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第三章 月の檻
太陽の妃
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妃となる――その言葉は柔らかい。
白い布の響きがする。
祝福と香と、花弁の匂いがする。
だが、ヴァルディアのそれは違った。
妃は花ではない。
妃は証だ。
王が手に入れたことを、世界に示すための。
ヴァルディア王都へ向かう道は、焼け跡の匂いがした。
エルセリアの道は本来、土と麦と水の匂いがする。豊かさは匂いを持つ。
だがその匂いは、進軍の轍と煤に塗り替えられていた。
ルナは馬車の中にいた。
鎖はない。
縄もない。
必要がないからだ。
逃げないと知っているのではない。逃げても意味がないと知っているのだ。
アルベルトの命が、首の根に置かれている。
向かいに座るソルは、静かだった。
赤い炎色の瞳が、時折ルナを捉える。
獲物を見張る目。
だが同時に、確かめる目でもある。
(いる)
(ここに)
(消えていない)
そう言っているような目。
ルナはその視線を受け止めながら、胸の奥で祈っていた。
――怪物にならないで。
――これ以上、壊れないで。
祈りの対象は、神ではない。
目の前の、孤独の王だ。
ヴァルディアに入った瞬間、空気が変わる。
冷たい。
乾いている。
石の匂い。
鉄の匂い。
そして、人々の視線。
値踏み。警戒。従属。
民は、王を恐れている。
恐れは、秩序を作る。
秩序は、国を回す。
ヴァルディアは、恐れで成立している国だ。
ルナは理解する。
ソルがここで育ったなら――
愛の形が歪むのは、当然だと。
王城は、高い門も黒い壁の向こうにあった。
冷たい回廊に囲まれ、灯りの少ない天井が覆っている。
かつて、ソルが沈黙を覚えた場所。
そして今、ルナの檻となる場所だった。
迎えは多かった。
官吏、将軍、貴族。
誰もが跪き、誰もが祝福の言葉を並べる。
だがその祝福は、ルナに向けたものではない。
王の“戦利品”に向けた祝福だ。
「陛下、凱旋を」
「神の御加護を」
「妃殿下に栄光を」
言葉は美しい。
だが、温度がない。
温度がない言葉は、刃になる。
ルナは、笑わなかった。
ただ、目を伏せた。
神官としての作法で。
表情を整えることで、自分を守る。
儀式は短かった。
豪奢な婚礼など要らない。
ソルに必要なのは形式ではなく、宣言だ。
玉座の前、王が立つ。
ルナは、その隣に立たされる。
「今日より、この者は我が妃」
ただ、それだけ。
誰も、異を唱えない。
唱えれば、焼かれる。
ヴァルディアは意見ではなく、力で沈黙する国だ。
ソルは、ルナの手を取る。
指先の圧が強い。
痛いほどではない。
だが、逃げ道を残さない圧だ。
所有するための、触れ方だった。
その夜。
ルナは、与えられた部屋に通された。
美しい部屋だった。
絹の寝台。
香木の棚。
窓は大きい。
月が見える。
だが、窓の外には鉄格子があった。
装飾の形をした格子。
優雅に見せかけた、牢。
ルナは窓辺に立ち、月を見る。
(同じ月だ)
エルセリアで見ていた月と同じ。
なのに、ここでは遠く感じた。
扉が静かに開き、ソルが入ってきた。
護衛はいない。
侍従もいない。
王は、一人で来た。
それが、異様だった。
この国の王は孤独を嫌うのに、孤独を選ぶ。
いや、違う。
孤独を選んでいるのではない。
孤独を“月で埋めようとしている”。
ソルの赤い瞳が、部屋の中の空気を塗り替える。
緊張の熱で、温度が上がる。
「……泣いていたか」
ソルが言う。
ルナは首を振る。
泣いてはいない。
涙は出ない。
泣けば、自分が壊れるから。
ソルは近づく。
距離が詰まる。
ルナの背が窓に触れる。
逃げ場がない。
ソルは手を伸ばし、ルナの頬に触れる。
指は意外なほど、丁寧だった。
乱暴ではない。
だが、優しさでもない。
壊れないように、触れているだけだ。
壊れたら困るから。
自分のものが壊れるのは、困るから。
「俺は、約束を守った」
ソルが言う。
「第一王子は生きている」
ルナは息を吐く。
安堵。
その安堵を、ソルは見逃さない。
赤い瞳が、わずかに細くなる。
満足。
それは善意への満足ではない。
支配が効いたことへの満足だ。
ルナは、それでも言う。
「……ありがとうございます」
ソルは笑う。
薄い笑み。
「礼はいらない」
そして囁く。
「代わりに」
指が頬から顎へ移る。
持ち上げる。
視線を合わせる。
「お前はここにいろ」
命令。
懇願ではない。
誓いでもない。
ただの、決定。
ルナは、静かに答える。
「います」
嘘ではない。
もう、逃げられないから。
だが、ソルはその意味を別の形で受け取る。
勝利として。
承諾として。
愛として。
ソルは息を吐き、まるで安堵するように目を伏せる。
その瞬間だけ、彼は少年になる。
十歳で捨てられた少年。
十三で救われた少年。
十四で引き離された少年。
その少年が、今だけ顔を出す。
そして次の瞬間、王に戻る。
怖いのだ。
弱さが露出するのが。
だから、王の顔で塗り固める。
「お前は」
ソルが言う。
低い声。
「俺のものだ」
その言葉に、ルナの胸が痛む。
拒絶したい。
だが、拒絶できない。
拒絶は、死を呼ぶ。
アルベルトの死を。
だから、ルナは沈黙する。
沈黙は、承諾ではない。
だがソルにとって沈黙は、最も都合のいい肯定だ。
ソルは、ルナの髪に触れる。
銀の糸のような髪。
撫でる。
梳く。
指の間を通す。
その触れ方は、執着に似ていた。
祈りの代わりの触れ方。
失わないための確認。
「……きれいだ」
呟く。
幼い言葉。
そして、続ける。
「隠すな」
ルナは微かに眉を動かす。
「何を」
ソルは言う。
「お前の光」
月は光らない。
光を反射するだけ。
だがソルの中で、ルナは光だ。
自分を照らす唯一の光。
だから、隠されたくない。
誰にも、見せたくないくせに。
矛盾が、ソルの中で渦巻く。
「明日から」
ソルが言う。
「俺の隣に立て」
ルナは頷く。
「分かりました」
その言葉が、また鎖になる。
ソルの中で。
“隣に立つ”が、“隣にいる”に変わり、
“隣にいる”が、“離れない”に変わり、
“離れない”が、“永遠”に変わる。
人は言葉を歪めて、狂う。
ソルは、その天才だった。
ソルは最後に、ルナの唇に触れるように口づけた。
深くはない。
だが、それは印だった。
所有の印。
刻む印。
そして、囁く。
「逃げるな」
ルナは答えない。
答えられない。
逃げたいのではなく、救いたいのだから。
救うために、残るのだから。
だがその真実は、ソルには届かない。
届かないからこそ、ソルは確信を強める。
確信は、執着を育てる。
執着は、世界を狭める。
世界が狭まるほど、王は安心する。
扉が閉まる。
足音が遠ざかる。
ルナは一人になる。
月が格子の向こうで光っている。
ルナは胸に手を当て、目を閉じる。
祈る。
神ではない。
ソルへ。
そして、遠くのエルセリアへ。
アルベルトへ。
(生きていて)
(どうか)
(壊れないで)
その願いは、両立しない。
それを知りながら、ルナは祈る。
二百年の癖で。
救いたい癖で。
見捨てられない癖で。
白い布の響きがする。
祝福と香と、花弁の匂いがする。
だが、ヴァルディアのそれは違った。
妃は花ではない。
妃は証だ。
王が手に入れたことを、世界に示すための。
ヴァルディア王都へ向かう道は、焼け跡の匂いがした。
エルセリアの道は本来、土と麦と水の匂いがする。豊かさは匂いを持つ。
だがその匂いは、進軍の轍と煤に塗り替えられていた。
ルナは馬車の中にいた。
鎖はない。
縄もない。
必要がないからだ。
逃げないと知っているのではない。逃げても意味がないと知っているのだ。
アルベルトの命が、首の根に置かれている。
向かいに座るソルは、静かだった。
赤い炎色の瞳が、時折ルナを捉える。
獲物を見張る目。
だが同時に、確かめる目でもある。
(いる)
(ここに)
(消えていない)
そう言っているような目。
ルナはその視線を受け止めながら、胸の奥で祈っていた。
――怪物にならないで。
――これ以上、壊れないで。
祈りの対象は、神ではない。
目の前の、孤独の王だ。
ヴァルディアに入った瞬間、空気が変わる。
冷たい。
乾いている。
石の匂い。
鉄の匂い。
そして、人々の視線。
値踏み。警戒。従属。
民は、王を恐れている。
恐れは、秩序を作る。
秩序は、国を回す。
ヴァルディアは、恐れで成立している国だ。
ルナは理解する。
ソルがここで育ったなら――
愛の形が歪むのは、当然だと。
王城は、高い門も黒い壁の向こうにあった。
冷たい回廊に囲まれ、灯りの少ない天井が覆っている。
かつて、ソルが沈黙を覚えた場所。
そして今、ルナの檻となる場所だった。
迎えは多かった。
官吏、将軍、貴族。
誰もが跪き、誰もが祝福の言葉を並べる。
だがその祝福は、ルナに向けたものではない。
王の“戦利品”に向けた祝福だ。
「陛下、凱旋を」
「神の御加護を」
「妃殿下に栄光を」
言葉は美しい。
だが、温度がない。
温度がない言葉は、刃になる。
ルナは、笑わなかった。
ただ、目を伏せた。
神官としての作法で。
表情を整えることで、自分を守る。
儀式は短かった。
豪奢な婚礼など要らない。
ソルに必要なのは形式ではなく、宣言だ。
玉座の前、王が立つ。
ルナは、その隣に立たされる。
「今日より、この者は我が妃」
ただ、それだけ。
誰も、異を唱えない。
唱えれば、焼かれる。
ヴァルディアは意見ではなく、力で沈黙する国だ。
ソルは、ルナの手を取る。
指先の圧が強い。
痛いほどではない。
だが、逃げ道を残さない圧だ。
所有するための、触れ方だった。
その夜。
ルナは、与えられた部屋に通された。
美しい部屋だった。
絹の寝台。
香木の棚。
窓は大きい。
月が見える。
だが、窓の外には鉄格子があった。
装飾の形をした格子。
優雅に見せかけた、牢。
ルナは窓辺に立ち、月を見る。
(同じ月だ)
エルセリアで見ていた月と同じ。
なのに、ここでは遠く感じた。
扉が静かに開き、ソルが入ってきた。
護衛はいない。
侍従もいない。
王は、一人で来た。
それが、異様だった。
この国の王は孤独を嫌うのに、孤独を選ぶ。
いや、違う。
孤独を選んでいるのではない。
孤独を“月で埋めようとしている”。
ソルの赤い瞳が、部屋の中の空気を塗り替える。
緊張の熱で、温度が上がる。
「……泣いていたか」
ソルが言う。
ルナは首を振る。
泣いてはいない。
涙は出ない。
泣けば、自分が壊れるから。
ソルは近づく。
距離が詰まる。
ルナの背が窓に触れる。
逃げ場がない。
ソルは手を伸ばし、ルナの頬に触れる。
指は意外なほど、丁寧だった。
乱暴ではない。
だが、優しさでもない。
壊れないように、触れているだけだ。
壊れたら困るから。
自分のものが壊れるのは、困るから。
「俺は、約束を守った」
ソルが言う。
「第一王子は生きている」
ルナは息を吐く。
安堵。
その安堵を、ソルは見逃さない。
赤い瞳が、わずかに細くなる。
満足。
それは善意への満足ではない。
支配が効いたことへの満足だ。
ルナは、それでも言う。
「……ありがとうございます」
ソルは笑う。
薄い笑み。
「礼はいらない」
そして囁く。
「代わりに」
指が頬から顎へ移る。
持ち上げる。
視線を合わせる。
「お前はここにいろ」
命令。
懇願ではない。
誓いでもない。
ただの、決定。
ルナは、静かに答える。
「います」
嘘ではない。
もう、逃げられないから。
だが、ソルはその意味を別の形で受け取る。
勝利として。
承諾として。
愛として。
ソルは息を吐き、まるで安堵するように目を伏せる。
その瞬間だけ、彼は少年になる。
十歳で捨てられた少年。
十三で救われた少年。
十四で引き離された少年。
その少年が、今だけ顔を出す。
そして次の瞬間、王に戻る。
怖いのだ。
弱さが露出するのが。
だから、王の顔で塗り固める。
「お前は」
ソルが言う。
低い声。
「俺のものだ」
その言葉に、ルナの胸が痛む。
拒絶したい。
だが、拒絶できない。
拒絶は、死を呼ぶ。
アルベルトの死を。
だから、ルナは沈黙する。
沈黙は、承諾ではない。
だがソルにとって沈黙は、最も都合のいい肯定だ。
ソルは、ルナの髪に触れる。
銀の糸のような髪。
撫でる。
梳く。
指の間を通す。
その触れ方は、執着に似ていた。
祈りの代わりの触れ方。
失わないための確認。
「……きれいだ」
呟く。
幼い言葉。
そして、続ける。
「隠すな」
ルナは微かに眉を動かす。
「何を」
ソルは言う。
「お前の光」
月は光らない。
光を反射するだけ。
だがソルの中で、ルナは光だ。
自分を照らす唯一の光。
だから、隠されたくない。
誰にも、見せたくないくせに。
矛盾が、ソルの中で渦巻く。
「明日から」
ソルが言う。
「俺の隣に立て」
ルナは頷く。
「分かりました」
その言葉が、また鎖になる。
ソルの中で。
“隣に立つ”が、“隣にいる”に変わり、
“隣にいる”が、“離れない”に変わり、
“離れない”が、“永遠”に変わる。
人は言葉を歪めて、狂う。
ソルは、その天才だった。
ソルは最後に、ルナの唇に触れるように口づけた。
深くはない。
だが、それは印だった。
所有の印。
刻む印。
そして、囁く。
「逃げるな」
ルナは答えない。
答えられない。
逃げたいのではなく、救いたいのだから。
救うために、残るのだから。
だがその真実は、ソルには届かない。
届かないからこそ、ソルは確信を強める。
確信は、執着を育てる。
執着は、世界を狭める。
世界が狭まるほど、王は安心する。
扉が閉まる。
足音が遠ざかる。
ルナは一人になる。
月が格子の向こうで光っている。
ルナは胸に手を当て、目を閉じる。
祈る。
神ではない。
ソルへ。
そして、遠くのエルセリアへ。
アルベルトへ。
(生きていて)
(どうか)
(壊れないで)
その願いは、両立しない。
それを知りながら、ルナは祈る。
二百年の癖で。
救いたい癖で。
見捨てられない癖で。
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