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71 第2秘書
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「恋人がいれば、男色の噂も払拭できるしさアデラインとの仲を嗅ぎ回られる事も無くなるだろう? 面倒な釣書よけにもなるじゃん」
「あのな、簡単に言うけど相手が必要なんだぞ? そんなに簡単に恋人が見つかるわけ無いだろうッ!!」
弟がニヤリと笑った。
嫌な予感がするのは何故だろう・・・
×××
「おはようございますッ!」
翌日引っ越し荷物のダンボールの積まれた3階の会長室に何故か敬礼するサーシャ嬢の姿があった・・・
え? どういう事?
部屋の片付けを秘書のチャーリーとサーシャ嬢に任せ、冷静なフリを装ったまま社長室に逃げ込んだ。
「何で彼女がいるんだ?」
「え、何? ひょっとしてベイリー嬢の事?」
「そうだよ」
ソファーについ『ドスン』という音をさせて乱暴に座ると、俺の顔を見て急にニヤつく弟。
「サーシャ・ベイリー嬢は、チャーリーの推薦だよ。他の部署にいる責任者達からもお墨付きを貰ったから兄さん付きの第2秘書にしたんだけど、何か不満でもあるのかなぁ?」
「・・・ 女性じゃないか」
「あのね、いい加減男性秘書との仲をゴシップネタにされてるんだよ? 女性を兄さんの周りに配属しないでどうするのさ『男色ハーレム』とか言われちゃうよ?」
「・・・くッ」
それは嫌だ。
「ま、彼女結構優秀みたいだし」
「ああ、そうらしいな」
「兄さんの後輩だし」
「・・・ まあ確かに」
イヤらしい笑顔の弟を睨むと、更にニヤつかれた。
「彼女が入社してから兄さんの笑顔を見たって噂になってるしさぁ」
「・・・」
向かい側のソファーに腰を掛けるクリスを睨み返す。
「チャーリー1人で3階と1階行き来をさせるのも可哀想じゃん」
「1階に俺が行けばいいじゃないか・・・」
「ソレじゃチャーリーが気を使うから負担になるじゃん」
「・・・う」
「ベイリー嬢も、『会長のお役に立つよう頑張りますッ』って喜んで引き受けてくれたんだしさぁ~、今更ナシになんかできっこないじゃん。それこそ彼女が可哀想じゃん。もう決定事項だから諦めてね~」
「・・・」
ヘラヘラと笑う弟に俺は言い返すことが出来なかった・・・
「あのな、簡単に言うけど相手が必要なんだぞ? そんなに簡単に恋人が見つかるわけ無いだろうッ!!」
弟がニヤリと笑った。
嫌な予感がするのは何故だろう・・・
×××
「おはようございますッ!」
翌日引っ越し荷物のダンボールの積まれた3階の会長室に何故か敬礼するサーシャ嬢の姿があった・・・
え? どういう事?
部屋の片付けを秘書のチャーリーとサーシャ嬢に任せ、冷静なフリを装ったまま社長室に逃げ込んだ。
「何で彼女がいるんだ?」
「え、何? ひょっとしてベイリー嬢の事?」
「そうだよ」
ソファーについ『ドスン』という音をさせて乱暴に座ると、俺の顔を見て急にニヤつく弟。
「サーシャ・ベイリー嬢は、チャーリーの推薦だよ。他の部署にいる責任者達からもお墨付きを貰ったから兄さん付きの第2秘書にしたんだけど、何か不満でもあるのかなぁ?」
「・・・ 女性じゃないか」
「あのね、いい加減男性秘書との仲をゴシップネタにされてるんだよ? 女性を兄さんの周りに配属しないでどうするのさ『男色ハーレム』とか言われちゃうよ?」
「・・・くッ」
それは嫌だ。
「ま、彼女結構優秀みたいだし」
「ああ、そうらしいな」
「兄さんの後輩だし」
「・・・ まあ確かに」
イヤらしい笑顔の弟を睨むと、更にニヤつかれた。
「彼女が入社してから兄さんの笑顔を見たって噂になってるしさぁ」
「・・・」
向かい側のソファーに腰を掛けるクリスを睨み返す。
「チャーリー1人で3階と1階行き来をさせるのも可哀想じゃん」
「1階に俺が行けばいいじゃないか・・・」
「ソレじゃチャーリーが気を使うから負担になるじゃん」
「・・・う」
「ベイリー嬢も、『会長のお役に立つよう頑張りますッ』って喜んで引き受けてくれたんだしさぁ~、今更ナシになんかできっこないじゃん。それこそ彼女が可哀想じゃん。もう決定事項だから諦めてね~」
「・・・」
ヘラヘラと笑う弟に俺は言い返すことが出来なかった・・・
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