【完結】ある日会社の受付に女神様がやって来た  ~ 受付に女神がいたよ ~ 

hazuki.mikado

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「おお、神谷。

 急ですまんな!

 娘を庇ってくれてたようだな、恩に着るぞ!」


 ガハハと豪快に笑うのは、イシカワ・コーポレーション社長石川隼雄46歳既婚。


「ヤダー。

 メイクがまだ出来てなかったのにぃ!

 ママの意地悪~」

 ――げげっこの声は!


 恐る恐る振り返ると祐一の後ろ側3メートルくらいの所に仁王立ちでプンスコ怒っている美少女が・・・

 麗奈の妹、職業モデル(らしい)石川美奈18歳。

 目にも鮮やかな赤いフード付きの短めのマント。

 ホルターネックの花柄のブラウスにヒラヒラ捲れ上がりそうな白いミニスカート。

 マイクロスパッツと白いニーソとベージュのサイドゴアブーツ。

 何故か片手にコンパクトを持って覗き込みながら歩いてくる。

 うん、赤ずきんちゃん。


「あ、祐一さんだ~♡」


 コンパクトをサコッシュに慌てて放り込みぴょんと跳ねるように祐一に向かって飛びついてきて、いきなり腰に手を回して抱きつく美奈。


「コラ離れなさい~!!  

 悪役令嬢」

「やだあ~!!

 んも~!」


 ベリっと言う効果音が聞こえそうな勢いで、祐一から美奈を力技で引っ剥がす女神様。

 後光が差しているのはもう馴れた。

 イシカワ・コーポレーション社長夫人、石川アイーシャ。

 因みに年齢は怖くて聞けない。

 真っ白いペプロスとヴェール、手には見たことのあるような、無いような2対の羽の付いた杖を持っている。

 もうまんま女神様。

 デスヨネー。

 よく見ると、麗奈の格好も変わっていて、ワンピースはそのままだが白いクタっとしたショートブーツを履いていて、会長と同じような長い真白なマントを羽織っている。

 金の羽根飾りの付いた、白いベレー帽を被って、まるで聖女様・・・ 

 うお、かわいい。


 そして徐ろに足元に目を向け自分の格好に気がついた祐一。


「うわ、なんだコレ?」


 体にピタッとした飾り気のないライダースジャケットみたいな真っ黒な革ジャンと同じ素材のスリムパンツに黒い編み上げブーツ。

 首周りに真っ黒い長いストールが引掛てある。


「悪役ライダー?!」


 祐一の叫びに、

『ぶふぉッ!』

 と社長が吹き出した。

 会長は首をひねり、石川姉妹は口に手を当てて、顔を赤くしている。


「んまあ~ 珍しい。

 祐一クンの職業って『忍者』だわ」


 と、女神がそう言いながら目を細めた。


「・・・・・」


 何で、よりによってソレ?


 祐一は頭を抱えたくなった。


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