【完結】ずっと君を愛してる〜心惹かれる想いを君へ〜

hazuki.mikado

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98 サーシャ視点⑩

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 「ちょっとクリスの所に行ってくる」


 私達にそう言い残して会長がその場を去った後、黙々と荷ほどきを続けていると1階の庶務課の男性社員がやって来て、チャーリーさんに何かを耳打ちする。


 「ベイリー嬢はそのまま作業を続けて下さい。私は来客の対応をしますから。休憩は適宜取ってもらって結構ですので」


 彼はそう言い残し部屋から出て行った。


 会長のお客さんかな~、まだここ片付いてないから、応接室を使うんだろうな・・・


 重厚な絨毯が敷き詰められ、窓に掛かる天鵞絨のカーテンはまるで緞帳みたいで部屋自体がどっしり落ち着いている。

 壁際に置かれた硝子張りの本棚は、まだ何も入ってない。

 あれがこの本達で埋まる場面を想像すると勝手に頬が緩み、にやけるのをやめられない。


 「やった。借りて読んでいいって。ラッキー」


 私は手袋をしたままの両手を荷ほどきの作業に戻す事にした。



×××



 「なに? エイダン・オルコットの秘書?」


 家に帰ると、夜勤から帰ってきたばかりのカイル兄さんが今日から仕事内容が『第2秘書』だと聞いて目を剥いた。


 「男色家の男とその恋人と一緒に仕事とか、あり得んッ!!」


 兄さんは、未だ会長の男色家疑惑に惑わされているようだ。


 めんどくさいなぁ・・・


 「嫌だわ、カイルっったら楽しそうじゃないの?」

 「母さん! なにを呑気な!」

 「男色家なら女性に興味がないから、却って安全じゃない? ね、サーシャ。楽しそうなことがあったら教えてねぇ♡」

 「母さん・・・」


 母はやっぱり腐女子の素質があるようだった・・・・


 取り敢えずカイル兄さんが落ち着いたからまあ、いっか。


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