【完結】独り語り

桐生千種

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第2弾 冷たい同級生

トラック1 意識(1)

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 僕が初めてキミという人間を意識し始めたのは、夏。

 クラス委員としてクラス全員分の夏休みの課題をまとめる、という作業を担任に頼まれたときだった。

 あのとき、僕はもう1人のクラス委員であるはずのキミを放って、僕1人で頼まれた仕事を終わらせようとしていた。

 1年のときもそうしていたし、立候補でクラス委員になった僕と違って、半ば無理矢理押し付けられてクラス委員になったキミだったから。

 やりたくてクラス委員になったヤツじゃない。

 僕としても1人の方が気が楽だし、もう1人なんて足手まといになるだけだ。

 だから今年もクラス委員は実質僕1人で、もう1人は人数合わせのただのオマケ。

 頼まれた仕事も、すべて僕1人で終わらせようと思っていた。

 なのにキミは言ったんだ。


 自分もクラス委員になった以上、職務を果たす義務がある。

 だからその仕事を半分寄こせ、と。


 正直、なんだコイツと思ったね。


 まあ、でも。

 本人がやると言うのだから、やらせるしかないだろう?

 クラス委員として、断る理由もみつけられなかったし。

 だから、不本意ではあったけどプリントを半分キミに手渡した。

 自分の作業が半分になったことで、予定よりも早く帰れることになるには少なからずメリットがあったから。

 なのに――
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