカルさんは相手がどんな能力を持っているのかわかるんじゃないだろうか?
だから私の目に映る世界が少し不思議、と言ったのではと思う。
赤い糸が見える私の目は、はたから見たら不思議なものだもんねえ。
遊佐君の目に映る闇ってなんだろう?
何を比喩しているのか、全然想像できないぞ。
闇ってなんなのよ……っていうか私、はっきりしないの嫌なんだけどな。
「すみません、何を言いたいのかさっぱりわからないです」
そう答えた私の声は、ちょっと尖っていた。
わからないことは人を不機嫌にさせるものだと思う。
それに彼女は気が付いただろうけれど、気にした様子はなく、ころころと笑う。
「あら、ちょっと気に障ったかしら? ごめんね。
私、ちょっと貴方に希望を伝えたかったのよ」
「希望? ろくに知らない私に、希望、ですか?」
そう言われると不審しか感じないんだけれど。
ヒカルさんは相変わらず笑顔のまま答える。
「貴方、言いにくいことをはっきり言うのねえ」
いや、まあ、取り繕う必要なんて感じないし。そもそもろくに知らない相手ですし、どう思われようと知ったこっちゃない。
「貴方にこんなことを言うのは間違っているでしょうけれど。私としてはね、お嬢さん」
お嬢さん、という呼び方にちょっとカチンとしつつ、私は彼女の言うことを黙って聞いた。
「チサトが闇に飲み込まれる前に、救い出してくれたらいいな、って思ったのよ」
哀しげな瞳で顔を伏せたヒカルさんは、しばらく沈黙した後、ぱっと顔を上げて私に手を振った。
「そう言うわけだから、チサトのことよろしくね!」
「はい?」
ちょっと何を言いたいのかわかんないんですけど!
苦情を言う前に、ヒカルさんは手を振って雑踏の中に消えていってしまった。
……なんなのあれ。
アルバイト帰りの私は、今日も黒い綿パンに白いブラウス、それに黒いパーカーといういつもの服装で、早足で繁華街を歩いていた。
酔った大人たちが機嫌よさそうに通りを歩いている。
今日は金曜日なので、二軒目三軒目に行くんだろうな。
酔っ払いたちを避け、私は家路を急ぐ。
遊佐君と会った後同じ時間に何度かここを通っているけれど、今のところトラブルに巻き込まれてはいない。
絶対何かトラブルに巻き込まれると思ったけれど、大丈夫なのかな……
いや、巻き込まれたくはないんだけど。
夜の繁華街は騒がしい。
ショッピングモールの騒々しさとは違う、何かこう、淀んだ感じがするというかなんというか。
ホステス風の、綺麗なお姉さんがサラリーマン風のおじさんと仲良さそうに歩いているけれど、たぶんあれ、仕事だよねえ。
同伴出勤かな。
この間、遊佐君も年上の女性と歩いていたっけ?
名前は……
「あら、こんばんはー」
と言い、目の前に立ち塞がったのは綺麗なお姉さんでした。
この間、遊佐君と一緒にいた女性だ。
長い黒髪はストレート。一重の瞳がキリッとした、知的な美人。
どう頑張ってもこうはなれないなあ。
「こ、こ、こ……こんばんは」
驚きで私の声が裏返ってるのは気のせいではないだろう。
濃いグレーのパンツスーツ姿の彼女は、私の目の前までくると、じっと目を見つめた。
ってあれ? 今一瞬、目の色が変わったような?
人の目の色が変わるなんて、あるわけないよねえ。
そう私が困惑していると、ヒカルさんは、ふふふ、と笑った。
「貴方のその目には、少し不思議な世界が映るようね」
「え?」
思わず身体がびくつく。
何、この人、何なの?
遊佐君も変だけれど、この人も変な人?
「あら、驚かせた? ごめんなさいね。私は角谷ヒカル。チサトの常連客よ」
常連客。と自分からいうものなのだろうか。いや、よくわかんないけれど。
どう反応していいのかわからない私は、苦笑して頷くしかなかった。
「そ、そ、そうなんですか……」
名前を名乗られたら、私も名乗らないわけにはいかない。
私はショルダーバッグの紐を握りしめ、すうっと大きく息を吸って言った。
「わ、私は……和華、です。豊崎和華」
すると、ヒカルさんは腕を組み、微笑んで言った。
「素敵な名前ね」
そう、かな。そう真正面から言われると照れてしまう。
この人は遊佐君が私に向かって、彼女、という大嘘をかましていたのを見聞きしていた。
それを思い出すと何とも言えない気持ちになってしまう。
だって、さっきヒカルさんは、チサトの常連客って言っていたし。
でも嫉妬してるとか怒っているとか、そう言う様子はないしな。
というか、何で私に話しかけてきたんだろうか?
私は勇気を振り絞り、疑問を投げかけた。
「あの、なんで私に声をかけたんですか?」
「そうねえ……」
ヒカルさんは、赤く形のいい唇に右手の人差し指を当てて、うーん、と呻った。
「あの子の彼女に興味を持ったからかな?」
「すみません、彼女じゃないです違います」
それについては速攻で否定する。
ヒカルさんは、
「でしょうねー。あの子は勝手にそう決めているようだけど」
などと言う恐ろしいことを事もなげに言う。
「いや、それって勝手に決めつけるものじゃないですよね」
「そうねえ。普通はそうかもしれないわね」
そう言ったヒカルさんはとても楽しそう……いや、嬉しそうだった。
何なのこの人。
まあ、遊佐君のお客さんだもんね。変な人なのは当たり前かと、自分を無理矢理納得させる。
「貴方に少し不思議な世界が映るように、あの子にも私たちとは違う世界が映るのよ。詳細は言えないけれど……でもあの子に映る世界はきっと、闇でしょうね」
言いながら、ヒカルさんは顔を伏せる。
闇? 闇ってどういう意味?
私の頭は困惑、という文字でいっぱいになっていた。
「あの、なんで私にそんな話……」
戸惑いつつそう問いかけると、彼女は腕を組み、私を笑みを浮かべて見つめた。
「あのね、時々あの子には闇以外のものが見える相手がいるらしいのよ。私は残念ながら違うらしいけれど」
闇……見えるもの……
私はヒカルさんが何を示唆しようとしているのか必死で考える。
きっと遊佐君がもつ特殊な力の話だろう。
話の流れからして、たぶん、ヒカルさんは相手がどんな能力を持っているのかわかるんじゃないだろうか?
だから私の目に映る世界が少し不思議、と言ったのではと思う。
赤い糸が見える私の目は、はたから見たら不思議なものだもんねえ。
遊佐君の目に映る闇ってなんだろう?
何を比喩しているのか、全然想像できないぞ。
闇ってなんなのよ……っていうか私、はっきりしないの嫌なんだけどな。
「すみません、何を言いたいのかさっぱりわからないです」
そう答えた私の声は、ちょっと尖っていた。
わからないことは人を不機嫌にさせるものだと思う。
それに彼女は気が付いただろうけれど、気にした様子はなく、ころころと笑う。
「あら、ちょっと気に障ったかしら? ごめんね。
私、ちょっと貴方に希望を伝えたかったのよ」
「希望? ろくに知らない私に、希望、ですか?」
そう言われると不審しか感じないんだけれど。
ヒカルさんは相変わらず笑顔のまま答える。
「貴方、言いにくいことをはっきり言うのねえ」
いや、まあ、取り繕う必要なんて感じないし。そもそもろくに知らない相手ですし、どう思われようと知ったこっちゃない。
「貴方にこんなことを言うのは間違っているでしょうけれど。私としてはね、お嬢さん」
お嬢さん、という呼び方にちょっとカチンとしつつ、私は彼女の言うことを黙って聞いた。
「チサトが闇に飲み込まれる前に、救い出してくれたらいいな、って思ったのよ」
哀しげな瞳で顔を伏せたヒカルさんは、しばらく沈黙した後、ぱっと顔を上げて私に手を振った。
「そう言うわけだから、チサトのことよろしくね!」
「はい?」
ちょっと何を言いたいのかわかんないんですけど!
苦情を言う前に、ヒカルさんは手を振って雑踏の中に消えていってしまった。
……なんなのあれ。
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