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82 ステファン視点⑦
しおりを挟むホテルで実践をと言われたがタウンハウスに連れて行った。
馴染んだ場所ならもっと緊張しなくていいかも知れないと思ったのだ。
でもそれが間違いだった。
てっきり自邸にいると思っていたアディがいきなりやって来たのだ。
言い訳なんか出来ない。
俺はベッドの上で講師である彼女の上に伸し掛かっていたのだから。
言い訳したけど・・・
「追いかけて来たら離婚するわよ」
引き攣った笑顔で、そう言われて固まった。
しかも服は着ていないので本当に追いかける事もできない。
ガウンを引っ掛けてドアから出て行った筈の彼女を追いかけたが、どこにも見当たらなかった。
多分馬車を待たせていたんだろう。
肩を落として部屋に戻ると、マリアが眉を下げて困った顔でこっちを見ていた。
「困りましたわね。勘違いされましたわよ?」
「でも君を抱こうとしていたのは間違い無いから言い訳出来ない」
更に言い訳できないのは俺の股間の息子だが・・・
何故アディに勃起せず、マリアには頑張って勃ち上がる?
「勃ち上がっているようでも中折れするかもしれませんわよ?」
「え?」
「挿入時によくあるのは、中折れですわね。あと挿入時に入り口で萎んでしまう事です。入れた後の早漏は最早我慢するしかありませんが・・・」
綺麗な顔で次々と悪魔のような事を言う・・・
結果、入り口で暴発。
中で一気に爆発。
元気が亡くなってリタイア・・・
泣きそうだった・・・
これじゃあ子供が望めないじゃないか? しかもマリアには頑張れる息子が本番のアディの時に勃ち上がる保証がないんだぞ?
翌朝アディが何処にもいないのに気が付いて探し回ったが、オルコットの別邸に身を寄せていた。
結局エイダンを頼ったんだとつい電話で言い合いになったけど、それは偶々だったことをエイダン本人からも聞いていたのに頭に血が上って忘れてた。
何度も電話でやり取りをしてやっと帰ってきてくれたと思ったら。
『おかしいんですの、身籠らないはずですのに月のモノが来ませんのよ』
電話でマリアへ経過報告をしていた途中でそう言われた。
丁度あれから3ヶ月。
もし彼女に子供が出来ていたら。
俺の子供だ・・・
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